聞かれたので記事にしてみた。
原理的には逆相を利用した簡単な発想。プラス1とマイナス1を足し算したら0になるという理屈。よってオリジナルの曲に波形を逆にしたカラオケを足してやれば、カラオケの部分だけが消えて、歌だけが残るという理屈だ。
まあ現実的にはそううまくいかないんだが、バックでマスキングしてしまえば結構色々と遊べる。
もちろん、既存の曲を使って無断で世の中に発表したら法律違反だし、パソコンで言えば逆アセンブルに近い今回の作業が許されるのかはグレーゾーン。まあよくあるフレーズを書いておこう。
「あくまで知的興味からの記事で、悪用は厳禁です!」
まずは曲とそのオリジナルカラオケ(当然だが、DAMとかのカラオケの音源ではダメ)をインポートする。
インポートが完了したら、新規トラックとして配置。今回は下側の緑の方がカラオケだ。そしてその2つのリージョンを波形を見ながら、ざっと合わせておく。(少なくとも合わせて聞いたときにずれていない程度に)
CDをインポートした時点では、スタート位置が一緒とは限らないので、この時点で手作業で大体の位置を合わせておく必要がある。
そして、歌のない部分を1秒ほど選んでループ再生にしておく。
同時にナッジの値を1サンプルに変更しておこう。
時間軸を適当に拡大し、波形の高さを適当に設定して、波形が似ている部分を探す。
今回は丸で囲った部分が同じような形をしている。前もって大体合わせていたので、画面上の近くで見つかるはずだ。
これをグラバーツール(手のひら)で大体合わせておく。
そうしてさらに拡大して波形の状態にして、また同じような部分を見つける。
グラバーツールだと動きが分からないので、テンキーの+-を使って1サンプル(最低単位)毎にナッジして、波形の位置を合わせる。
合わせたら、カラオケのトラックにEQ3 1-Bandをインサートする。動作が軽くて逆相に出来るプラグインなら、何でもかまわない。
そうして、フェイズボタンを押す。
一応レーテンシーの確認。ミックスウィンドウに切り替えて、カラオケのトラックのVol情報の部分(丸印)をコマンドキーを押しながら2回クリックするとDly表示になる。
ここが0であれば、レーテンシーが起きていないのでOK。
再生してみて、なるべく音が消えるような位置を探してナッジを微調整する。
ステレオのマスターフェーダを作成する。
ステレオのマスターフェーダを見ながら、2つのトラックのレベルを調整する。大体-6dBくらいにしておいて、カラオケのトラックの音量を上下させる。
このときのコツは、歌のないところを再生して、ベースやキックが最も小さくなる音量にすること。今回はたまたま同じレベルだったが、場合によってはカラオケの音量が異なるので、必ず一緒の音量になるわけではない。また通常完璧には消えない。
出来たら、マスターフェーダにフィルタをインサートして、ボーカル帯域以外の不要な部分を音を聴きながらカットする。
これでバウンスすれば、完成。
なんでこの曲かは聞かないのが大人の優しさだ。
こんな感じになる。最初 ガヤ
ただ、これはあくまでもカラオケが純粋にオリジナルから歌だけを抜いた状態でないとうまくいかない。そのためこれを防ぐ意味でわざとカラオケのほうのバランスを若干換えたり、パンを変えたり、EQをかけたりされると、オケが残る割合が高くなってくる。
またインターネット上にあるファイルなどは非可逆圧縮がかかっていることが多く、同じ方法で作ってみても、そのエンコーディングの違いがノイズになって現れる。
こんな感じ
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