デルタ型の安価な3DプリンターBIQU-Magicianを試していて,その使用感や注意している点などです。

プリンター本体は場所は取らないし,造形までのアイドリング時間も短く,さっさと始められるのはストレスが無くて良いです。動きもまずまず安定していて,8時間ぐらいかかる造形も特に問題なく行えています。

しかし,造形限度の直径100mmX高さ150mmというのはやはり小さいので,造形物を選びます。
特に水平面の大きさは円の直径100mmであって,四角形の100mmX100mmでないのは覚えておくべき事です。

あまり高さのないモデルを作成してみると,造形範囲の広い(200mmX200mmX200mm)のダヴィンチ1.0は翼の幅が180mmのトンボも余裕で作成できます。BiQUでは翼幅92mmが限界で,プラットホームとの安定した接着を求めると翼幅は最大80mmぐらいが限度になります。

写真の向かって左2つがダヴィンチ,右の小さいのがBIQU製です。



ただ,BIQUでも円筒形に近いモデルなら,そうも見劣りしない大きさのものができます。この胸像の台座は直径80mmです。ま,造形時間は8時間を越しましたが,,なかなかの出来です。



なお,トンボのように最大幅が作成物の中央にないような時は垂直に立てるのも一つの方法です。


付属ソフトCura for BIQU はモデルが造形可能範囲に入らないとsliceできません。sliceできる時は図のようにモデルが黄色になります。ちなみに使用言語として日本語を選択しても華麗にスルーされて英語のままです (^^;;;

(1) snapなんとかはモデルを摘んで細かく動かす時はチェックをはずしておきます。
(2)Build Plate Adhesion はチェックを入れるとプラットホームとの接着を良くするための薄い台が作られて造形が安定します。しかしその台の為に外周が使われるので造形物の最大直径は80mm程度になります。
(3)Infill はトンボのように細い足がある場合は内部の構造を密にしないと折れるので,50%にした方が良いと思います。

胸像は最大で直径90mmまでの台座が作れました。


(4)スライスできてSDカードに書き込めるようになっていますが,この時にSDカードをPCに挿入しても,認識はしますがこのボタンでは書き込めません!! SDカードをPCに差し込んでからソフトを立ち上げると問題なく書き込めます,,,。
また,書き込みは同名の旧データがあっても「同じ名前の,,」のようは注意は出ず,バシッと上書きされます。


後,BIQUでの造形で気をつけていることなどを少々。

1.水平出しの自動調整は必ずセンサーを付けたのを確認してから実行する。ぼ〜っとしてちゃんとセンサーのコネクタをきっちり入れていないままで開始するとヘッドが動き,ノズルが台をキツツキのように叩き出して悲惨です (^^;;;

2.BIQUの電源が入った状態でSDカードを挿入すると,すぐに最新のデータをみつけて「印刷しますか?」という画面になりますが,私は「しません」を選択してホーム画面に一度戻しています。そのまま印刷に入ると温度も上がっていないのに造形を始めたり,自動調整のような動きになりキツツキ現象を起こしたり,,想定外の動きを始めることがあったので,信用できません。

ホーム画面です。ここからスタートすると安定しています。


3.フィラメント交換はホーム画面の「あたため」で目標温度を「PLA」にして,温度が上がってからフィラメントを引き抜きます。


4.細かい部分,例えばカニの足などがある時はソフトで内部密度を上げておくとともに,造形速度を遅くして丁寧に作るとサポートを外す時にも折れない物がなんとかできます。

ホームからプリントを開始すると速度調整が選択できます。
これは造形中でも変更できるので,細かいところはゆっくり,そこを過ぎたら速度を元に戻すというような事もできます。



3Dプリンターもコンシューマー製品が出てから随分経ちましたので,格段に使いやすくなってきていますね。

それでも水平をとったり,フィラメントがパイプの中で折れたり,,動きに不安要素があったり,,機械のお世話をする事が結構あります。

ま,インクジェットのカラープリンターのように誰もが普通に使う域にはまだまだ到達していなくて,3Dプリンターを使うのには好き者心がかなり必要ですね (^^)