PSYCHO村上の怪奇骨董音楽箱

 

最近、読んでいる本シリーズ。

 

つい数日前まで「マチネの終わりに」を読んでおり、これは美しい言葉で彩られた素晴らしい作品だった。同作は2019年に福山雅治氏と石田ゆり子氏の主演で映画化もされている。しかしながら、映画と小説(原作)ではヴォリューム感が異なり、小説の方がより登場人物の心情を細かく捉える事ができた気がする。

 

さて、次に読み始めた本について。以前のブログでも書いたように、私は複数の本を同時に読み進めている。個人的には、ずっと同じ作品に入り込むと胃もたれを起こす感覚になるため、適度に味を変える必要がある。よって種類の違う物語を同時に読み進めて行くと書いた。

 

今読んでいるのはこれら。

何故に5冊も?と思うに違いない。これには理由がある。まず私は、映画にしても小説にしても、基本的には下調べなしで買い読み始める。概要もレビューも読まないので、本を読み進めて、初めてどのようなストーリーか把握して行くのだ。

 

最初に読み始めたのが有名作品「限りなく透明に近いブルー」。何とも美しいタイトルである。が、これは幻覚剤に溺れる若者たちの歪んだ日常を描いたストーリー。露骨な性的表現も多い。

 

先ほどまで読んでいた「マチネの終わりに」とは、正反対の世界観と言え、正直なかなかページが進まない。汚物、害虫、腐敗臭など、読みながら想像するだけで生々しい。

 

そこで味を変えようと「東京タワー」を読み始めた。どうやら恋愛モノのストーリーのようだ。ところが、登場人物の男子大学生2人は、それぞれに歳上の既婚者女性と交際しておりドロドロ気味だ。性的な表現も多い。2冊を交互に読むも、徐々にペースが落ちて来た。

 

そうこうしているうちに、映画「アイミタガイ」が公開され劇場に見に行った。調べると原作の本があるらしいので書店で探す。この手の作品は原作があり、その本が発売される。その後、映画化されると、公開に合わせて表紙を映画のポスターや演じた俳優の写真と差し替えて再販される場合が多い。

 

「アイミタガイ」も例にもれず、映画のポスターの表紙で再販された。私は、その再販本が欲しかったので、数件の店を廻った後、新宿で見つけて入手。この時点で2冊の本を同時に読んでいるものの、映画を見てホットなうちに読み始めようと、これも進めている。

 

映画では、黒木華氏が演じる秋村梓を軸としたストーリー展開だったのに対し、小説では登場人物の生活が別々の章で描かれ、最後に大きな人間ドラマとなって行く構成だった。

 

他にも「犬神家の一族」。前回のブログでも、今読んでいる本として挙げたが、未だに読み続けている。恋愛の複雑な感情とは違い、こちらは遺産相続を巡って、犬神家の人々が首を斬られ、首を絞められ、挙句は湖に逆立ち状態で頭から突っ込まれる(有名なシーン)のだから、非常に判り良い。

 

そして最後は、困った時の(?)江戸川乱歩 短編集。どのタイトル通り、短編小説をまとめた本であるため、ひとつの物語が20ページ程度。非常に読みやすい。最近は「妻に失恋した男」を読んだ。同時に読み進める本の中でも、間に挟みやすいので素晴らしい短編集だ。

 

例えば2時間の映画なら、鑑賞時間は誰でも平等に2時間であるが、本は人によって読む速度、読める環境が変わって来るので、1冊を終えるのも人それぞれと思う。ページ数にもよるが、私はどう頑張っても1冊に7日~10日の時間を要する。

 

それでも面白そうな作品を見つけると随時購入しているので、これから読むべき本が現時点で20冊程度、溜まっている。今後も、どんどん読み進めて行きたい。