☆日生劇場にて☆
ハロルド•ピンター 作
デヴィッド•ルヴォー 演出
『昔の日々』を観てきました。
2014-6-15☆
ディーリィ役 堀部圭亮さん
ケイト役 若村麻由美さん
アンナ役 麻実れいさん の3人芝居。
初め感じた感想は、最初から最後まで理解できませんでした。
そのせいもあって、ケイト役の若村麻由美さんが、すごく泣いているのを、よくあんなに泣けるなあ、と漠然と思ってしまったほど。正直、面白い、とは感じられなかったんです。
ですが、観劇後に配られたリーフレットによる解釈と、パンフレットに記載された
「理解できない」からといって不安にならないで欲しい。
との、演出家であるデヴィッド•ルヴォー自身の言葉で、急に面白さや興味が湧き上がるのを感じました。
自由に受け止めてみた理解や解釈が深まれば深まるほど、突き詰めれば突き詰めるほどに、心の奥底に直接迫る、そんな演目だと思い、
きっと、観れば観るほど、演者であれば、演じれば演じるほど、ケイトの、そして、アンナの涙は、深くなっていくのではないか、とも感じました。
観終わった直後には、また観たいとは思えなかったのに、噛み砕いてみると、もう一度観てみたいと感じさせられる、いや、観なくちゃいけないとも思わせる、
急に大人になってしまったような感覚にも陥る、知的で不思議なお話。
後から、じわじわ効いてきて、40を過ぎたころに観たら、(そのときの状況によっては)すごく真に迫ってきそうで恐ろしいだろうとも予想される、心理的な怖さも持ち合わせる作品だとも思いました。
そのときだけ面白くて、後に残らない作品も、その場を楽しむのには良いけれど、その後もずっと尾を引いたり、深く考えさせられる、考えてしまう作品、心に染み入る作品や、メッセージ性の強い作品のほうが、私は好きだな。と、改めて思いました。
ハロルド•ピンター 作
デヴィッド•ルヴォー 演出
『昔の日々』
東京での公演は15日のこの日が最後で、19日~22日までは、大阪の梅田芸術劇場で公演するそうです。
とっても知的な大人向けの作品。
この演目を観た誰かと、語り合ってみたいです。
西塔紅美/Nao Cumy


