局所も全体もどちらの視点も大切 | 理学療法士SMILEの勉強生活

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たまには学生さん向けの内容を書きます。


評価について基本的な考え方についてで、局所も全体もどちらの視点も大切であるというお話です。


別に目新しい事ではなく、当たり前の話です。


ただ、この当たり前の事が中々理解できない方がまだいるようですので、一応書きます。


今日、見たのでw



要するに、肩関節が痛いからと言って、肩関節だけを治療してれば良いという考えは誤りであるという事です。



例えば、肩関節の可動域を検査するとします。


肩関節180度屈曲しようとするのであれば、体幹の伸展が欠かせません。


体幹の伸展に制限があれば、肩関節屈曲の制限因子になり得ます。


円背を想像するとわかりやすいかもしれません。


つまり、肩関節自体に問題はなくても、肩関節の可動域に制限が生じるという事です。


だからこそ、肩関節の可動域制限があったとしても、肩関節ばかり見ていては正確な原因究明はできません。


広義の意味での肩関節(肩甲胸郭関節や胸鎖関節など)の評価だけでは不足であると言えます。


もちろん、体幹の伸展だけでなく、手部や上肢、頭・頸部、体幹、下肢、足部。


alignmentとしてだけでなく、あらゆる条件で肩関節に影響してくる可能性があります。


もっと言えば、内臓機能・状態や精神面、環境面など、挙げていけばキリがありませんね。


しかし、それらの状況を全て考慮することが評価であり、そこから導き出した答えから治療内容を選択していく。


当たり前のハズなのですが、この過程が抜けて治療をしてしまう方がまだいるようです。


私が特別な訳ではなくて、全てのセラピストがしっかり評価→治療→評価→治療の流れを踏襲して欲しいと思ったので書いてみました。



手関節が痛いから手関節だけを治療する。


全てが間違っている訳ではありませんし、患者さん自身もそうして欲しいと望む場合があります。


しかし、それでは治るものも治りにくくなってしまいますし、専門職として正しいと考える治療方法を適切に提供、説明(説得)することもセラピストの腕の見せ所の一つであると思います。


そもそもセラピストである以上、「考える」という過程を抜いてしまっては専門職としての役割をサボっているとしか考えられません。


あらゆる可能性を探って、適切な治療を施すことが理想のセラピストの一面だと私は思います。


考え方はたくさんあって良いですし、時に対立することがあっても良いと思います。


ですが、考えることを止めてしまうのであれば、セラピストも辞めてしまえばいいのにと少し偉そうなことを思ってしまいました。



・・・という事で、今日は基本から勉強し直します。