LIVE「デフ・レパード 日本武道館 2018.10.24」② | PSYCHO村上の全然新しくなゐ話

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発売より時間が経過したアルバム、シングル、DVD、楽曲等にスポットを当て、当時のアーティストを取り巻く環境や、時代背景、今だから見えてくる当時の様子などを交え、作品を再検証。

デフ・レパード「ヒステリア&モア」 日本武道館 2018.10.24

・・・続き。

 

若き日のスティーヴの写真が映し出された後、ジョーがスティーヴを紹介する1988年「イン・ザ・ラウンド・イン・ユア・フェイス」の音声が流れ、ギター・ソロへ。スティーヴのギター・サウンドが日本武道館を包み込んだ。メンバーがステージに再登場し、リック・サヴェージがベースでフレーズを刻み始める。そう「ゴッズ・オブ・ウォー」だ。演奏は進み、エンディングでの爆発音を始めとする戦闘的な効果音もサンプリングが使用されてスタジオ・ヴァージョン通りに再現されていた。

 

タイトル通り戦争を想起させるシリアスなひと幕となったが、空気を切り替えるかのようにリック・アレンのカウントを合図に「ショットガン」冒頭のヴォーカル・ハーモニーがスタート。ジョーのみならずメンバー各人が力強く声を発し、ポップなメロディを歌う。リズム・インすると舞台が明るく照らされ、観客もキャッチーなサビで腕を振り上げながら合唱する。本曲に限った事では無いが、とにかくリック・サヴェージは舞台を動き回り、ヴィヴィアンもギターを斜めに構えたり、腰を落として低く構えて弾いたりと、ロック然としたアクションを連発。勿論「ラン・ライオット」でも場内の熱気は醒める事無く、勢いよく突き進んだ。

 

アルバム「ヒステリア」も既に終盤に差し掛かっており、タイトル曲「ヒステリア」が登場。煌びやかなアルペジオで曲が始まると歓声が上がった。ヴィヴィアンが弾くアルペジオをバックに弾かれるフィルのメロディアスなギター・ソロも素晴らしい。比較的ゆったりとした本曲では、スマートフォンの灯りを点しながら腕を左右に振る観客の姿も。本曲では80年代の若き日のメンバーの写真が大型のスクリーンに放映され、アルバムのタイトル曲という事もあって、ひとつの時代を切り取ったような仕様で進行している。

 

「エクサイタブル」に続く「ラヴ・アンド・アフェクション」が開始されると、観客も遂に最後の曲となってしまったといった感じメンバーの姿を見守る。曲がエンディングを迎えるとステージも客席も明るく照らされ、ジョーが「ドウモ、アリガトウ!」と観客に挨拶し場内は暗転。メンバーは舞台を降りた。アンコールを求める拍手が5分ぐらい続いたところでメンバーがステージに戻ってくる。メンバーは衣装をチェンジしているが、ライヴ開始時から上半身裸のフィルはこの時も同じ状態だった。

 

ジョーが再度、観客に礼を述べた後、フィルの名前をコール。紹介されたフィルは「レット・イット・ゴー」のリフを弾き始め、場内は歓声に包まれる。本編で「ヒステリア」を全曲演奏し、ここからはバンドの名曲、代表曲を披露する演目であった。今ツアーのセット・リストを見て見ると、本公演では「レット・イット・ゴー」が演奏されたが、大阪では「アクション」、名古屋では「ウェイステッド」と懐かしいナンバーを日替わりで演奏していたようだ。

 

バラード「ラヴ・アンド・ヘイト」になると観客はイントロで歓声を上げ、スマートフォンの灯りを左右に振り始める。これはアリーナ、スタンド席の全面に渡りこの光景が見られたため、曲調に視覚効果も加わって非常に美しく幻想的とも言える空間となった。最後の歌詞をジョーが感情を込めて歌い上げると、場内からは割れんばかりの拍手が鳴り響いた。「ラヴ・アンド・ヘイト」の最後からギターのフィードバックは続き、ジョーが次の楽曲の入りのフレーズを歌う。アルバム「アドレナライズ」(1992年)からの「レッツ・ゲット・ロックド」だ。同じフレーズを何度も繰り返すサビは非常に判り易く、中盤ではジョーが先導して観客がサビを歌うコーナーも設けられていた。

 

演奏が終わると、ジョーが観客を煽りつつ、リック・アレンを紹介。「Stand Up!! Rick Allen!」と紹介されたリックはドラム台から立ち上がり、ステージを取り囲むかのような座席の配置となっている日本武道館のスタンド席の観客、そしてアリーナの観客に腕を掲げ歓声を浴びていた。そのリック・アレンのドラミングをきっかけに「ロック・オブ・エイジズ」がスタートすると観客も手拍子を打ち始める。全曲がキャッチーと言っても過言では無いデフ・レパードの楽曲であるが、本曲も1曲を通して観客も一緒に歌えるパートやフレーズが随所に盛り込まれている事から、場内が一丸となって声を張り上げる。

 

「ロック・オブ・エイジズ」からバンドの音は続き、カウントから「フォトグラフ」のギター・リフが開始されると、客席からはまた割れんばかりの歓声が。ファンは本曲が演奏されればライヴも終わりという事を察しているため、最後の1曲を全身で受け止め楽しもうといった感じにサビを歌い大いに盛り上がって演奏は終了した。楽器を置いたメンバーが舞台前に集合し、観客に礼をしてデフ・レパードの日本武道館公演は幕を下ろした。名作「ヒステリア」+バンドの代表曲で構成されたライヴは、マニア層でなくともデフ・レパードの代表曲を知っている人なら誰でも楽しめるライヴだった事は間違いない。

 

日本武道館 2018.10.24 セット・リスト

 

ウィメン

ロケット

アニマル

ラヴ・バイツ

シュガー・オン・ミー

アーマゲドン

ゴッズ・オブ・ウォー

ショットガン

ラン・ライオット

ヒステリア

エクサイタブル

ラヴ・アンド・アフェクション

 

アンコール

レット・イット・ゴー

ラヴ・アンド・ヘイト

レッツ・ゲット・ロックド

ロック・オブ・エイジズ

フォトグラフ