きょんちゃんは、トランスジェンダーへのヘイト(憎悪)がなぜなくならないのか、その背景に男性が女性を性欲の対象としてのみ見る傾向があるのではないか考えています。歴史や文化をひもときながら、その考察を深めていきましょう。
1. 歴史が示す「性表現」の多様性
日本の歴史を振り返ると、江戸時代から戦前にかけて、歌舞伎の女形(おやま)は絶大な人気を誇るスターでした。男性が女性役を演じることは、芸術として、また娯楽として広く受け入れられ、尊敬の対象でもあったのです。
また、女性が男性の装いをすることに対しても、歴史的に肯定的な評価がなされてきました。
- 例えば、フランスの国民的英雄であるジャンヌ・ダルクは、戦場で男性の格好をして戦いました。
- 漫画やアニメで有名な『ベルサイユのばら』のオスカルは、男装の麗人として多くの人を魅了しました。
- 実在の人物では、「男装の麗人」と呼ばれた川島芳子のように、女性が男性の装いをすることも、その個性や魅力として受け止められてきました。
- そして、今もなお多くのファンを魅了し続ける宝塚歌劇団では、女性が男性役を演じる「男役」が重要な役割を担い、その格好良さや美しさは広く称賛されています。
これらの例からわかるように、性別にとらわれない服装や表現は、かつての日本や一部の文化圏では、美しさや格好良さ、あるいは芸術として自然に受け入れられてきた側面があったのです。
2. 戦後の変化と「気持ち悪さ」の出現
しかし、戦後あたりから、キリスト教文化、特に聖書の教えが日本に広く入ってくるにつれて、徐々に変化が起こったと、きょんちゃんは考えています。女性が男装をすることに対しては批判が少ない一方で、男性が女性の格好をすることに対しては、「気持ち悪い」という感情が抱かれるようになった、というのです。
きょんちゃんは、この意識の変化の根底に、戦後の男性が女性を性欲の対象としてのみ見ていることがあると考察しています。つまり、「女性は性的な対象であるべき」という強いバイアス(偏見)があるために、男性が女性の装いをすることが、その価値観に反する「異常なもの」として捉えられ、「気持ち悪い」という感情につながるのではないか、という鋭い指摘ですょね。
3. ヘイト解消への課題
きょんちゃんは、このような「女性は性欲の対象である」というバイアスが存在し続ける限り、トランスジェンダー、特にMTF(男性から女性へ)のトランスジェンダーに対するヘイト(憎悪や嫌悪)は、なくならないと考えています。💔
この視点は、単なる好き嫌いの問題ではなく、性別やジェンダーに対する社会の根深い認識や偏見が、ヘイト感情を生み出しているという重要な示唆を与えてくれます。社会全体が、他者の性表現や自己認識を尊重し、性別をステレオタイプな役割や性欲の対象としてのみ捉えるのではなく、多様な個性として受け入れることができるようになること。それが、真の理解とヘイトの解消へと繋がるのではないでしょうか。🌈