LIVE「アンジュルム 横浜 2019.11.04」② | PSYCHO村上の全然新しくなゐ話

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発売より時間が経過したアルバム、シングル、DVD、楽曲等にスポットを当て、当時のアーティストを取り巻く環境や、時代背景、今だから見えてくる当時の様子などを交え、作品を再検証。

アンジュルム 2019秋「Next Page」  パシフィコ横浜国立大ホール 2019.11.04(夜公演)

・・・続き。

 

シャープなギターのリフが響き「マナーモード」を開始。今回のメドレーの特徴は、選抜メンバーが楽曲毎に入れ代わり立ち代わり登場して歌を披露するスタイルでは無く、選抜メンバーで歌う曲もあれば、全員がステージに出て歌う曲もある。選抜メンバーで披露された「ヤッタルチャン」に対し「マナーモード」はメンバー総出演のパフォーマンスであった。「ショートカット」から再び選抜メンバーになり、本曲は竹内氏、佐々木莉佳子氏、伊勢鈴蘭氏、橋迫氏の4人によるパフォーマンス。

 

舞台上のスクリーンには満開の花が映し出され、2017年春「変わるもの 変わらないもの」で本曲が披露された時の光景を思い出す。この「ショートカット」は竹内氏と佐々木氏のヴォーカルに注目したい。クールな楽曲においては圧倒的な歌声を聴かせる竹内氏と佐々木氏であるが、本曲では楽曲が持つオリジナルのロー・ティーン世代の声色を意識したかのようなヴォーカル・スタイルだった。歌詞のテーマや曲調に合わせ歌声をコントロールしていのが素晴らしい。その点、伊勢氏や橋迫氏は歌詞が等身大で歌える内容と言えそうだ。

 

「ショートカット」に続いては、室田氏が「君の声聞かせて・・・」と歌い始め歓声が上がった。曲はもちろん「カクゴして!」である。上國料氏の「愛しちゃってんじゃないの」を合図に曲はアップテンポに発展。これまでのコンサートでも歌われている馴染み深い曲だけに、観客も盛り上がる。次に室田氏、笠原氏、上國料氏、太田遥香氏がステージに残って「有頂天LOVE」を披露した。古くからコンサートにおける盛り上がり曲であるため、本曲に対する観客の反応は凄まじい。

 

本公演の舞台セットには、各所にLEDの小型スクリーンが設置され、そこがドアのように開閉できる構造となっており、「Uraha=Lover」では、佐々木氏が冒頭を歌いながらLEDスクリーンの個所より登場。全員が揃ってパフォーマンスが行われメドレーは本曲で締め括られた。メドレーと言っても各楽曲を部分的に繋げたものではなく、各楽曲のショート・ヴァージョンを連続で歌ったような流れであり、ヴォリューム満点の内容だった。

 

メドレーで盛り上がった場内に追い打ちをかけるかのように「ドンデンガエシ」が炸裂。ライトが激しく点滅を繰り返す中、圧巻のダンス・パフォーマンスが披露された。サビにおける対照的な色使いの照明が、左右でせめぎ合うかのような効果もきっちりと再現されている。一方で「寒いね」は、冬らしい空間を演出。コンサートもラスト・スパートで、観客の煽りを経て「新しい私になれ!」「臥薪嘗胆」「大器晩成」「46憶年LOVE」で本編は終了。すぐにアンジュルム・コールが沸き起こった。

 

5分少々経過したところで、舞台が暗い中、メンバーが登場してスタンバイ。竹内氏と佐々木氏が舞台中央に背中合わせで立ち、他のメンバーはその周辺に寝るという興味深い配置に。厳粛なムードが漂う中、竹内氏が曲のタイトルを紹介。間も無くリリースされるシングルより「全然起き上がれないSUNDAY」だ。大人びた曲調の本曲は竹内氏と佐々木を筆頭に、歌詞の世界観を表情や声色で表現するメンバーの歌が印象的な楽曲。リズムの取り方も難易度が高そうで、それを完璧に歌い上げる、アンジュルムのレヴェルの高さを感じられる1曲となった。

 

アンコールは意外な展開となり、「全然起き上がれないSUNDAY」を歌いえ終えたメンバーは全員が一旦舞台を去り、その間にスクリーンには「私を創るのは私」のビデオ・クリップが放映される。昔で言うところのフィルム・コンサート風であるが、観客はコールや掛け声を発し本番同様に盛り上がる。ビデオ・クリップは1曲がフルで放映されている。

 

それが終わると、伊勢氏と太田氏が次の楽曲の冒頭を歌いながら登場。「帰りたくないな。」だ。後のMCで太田氏から「和田彩花さんが歌っていたパートを、今回は私と鈴蘭で歌ってます」との言葉もあったように、そのパートをアンジュルムの未来を創る両名が歌い始めて曲がスタートした時には観客もグッとくるものがあったのではないか。夕暮れ時のような暖かな照明が舞台を照らし、ゆったりと和やかに進行した。

 

最後の挨拶では、橋迫氏が「私はまだ立ったことの無い、日本武道館を目指して頑張ります!」と宣言すると歓声が沸き起こっている。川村氏は先ほどのビデオ・クリップの放映時に本番さながらにコールしていた観客の様子に感動したらしく「優しい人たちだな~と思いました」とファンに感謝の言葉を述べた。メンバーからも「中西さんと立つホールのステージは今日で最後だった」とコメントがあったように、卒業が迫っている中西氏にとっては今回が最後のホール公演となる。

 

当の中西氏は「一般人になったら、こんなに沢山の人に立つ事も無くなるのかと思う」としみじみと語り、「次に進めるように力を蓄えたい」と語った。竹内氏は「凄い時期にリーダーになっちゃったね」とファンから心配の声を掛けられる事が多いが「私は大丈夫なんで」と言う。それぞれの考えや想いが交差する中、コンサートは最後の曲へ。ラストは「友よ」。この編成で行われる最後のホール公演である事や、新たな道に進む事が決まっているメンバーを含めての「友よ」は、改めて歌詞の一語一語がリアリティを持って響く。そこにファンの熱気と想いが加わり、大きなうねりとなって場内に渦巻いていた。

 

エンディングでは舞台から客席側にテープが発射され、演出に華を添えた。因みにテープの発射は昼公演でも行われていた。最後に「友よ」のインスト・ヴァージョンがBGMとして流れる中、メンバーは後方から2階席、3階席の観客の隅々まで手を振ってお礼を述べる。順番にメンバーは舞台裏へ去り、左右に分かれた中西氏と竹内氏が最後に礼をしてコンサートは終了した。

 

セット・リスト パシフィコ横浜国立大ホール 2019.11.04(夜公演)

 

私を創るのは私

次々続々

赤いイヤホン

泣けないぜ共感詐欺

人生、すなわちパンタ・レイ

恋はアッチャアチャ

ダテ食う虫もLike it!

恋ならとっくに始まってる

メドレー

・ヤッタルチャン

・マナーモード

・ショートカット

・カクゴして!

・有頂天LOVE

Uraha=Lover

ドンデンガエシ

寒いね

新しい私になれ!

臥薪嘗胆

大器晩成

46憶年LOVE

 

アンコール

・全然起き上がれないSUNDAY

・私を創るのは私(ビデオ・クリップ放映)

・帰りたくないな。

・友よ