みなさま、こんにちは。朝夕は少しずつ涼しくなってきて、秋の足音が聞こえてきますね。

エリザベス女王の命日は9月8日。亡くなられてから1年ちょっとが経ちました。チャールズ国王はカミラ王妃とともに、女王が再期を迎えられたバルモラル城で過ごされ、クラーシーカーク教会の礼拝に出席されました。ウィリアム皇太子とキャサリン妃は、ウェールズ南西部のペンブルックシャーにある聖デヴィッド大聖堂をご訪問。女王のお写真を前にお二人で黙祷されていました。ハリー王子もちょうど良いタイミングで英国に帰国されていて、女王の眠るウィンザー城の聖ジョージ礼拝堂にも行かれたそうです。

 

昨年エリザベス女王の崩御を受けて、英国各地では行われた様々な行事が行われていました。いくつか心に残っていることを書き留めておきたいなと思い、1年前のことですが、ご紹介させていただきます。

 

一つの時代が終わる瞬間と、ご葬儀への国民への距離感の近さも印象的で、英国に住む人たちの温かい一体感を感じる10日間でした。国葬は厳かで、選曲にはエリザベス女王が子どもの頃から親しんできた音楽家の曲も多数。胸を打つ美しさがありました。

 

 

 

スコットランドの中心都市エディンバラで執り行われたエリザベス女王の功績を讃える礼拝には、私も伺わせていただきました。

 

スコットランド国教会の総本山でもあるセントジャイルズ大聖堂で執り行われ、王室からはチャールズ国王をはじめ、アン王女、アンドリュー王子、エドワード王子が参加されました。

チャールズ国王のスピーチは秀悦で、参列者の心をも掴んでいました。参加者の中には、代々英国王室に仕えた方も多く、ご自分の勲章を胸元に飾り、父親や祖父の勲章を上着の内側に付けている方もいらっしゃいました。

 

 

私が最も心を動かされたのは、エリザベス女王の棺とチャールズ国王の到着を待つ間の1時間、参列者が誰一人として話しをせず、大聖堂は全くの沈黙に包まれていたことです。開会にあたり演奏されたバッハの曲は、大聖堂の美しいステンドグラスから差し込む光と相まって、この世のものとは思えないほど清らかで、所々で涙を流す人の様子がみえ、私も、目頭が熱くなりました。

この礼拝の後、一般弔問が始まりました。女王陛下の人気を反映して、長蛇の列。9時間待ちにもなったそうです。

 

 

 

 

バッキンガム宮殿やウインザー城などのエリザベス女王にゆかりのある場所では、多くの市民が花束にメッセージカードを添え、献花をしていました。ボランティアの方々が枯れて元気のなくなったお花を整理し、プラスチックのラッピングを外し、お花を色調が合うところに並べたりと、女王陛下が好きだったピンクの薔薇も多数。微笑んでいるエリザベス女王の姿が思い浮かぶようです。

 

私も、エリザベス女王とフィリップ殿下が再会している絵を2作品描き、献花の際に一緒にお供えしました。

葬儀の数ヶ月前に在位70周年を記念して行われたプラチナ・ジュビリーでも登場したキャラクター「パディントン」と女王陛下の旅に出る姿を描いた絵には、温かい気持ちになりました。