Butler AJ et al:The Movement Imagery Questionnaire-Revised, Second Edition (MIQ-RS) Is a Reliable and Valid Tool for Evaluating Motor Imagery in Stroke Populations.Evid Based Complement Alternat Med.2012

【目的】
(1)年齢を合わせるように調整された脳卒中片麻痺患者と健常者におけるMIQ-RSの試験-再試験信頼度を調査・比較する
(2)MIQ-RS内における視覚と運動感覚での内部整合性を検討する
(3)MIQ-RSは、心的イメージの両方の視覚と運動感覚の次元が含まれているかどうかを判断するために因子分析にて検討する
(4)MIQ-RSのパフォーマンスの予測値を提供するために、機能障害と運動イメージスコアを関連付ける
(5)KVIQ-10に結果を比較することによって、脳卒中片麻痺患者におけるMIQ-RSの基準妥当性を調査する

【方法】
脳卒中群の取り込み基準は、 (1)40~80歳の間(2)座位バランスが医学的に安定している(3)慢性脳卒中(2ヶ月以上と定義) (4)事前に心的イメージ介入をしていない (5)理学または作業療法を受けていない (6)重篤な失語症・失行・または他の神経学的状態でない 、とした。

除外基準は、 痛みやアンケートを完了する能力を妨害するROM制限があった者。

健常群の取り込み基準は、 (1)年齢が40から77歳の間であった(2)身体的・認知機能に問題のない

測定は、MIQ-RS、KVIQ10、Fugl-Meyer Motor Assessment (FMA)、MMSEを行った。
そこから試験-再試験の信頼性、再現性、内的整合性、MIQ-RSとKVIQ10との下位尺度での相関、MIQ-RSスコアとFugl-Meyer Motor Assessment (FMA)、MMSEとの相関を検証した。







【結果】
試験-再試験 は、良好な信頼性のレベル(ICC 0.83から0.99の範囲)を示した。
ICC値は 、弱い (0.1–0.3)、中等度(0.3–0.5)、強い (>0.5) で分類される。




脳卒中群では、再現性の係数(Coefficient of repeatability(Table 4))は視覚的スコア、運動感覚のスコアそれぞれ1.24と1.14であった。
再現性の係数は1.96未満でないといけない。
(a,b)コントロール群、(c,d)脳卒中群







Figure 3
(a)コントロール群の運動感覚スコア (rs = 0.86, P < 0.001)、(b)脳卒中群の運動感覚スコア (rs =0.84, P < 0.001)、(c)コントロール群の視覚スコア (rs = .77, P < 0.001)、(d)脳卒中群の視覚スコア (rs = 0.62, P = 0.002)であった。




内部整合性は、視覚と運動感覚の下位尺度にて良好であった(Cronbach α:0.95から0.98)。
Cronbach α 係数は0.7以上で一般的に許容されている。



FMAとMMSE上のスコアはMIQ-RSのパフォーマンスに関連していなかった。


MIQ-RSは有効性・信頼性の高い有用なツールであることが示唆された。
だいぶブログをご無沙汰にしておりました。汗

この6月は自分にとってとても充実していました。
元々マルチタスクとかできず、すぐキャパを超えてはボロボロに…というのが毎回の流れでした
が、
今回は体力的にかなり追い詰め、成長できたのではないかなと感じています。
(かなり職場の方々に助けて頂いていますが…)

「一に体力、二に気力、三に能力」
体力大事やなーと、この言葉が最近気に入っています。


主な出来事に

リハケア学会抄録締切

兵庫県理学療法学術大会予演会

近畿理学療法学術大会抄録締切

院内発表会

がありました。




病院に行くたびに
「顔青白いね」
「これが僕のスタンダードです」
とやりとりしていましたが、ちょっと疲れていたのかもしれません。




ただ間違いなく新しいことにチャレンジできたと感じています。
PICOの院内発表でまだまだ議論するための知識・話術が足らないこと、人の前で発表したい気持ちがあること
抄録では、添削して頂くことで文章の稚拙さに気づいたこと、早く添削してあげられる側になりたいこと、統計がちょっとだけ使え学びたくなってきたこと
などなどたくさんありました!
中谷さん、約10本の抄録を抱えている中で自分の抄録を添削して頂き、本当にありがとうございました。「直すとこないわ」と早く言って頂けるようにします。


このようにチャレンジさせて頂ける職場の環境、そして皆さんに感謝しております。
自分のフィードバックに多くの時間を割いて頂けることを当たり前に思わず。
自分も後輩のフィードバックをする機会ができたら、先輩方のように丁寧にできるのかと不安になります。まだまだ追いつけませんが、頑張ろう。




ちなみに今日は院内発表日でした。
ちょっと人が少なくて、動揺してしまいましたが…笑。これもまたフレディーの実力。。
たくさんのご意見、アドバイスを頂けてとても勉強になりました!
山本主任には、お休みのところ駆けつけて頂き感謝のお言葉しかありません。


PICO院内発表-被殻出血患者の足尖の引っかかりに対するFESを併用したペダリング運動介入-
ぜひよろしければ、ご覧になって下さい。
ameblo.jp/pt-synchronization/entry-12175987215.html?frm_id=v.mypage-checklist--article--blog----pt-synchronization_12175987215



まだまだ頑張れる。
だから、明日からも臨床頑張るぞ!

佐藤さん、オロナミンCありがとうございました。




基本情報です。診断名は左被殻出血で、年齢は60歳代男性の方です。
現病歴は平成28年1月下旬に上・下肢不全麻痺および呂律困難となり救急搬送となりました。
発症約3週間後に当院回復期リハ病棟に入院となっています。
既往歴には高血圧症、軽度脂質異常症、突発性難聴があります。


理学療法評価です。機能障害と能力に分けて説明します。
まず機能障害ですが、BRSⅤ、足関節背屈MMT麻痺側4・非麻痺側5、SIASは左から下肢機能13/15点、体幹機能5/6点、感覚機能5/6点、Trunk Control Testは87/100点でした。
次にバランスと歩行の能力についてです。バーグバランステストは55/56点、減点は前方へのリーチ項目です。
FGAは27/30点、FGAとはファンクショナルゲイトアセスメントのことであり、DGIの評価項目を増やしたものになります。
屋外12分間歩行は総距離約600m、足尖の引っかかり回数は26回でした。足尖の引っかかり回数はステップ戦略が生じたものをカウントしています。ADLは身体機能・高次脳機能を考慮して、病棟内歩行器歩行自立でした。


12分間歩行のカットオフ値です。
本症例の場合、60歳代以上の行を確認します。


Toe-clearanceについてです。
右麻痺ですので、右の写真が実際に引っかかりの生じている際のものです。


体幹・下肢機能低下や持久力低下などの様々な要因が関与する歩行障害に対する一般的な理学療法介入について、脳卒中治療ガイドライン2015では課題反復訓練や訓練量、まさに課題指向型トレーニングが重要であると記載されています。
トップダウン的に歩行を改善するのであれば歩行練習をするということが治療の第一選択肢であり、それに加えて本症例の個別性を考慮し電気刺激療法と装具療法を組み合わせたものを選択しました。個別性としてtoe clearanceの確保は、エビデンスとしても重要であるとされている歩行量を確保するため必要であり、また電気刺激療法の刺激部位は前脛骨筋とし、外側皮質脊髄路の興奮性を高めて、永続的な前脛骨筋の筋出力の改善にも寄与する予測を立て介入しました。しかし、歩行練習を実施しても足尖の引っかかりが認められ、機能改善のための訓練・訓練量を担保できず治療は上手くできませんでした。


トップダウン的な治療が上手くいかなければ、次の治療選択のためボトムアップ的に個々の論文を検索する必要があります。
その際に個別性を重視し抽出する方法として、体幹機能、下腿遠位機能これは底背屈運動の切りかえ機能のことで、この2つのワードを含む論文を探していきます。また病名と出血部位の双方からみてもキーワードである体幹機能と協調性に障害を持つことは解釈内容に一致します。


先ほど問題点を再確認しましたが、本症例は歩行練習ではクリアランスを担保するウォークエイド・GSDを併用しても引っかかりが生じています。おそらく歩行練習での治療効果には限界があると思われ、どのような治療が適応となるか。
検索するなかで、脳卒中治療ガイドライン2009にはスライドのように記載がありました。個別性を重視し、本症例にペダリング運動を適応しようと考えました。


クリニカルクエスチョンです。
Patientは発症後8週間が経過し、体幹機能と下腿遠位機能の低下により歩行時に足尖の引っかかりが生じる脳卒中片麻痺患者、
InterventionはFESを併用したペダリング、
Comparisonは一般的な理学療法、
Outcomeは足尖の引っかかりが減少するかとしました。


検索文献の紹介にうつります。研究の目的は、FESを併用したペダリングはプラセボFESを併用したペダリングと比較し、運動回復を促進し歩行能力において効果的であるかを検証することです。


概要をPICOで記載します。
Patientは亜急性期の初発脳卒中患者35名
InterventionはFESを併用したペダリングを25分間実施
ComparisonはプラセボFESでのペダリング
Outcomeは下肢運動機能、体幹機能、立位運動制御機能、歩行速度、ペダリング力と対称性が改善した、とあります。


2つ目の文献です。これは1つ目の文献の追加研究です。そのため、対象・方法は同様です。
研究の目的は取得された追加データを分析し、運動機能は筋力や運動の協調性の変化に関連したかどうかを検証することです。


Patientは亜急性期の脳卒中片麻痺患者35名
InterventionはFESを併用したペダリングを25分間実施
ComparisonはプラセボFESでのペダリング
Outcomeは下肢の対称性および運動協調性が改善した、とあります。


3つ目の文献です。研究の目的は、FESを併用したペダリングはFESなしでのペダリングと比較し、歩行とバランス機能が向上するかを検証することです。具体的に歩行能力は介助量で、バランス能力は静的および動的バランスで評価しています。


Patientは脳卒中による重度片麻痺患者40名
InterventionはFESを併用したペダリングを20分間、麻痺側の内側広筋と大腿直筋および大腿二頭筋と半腱様筋に適応
ComparisonはFESなしでのペダリング
Outcomeは歩行機能とバランス能力が改善した、とあります。


4つ目の文献です。研究の目的は、短期的なFESを併用したペダリングが、FESを併用しないペダリングと比較し脳卒中患者の姿勢制御機能を向上できるかを検証することです。


Patientは脳卒中片麻痺患者20名
InterventionはFESを併用したペダリングを20分間、麻痺側の大腿四頭筋およびハムストリングスに適応
ComparisonはFESなしでのペダリング
Outcomeは姿勢制御機能が改善した、とあります。
ここでの姿勢制御機能は、静止立位からのCOGの最大偏位量と方向制御です。


症例の臨床像に適しているのは検索文献ⅠとⅡであると判断し批判的吟味を行いました。




研究結果を踏まえて患者適応を考えます。FESとペダリング運動介入によって、体幹機能・下肢協調性が改善することは本症例の問題点と一致します。加えて、ペダリングが歩行様運動であることから課題指向型トレーニングであり、脳卒中治療ガイドラインのエビデンスと一致しています。最後に有酸素運動としての効果も高いと報告されており、12分間歩行距離延長に伴い足尖の引っかかりが若干多く生じることから持久力向上に対する効果が期待できます。


介入方法は、ウォークエイドを前脛骨筋に対して感覚閾値レベルの強度で併用しながらペダリングを実施しました。
期間は1ヶ月とし、週3回実施しました。電気刺激療法の強度に関して、一定の見解がなされていません。その中で感覚閾値レベルでも歩行因子を向上させることが報告されています。


中間評価の結果です。改善が見られるため、継続して治療介入することを確認しました。


最終評価の結果です。屋外12分間の総距離は約800m、引っかかり回数は5回と改善が認められました。


PICOの症例発表としては、ここで終了ですが、最終評価時に屋外12分間歩行で足尖の引っかかり回数は5回であり、屋外自立のためには引っかかり回数を0回にする必要があります。この課題に対して、もう一度エビデンスの高いガイドラインを用いて解釈します。スライドの文章は理学療法診療ガイドラインの装具療法についてです。この文面からもおそらくクリアランスを担保するという観点で装具療法の効果は高いと考えられます。


装具なし、ありでの比較です。屋外12分間歩行における引っかかり回数は、装具なしでは5回、装具ありでは0回とクリアランス担保に貢献していることが伺えます。また歩行時のTAの筋活動について、装具なしでは44.4mv、装具ありでは39.8mvとやや装具ありの方が小さな値で、おそらく装具に依存したと考えられます。上記の結果を踏まえて、屋外自立のために装具を使用し、引っかかり回数を0回にする手段も考えられます。しかしこれは更生用装具としての意味合いが大きく、現段階では装具なしでのトレーニングによる機能向上を優先しています。つまり時期に応じて治療選択することが求められます。


まとめです。今回、左被殻出血患者に対するPICOを用いた臨床推論を行った。結果、FESを併用したペダリングを治療介入として選択、継続して実施し、屋外12分間歩行距離延長および足尖の引っかかり回数の減少を認めた。限界として、クリニカルクエスチョンで介入をペダリングとし、比較を歩行などの一般的な理学療法としていますが、検索文献に歩行とペダリングとを比較検討されたものはありませんでした。


ご静聴ありがとうございました。