こんばんは。
ご訪問いただき、ありがとうございます。
Psychology Today (web)に、歴史的な流れから見た、自我防衛についての概論が載っていました。
ハーバード大学のジョージ・ヴァイラント教授 の 自我防衛の段階論 を、自我防衛に関する 最新で、最も影響力のあるもの だとしています。
自我防衛は、defense mechanism (防衛機制)といいます。
タイトルは
The Wisdom of Defense Mechanisms
- Psychological defenses can help manage the internal weather.
防衛機制の智恵
- 心理的な防衛は
内側の気分を管理するのに
役立つ
筆者は Noam Shpancer Ph. D
2018年の記事です。
抄訳でお届けします。
前半は、フロイトの理論の説明からはじまり、アドラー、カレン・ホーナイ、フェスティンガー、ロジャース、ロロ・メイ、Albert Baundra らの理論を簡単に紹介しています。
後半は、ジョージ・ヴァイラントの「防衛機制の成熟」について。
「熱は対処するための反応であり、病気の兆候ではない。」ー ジョージ・ヴァイラント
後半
人々の健康(幸福)にとって自我防衛が重要であることについての、最新で、おそらく最も影響力のある仕事は、ハーバード大学の精神科医、ジョージ・ヴァイラントによるものだろう。彼はフロイトのアイディアの数々を取り入れ、それらを経験的に、まったく別のカテゴリーで整理し、人々の人生への適応に関する、長期にわたる研究に適用した。ヴァイラントのシステムでは、自我防衛とは「突然のストレスによる破壊的な影響を軽減する無意識のホメオスタシス的メカニズム」である。
自我防衛は病的であると同時に、順応的で、創造的ですらあり得る。しばしばその使い手には見えないが、観察者にとっては奇妙で、ときには困惑させられるものである。
ヴァイラントのシステムにおける自我防衛は 動的 で、未熟から成熟への連続性 に沿って整理されている。それで、たとえば、未熟な防衛である青少年のアクティングアウト〈訳注 : 行動化 = 抑圧された情緒の反社会的で破壊的な行動への現れ〉(たとえば衝動的な万引き)が、時を経て徐々に反動形成となり(厳しい警察官になる)、最終的には成熟した利他主義に変化する(地域の刑務所でのボランティア教師)。
ヴァイラントは自我防衛を 4つの階層 に整理した。一番下のレベルは最も不健康な、精神病的防衛である。投影、否認、歪曲(など)。
2番めのレベルは未熟な防衛。行動化、受動攻撃行動(例 : 自傷行為)、解離(幼少期の虐待のあとによく起こる)、投影(パラノイド)(など)。
3番めのレベルは神経症的防衛。このレベルの防衛機能は、潜在的に恐ろしい考えであるか、気づくことのできない感情である。例としては、置き換え、影響(とその反対物)の分離、考えなしの感情、抑圧など。この種の防衛はしばしば恐怖症、強迫、身体化、健忘として現れる。より低次の防衛と比較すると、これらの防衛は、観察する人よりも、用いる人を不快にする。
最も高いレベルの成熟した防衛については、その使用は年齢とともに増える。この種の防衛は、使用者が、感情や考え、およびその結果への意識的な気配りを増すことによって、主に喜びと満足を増幅するのに役立つ。このレベルの主要な防衛は、
Sublimation 昇華
Suppression 抑制
Anticipation 予想
Altruism 利他主義
Humor ユーモア
※ 記事には個々の説明もありましたが、別稿に譲ります。
ヴァイラントの仕事は、過去70年以上にわたり、防衛の「成熟」が精神的な強さ(レジリエンス)の際立った側面であると示してきた。そして、それが成人に健康と幸福をもたらすと予測することが可能である。
言いかえるなら、ユーモアや準備、利他主義などの成熟した防衛を用いる人は、否認や投影、解離などの未熟な防衛を用いる人より、結局のところ良い人生を送れる可能性が高いということになる。
中略
趣味を見つけよう。客の前で配偶者と争うのはやめよう。老婦人が通りを渡るのを助けよう。遠出をする時にはサンドイッチを持って行こう。面白いものを読もう。
良い人生のためのフォーミュラ。
悪くないよね?
以上
筆者は Otterbein College and a practicing clinical psychologist in Columbus, Ohio の心理学教授
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