学生向けに触診について書きます。
ですが、理学療法士として一般的な筋や骨の触り方についてではありません![]()
というのも今日、頸肩部と両前腕に痛みのある若い女性の患者さんを治療していました。
(確か診断名は頸肩腕症候群、頸椎神経根炎、変形性頸椎症だったと思います。)
週に1度程度、外来患者さんとして治療させて頂いていました。
そんな折、治療中に先週にはほとんど感じなかった右の頸部~肩にかけて膨らみを感じました。
おおよそ右の僧帽筋上部線維や中・後斜角筋付近の広範囲でした。
左右を比べると、確かに対側にも筋硬結がみられたのですが、明らかに感触が異なり、もちろん単純に筋緊張が亢進している訳でもなさそうでした。(もともと右肩の筋緊張亢進や筋硬結はありました。)
筋や筋膜に炎症が起こっていれば、どの筋が主に原因であるかは予測がつくのですが、今回はどうしても???でした。
また患者さん自身に確認すると、圧迫しても痛みがないそうです。
その部分を避け、色々と考えながら治療をしていたのですが、「これは何かおかしい」と思い、改めて医師の診察を受けてもらう事にしました。
診察の結果、腫瘍の疑いがあるとのことで、血液検査とMRI撮影を急遽行う事となりました。
これ以上の詳細は伏せておきます![]()
・・・と言う事で学生の方に言いたいことは、まずは正常な個々の筋や骨の位置関係を知り、判別できる事が必要です。
しかし、今回のように本来ないべきものがあったり、逆にないものがあったりと、「正常」から逸脱した状態の見極めが必要になります。
もちろん人間は個体差が大きいので、それを考慮することも必要です。
ただ、おかしいなと感じたら基本的には誰かに報告や相談することが正しい判断だと言えます。
ケースによってですが、患者さんの利益を考えると自己解決はとても危険であると言えます。