第72回「過去と未来が繋がる時」 | PSYCHO村上の全然新しくなゐ話

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発売より時間が経過したアルバム、シングル、DVD、楽曲等にスポットを当て、当時のアーティストを取り巻く環境や、時代背景、今だから見えてくる当時の様子などを交え、作品を再検証。

Buono!ライブツアー2011 WINTER~Re.Buono!~/Buono!


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Buono!Berryz工房の嗣永桃子氏、夏焼雅氏、℃-uteの鈴木愛理氏の3名から成るユニットで、双方のスケジュールを調整してようやく活動ができるユニットである。よって、不定期な活動ではあるが、いざ活動を再開すれば毎回、質の高い作品とライヴ・パフォーマンスを披露し続けている。現在進行形のユニットとして、高い人気を誇るBuono!だが、その歴史を振り返ると、ひとつの節目となった2010年から2011年の事を忘れる事はできない。



20108月「THE BEST Buono!」のリリース及び、そのベスト盤に従う「Rock’n Buono! 3」ツアーの千秋楽が終わると共に、Buono!の活動は一端白紙となり、今後の活動については一切、明かされていなかった。元々、Buono!はテレビ・アニメの主題歌を歌う為に結成されたユニットで、その番組と連動する形で新譜を発表していたが、その番組が2010年の春に終了。それに伴い、定期的に発表されていた新曲のリリースが途絶え、同年夏にその「THE BEST Buono!」が発表された。そのベスト盤は、正にBuono!の活動の集大成とも言える名曲群が収められており、その状況に、もしかするとBuono!はこのまま活動を終了するのではないか・・・と誰しもが不安を抱いていた時期である。



以下は推測であるが、この頃、関係者や制作側の間では、Buono!を解体するか存続させるか議論が交わされた事は想像に難くない。継続させるならレコード会社の問題や、移籍に伴う過去の作品類の権利の問題といったビジネス的な話が絡んで来る。その辺りの問題をクリアしない事には、新たな活動基盤が整わないのである。そして20112月、1年ぶりに発表されたシングル「雑草のうた」にて、Buono!は本格的に再始動を果たした。レコード会社を移籍しての第一弾のマキシ・シングル「雑草のうた」は、これまでBuono!が披露し確立させてきた独自のサウンド像を、忠実に踏まえた楽曲となっており、歌詞の面でも、踏まれても伸びる雑草のように強く生きるといった、強烈なメッセージ性が込められた作品に仕上がっていた。



その「雑草のうた」発表後に行われたのが、「Buono!ライブツアー2011WINTERRe.Buono!~」である。本作は、ツアー中盤の2011219日の渋谷CC.LEMONホール(現・渋谷公会堂)での公演を収録した作品で、DVDとブルーレイで発売されている。前回のツアーより、7カ月後に行われた本ツアーだが、先程も書いたように7カ月の間でBuono!を取り巻く環境は大きく変わり、そういった流れを経て、こうして再びツアーが行われた事は非常に重要な出来事であった。横浜、東京、大阪で行われた本ツアーのチケットは瞬く間に完売。正確に言えば、東京や大阪の会場では急遽、幾枚かの当日券が確保され販売されていたが、事前に発表された情報では「予約枚数終了」となっており、Buono!のライヴを生で体験できる事を心待ちにしていたファンの熱意が伺える事実であった。



その「復活」を意味する本ツアーは、会場の暗転と共に印象深い幕開けで開始された。オープニング曲は「ゴール」である。「THE BEST Buono!」の最後に収録されたこの楽曲を、本ツアーの1曲目に持ってきた点は、非常に明確な意図が込められている。僕らの旅は続く・・・。スクリーンに映し出されたメンバーが目を開け、幻想的な光が射すと共に、スクリーンから抜け出してきたかの如くメンバーがステージに登場し、後半を歌い上げる。素晴らしい思い出として、ファンの心に刻まれているこれまでの活動と、現在進行形のユニットとして2011年という舞台上に立ったBuono!の、過去と現在が結ばれた劇的なオープニングであった。



今ツアーでは冒頭よりドルチェが登場し、「Independent Girl~独立女子であるために~」「雑草のうた」をエネルギッシュに披露。実はツアー初日の横浜公演では全曲、バンドによる演奏であったが、この東京公演と翌日の大阪公演では途中でバンドは一端引っ込み、序盤の数曲はBuono!3人のみの歌で進行する段取りへと変更されている。中盤では、初のアコースティック・セッションのコーナーが設けられ「You're My Friend」「星の羊たち」をゆったりとしたムードで歌う。Buono!のライヴで初の試みであった。



ピアノ・ソロを経て再びエレクトリック・スタイルへ戻り「JUICY HE@RT」で後半がスタート。ここから終盤にかけては「ロックの神様」「れでぃぱんさぁ」といったお馴染みの楽曲が揃えられ、盛り上がりは最高潮に達する。因みに「MY BOY」がバンド・ヴァージョンで演奏されたのは、このツアーが初。また「恋愛ライダー」での火薬の爆発は、東京公演のみの演出だっだ。アンコールのラストは、大量のスモークが幻想的なムードを醸し出す中「LAST FOREVER」が歌われ、メンバーが未来の扉を開け、スクリーンの中へ吸い込まれて行くような演出で全メニューは終了した。



このツアーは舞台上にスクリーンが設けられ、これまでのライヴ同様の躍動感に加え、スクリーンを使用した視覚効果を活かし、よりエンターテイメント色を打ち出したステージが展開された。こうしてファンに復活を披露したBuono!は、同年夏にシングル「夏ダカラ!」、ミニ・アルバム「Partenza」にて、積み上げた実績と確立された音楽性の上に居座る事無く、新たな要素を大胆に取り入れた作品を発表し、ファンを驚かせる事となる。




では、「Re.Buono!」ツアーの東京公演より「Independent Girl~独立女子であるために~」↓↓



http://www.youtube.com/watch?v=ff8c56u9uhc






名曲「ロックの神様」↓↓



http://www.youtube.com/watch?v=XpU1f6fsd78





中盤のアコースティック・コーナーより「You're My Friend」↓↓



http://www.youtube.com/watch?v=GGnQNwRr3O4




そして重要なオープニング曲「ゴール」↓↓



http://www.youtube.com/watch?v=kpCJkg_Io1o