【音響都市伝説】レコーディング編-8 | Pro Tools Chips

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体系化して書くのが面倒なので、思いついたときにアップする断片的なTips
基本自分の環境(iMac 2.6G/4M 10.5.7 PT8LE 002Rack)以外での検証はしていません。

その昔、ミッキー吉野が初めてレスリースピーカーをスタジオに持ち込んだとき、ホーンが回転して音をまき散らすという前代未聞のシステムに困惑したエンジニアが、4面全てにマイクを立ててモノミックスしてしまった。



















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解説

本人に尋ねたところ、どうやら本当みたいだ。

レスリースピーカは、低音用と高音用のスピーカの先に、それぞれホーンとロータを取り付けモータで回転させ、音を振り回すという野蛮なもの。これによって独特の「ハモンドサウンド」が出せるわけ何だが、これの大きな要因はドップラー効果。つまりホーンやロータの音の出口が近づいたり遠ざかったりすることによる音程変化、音量変化がメインな訳だ。

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よってモノラルで良ければ、スピーカの4辺のどこかに、マイクを置けばいいわけだ。実際プレーヤはそうやって一点で聴いているわけだし。

ところが生真面目で知られる我がニッポンのエンジニア、「そんなことをしたら、音程や音量にムラが出てしまう!」と考えたのだろう、4辺の同じ位置にマイクを立ててモノミックスをしてしまったわけだ。

当然効果はキャンセルされる部分が多く、労多くして功少なし。(それでも効果は起きるので、問題にはならなかったそうだ。)