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バレンタイン(付近)には、ROYCE’ のチョコを差し上げて、自分ははじけるチョコをいただきました ピンクハート ← 個人情報か!?


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これからしばらく(間を空けながら)、個人の心や生活に関わる「データ・プライバシー」※の問題・課題を見ていきます。


※ 前回はデジタル・プライバシーと言いましたが、こちらのほうが一般的な呼び方のようなので、今回から変えます。


いろいろ思うところはありますが、( ITも法務も)専門家ではないので、問題提起をする程度にとどめます。


ただ、専門家ではなくとも、すべての人に関係のあることですので、皆さまも一緒に考えていただけたらと思います。


データ・プライバシーの論点はいくつかありますが、


第一は、保護の対象となる個人情報(データ)の範囲です。





基本的には、EUのGDPR【一般データ保護規則】の考え方を紹介したいのですが、まず日本との温度差について知っておく必要があります。


GDPRは、保護されるデータの範囲が広いこと、高額な制裁金を課されることから「世界で最も厳しい個人情報の保護に関する規則」と呼ばれます。


日本の「個人情報保護法」(正式名称:個人情報の保護に関する法律)は、


個人情報の有用性に配慮しながら、個人の権利や利益を守ることを目的としている、とされますが、


日本は産業界の声が強く、ヨーロッパに比べて、個人情報の「活用」に重きを置いているといわれます。


なお、日本では、データベース化された個人情報を個人データと呼んでいます。


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日本における「個人情報(データ)」の定義は、一見したところ、EUとさほど異なっていないように見えるかもしれません。


が、具体的に、何をどの程度、保護すべきかという考え方は違っています。


日本の個人情報保護法 では、個人を特定できる情報のみを対象としています

※ 企業はプライバシーポリシーを明示することで、個人情報利用の許諾を得ることができる。違反した場合は、30万円以下の罰金などが課せられる。

GDPR における、保護すべき「個人データ」は、氏名のように単体で個人を識別できるものだけでなく、組み合わせることで、個人を識別できるデータも対象になります。


IPアドレスやCookie などの「識別子」も含まれている点が、日本の 個人情報保護法 との大きな違いです。


欧州では、企業などがこれらを利用するには、本人の同意が必要になります。


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GDPRがどのようなものを個人データとしているか、定義の説明は素人には難しいのですが、例示されているものには以下があります。


  • 姓名 
  • 自宅の住所 
  • name.surname@company.com のようなメールアドレス 
  • IDカード番号 
  • 位置情報(例えば携帯電話の位置データ機能) 
  • IPアドレス
  • cookie ID
  • 携帯電話の広告識別子 
  • 健康診断結果など
※ パスポート番号やクレジット番号も含まれます

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このうち、IPアドレス、Cookie ID、広告識別子 を「糊しろ」のように用いると、異なるデータベース間のデータ連携を行うことができ、一つのIDに紐づけられるデータの量を格段に増やすことができます。

個人の側からすると、それだけ個人を特定されたり、操られたりする危険が高まります。

素人にはわかりにくいのですが、この辺の取り扱いが、企業の利益と個人の権利との間で、焦点になってくるところだと思われます。

しかし、ほとんどの個人はこうしたことに無知なので、もしくは多少は知っていてもよく理解していないので、

企業側からは「個人は言うほどプライバシーを気にしてはいない」と見られているようです。

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日米では、過剰な個人データ保護は、産業界の利益を損ねるとの見方が、特に投資家の間に強く見られます。

フェイスブックから大量の個人情報が流出する事件があったあと、ザッカーバーグ氏は、今後は利益よりプライバシーを重視する、と宣言しましたが、

これを受けてセキュリティ対策を強化した際、株価は下がりました。

実際には、プライバシーに配慮し、セキュリティを万全にしたほうが、顧客との信頼関係は強まり、長期的な利益が見込めるのでは、とも考えられますが、

投資家の意識が変わらない限り、企業自らが現状を変えるのは難しいのかもしれません。

一方で、カリフォルニアなど世界の他の地域でも、類似の規則が作られはじめています。

つづく…


GDPR 4条1

「個人データ」とは、識別された又は識別され得る個人(「データ主体」)に関するあらゆる情報を意味する。識別され得る個人は、特に、氏名、識別番号、位置データ、オンライン識別子のような識別子、又は当該個人に関する物理的、生理的、遺伝子的、精神的、経済的、文化的若しくは社会的アイデンティティに特有な一つもしくは複数の要素を参照することによって、直接的に又は間接的に、識別され得るものをいう。

‘personal data’ means any information relating to an identified or identifiable natural person (‘data subject’); an identifiable natural person is one who can be identified, directly or indirectly, in particular by reference to an identifier such as a name, an identification number, location data, an online identifier or to one or more factors specific to the physical, physiological, genetic, mental, economic, cultural or social identity of that natural person;


【日本】2022年の個人情報保護法改正について :  サードパーティCookie なども個人データと定義されるようになったが、電話番号・IPアドレスは個人情報と位置付けていない。サードパーティCookieを使用したマーケティング施策を行う場合には、個人情報提供・使用の同意を得る必要がある


参考までに

GDPR 全文 108ページ


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