PSYCHO村上の怪奇骨董音楽箱

 

日比谷で1年以上に渡り上映された映画「PERFECT DAYS」(2023年)が、先日の12月26日をもって終了した。最終日には舞台挨拶ありの上映が行われ、チケットはソールド・アウト。主演の役所広司氏も、こんなに長い間 上映された作品の舞台挨拶は初との事だ。

 

トイレの清掃員として働く主人公 平山(役所氏)の日常を描いたストーリーで、劇的な展開や派手さは一切ないものの、それこそが本来の日常の様子として誰もの心に響く作品。同じ生活の繰り返しのように見えて、その中にある小さな変化を見逃さず、人との出会いを楽しみ、そして葛藤を乗り越えて前に進んで行く。

 

毎日が一期一会であり、同じ日、同じ瞬間は二度とない。平凡とも言える日々こそ、完璧な日々・・・即ち「PERFECT DAYS」と言えるのだ。個人的にも、ここまでハマった映画は珍しく、映画館で5回見た後、Blu-rayを入手。未だに定期的に見ている。

 

さて、劇中で平山は、まだ薄暗い早朝に起き出し、ワゴン車に乗って渋谷区内のトイレを巡回して清掃する。調べてみると、その中のトイレのひとつがウチの近所にあると判明し、早速、足を運んでみた。

 

平山はトイレ清掃がひと区切りついたところで、神社内のベンチで昼食を摂る。そのシーンが撮影された場所がこちら。

まずは平山が清掃するトイレのひとつ。劇中では〇や×が書かれたメモが差し込まれているトイレだ。そこから平山は、向かって左側の階段を昇って神社に入る。

 

階段を少し上った所に鳥居があり、平山は礼をして潜る。

そして、食事のシーンであるが、平山が座っているベンチは実際に行ってみると駐車スペース内にあった。そのつもりで映画を見返すと、平山の足元には駐車スペースを区切ったロープがあるのが判る。

私は午前11時ごろに行ったのだが、既に車が3台停まっており、映画と同じ角度で撮影するのは無理だった。この状況を見ると、映画撮影の際は一時的に駐車禁止にしたか、もしくは車が来ない早朝にでも撮影したと思われる。

 

また、平山が潜る鳥居は2種類あり。先に紹介したのは、トイレ向かって左側の階段を昇ったところにある鳥居で、こちらは右側の階段を昇ったところにある鳥居。こちらの方が大きく、背景にローソンが見える。

映画のエンドロールにローソンの名前があるので、平山が食べるサンドウィッチなどはローソンで買ったという設定だろうか。

 

最後に平山の真似をして、境内から見上げた木々を撮影。

今回は、代々木八幡のみの紹介であるが、映画「PERFECT DAYS」に登場するトイレはすべて渋谷区内に実在している。他にも、平山が通う銭湯、浅草駅地下の飲み屋、平山が自転車で走る道など、追求すると、まだまだ楽しみがありそうだ。もちろん、映画自体も非常に素晴らしいので是非ご覧いただきたい。