PSYCHO村上の怪奇骨董音楽箱

 

6月9日は「ロックの日」。

先日、ネットを見ていると「文京区の小石川図書館で80年代のハードロック/ヘヴィ・メタルのレコードを大音量で聴こう!」といった感じの告知を発見し、これは面白そうなので参加しようと思った。しかも入場無料とのこと。

 

参加条件は特に書かれていないものの、定員50名で先着順とある。会場は図書館の4階で、13時45分から入場して14時からイヴェントが始まるらしい。当日、13時50分頃に小石川図書館に入り4階まで上がると、部屋の扉のところで人が滞留しているではないか。

 

どのような状況かよく判らなかったので、図書館スタッフの方に「まだ入場できますか?」と訊くと「すみません。満席です・・・」との返事。チラッと中を見ると、すべての座席が埋まっており、壁際と後方には「立ち見」ならぬ「立ち聴き」の人がズラリ。

 

図書館スタッフの方も「まさか、こんなに人が来るとは思っていなかった!」との事で、てんやわんやの大騒ぎ。見たところ100人ぐらい来たのではなかろうか。会場となる部屋の、となりの部屋が解放され、その中にも続々と人が入っていった。

 

最終的には「扉を開けておくので、申し訳ありませんが廊下で音漏れを聴いて下さい・・・」状態に。私は中に入れなかったので、廊下で音漏れを聴く組となった。スタッフの方が椅子をかき集めて廊下に並べてくださり、この時点で来ている人は皆、座ることができた。

14時からイヴェント開始。私は部屋の前方をまったく見られない状態なので、どのような機材が、どういった感じにセッティングされていたのかは把握していない。イヴェント内容からして、レコード・プレイヤーとアンプ、スピーカーがあるのは間違いないが。

 

事前にあった告知記事に書かれていたが、今回は高級機材を持ち込んでUSやUKのオリジナル盤を良い音で聴くという趣旨のイヴェントではない。飽くまで図書館の備え付けのプレイヤーで、図書館が所有しているレコードをプレイするようだ。

 

司会進行は小石川図書館の方で、メタル・ブームの80年代に青春時代を過ごし、更には元CD店に勤務されていたらしい。1曲目はヴァン・ヘイレンの「1984」から「ジャンプ」という流れ。

 

私は廊下音漏れ組でありつつ、扉のすぐ横だったので、そこそこの音量で聴く事ができた。だが、扉から遠い位置にいた方ほど、音圧は下がっていたはず。それでも誰も帰ろうとはせず、熱心に音漏れを聴いているのだから、ここに集まったメタル・ファンの真剣さが伝わる。

 

デフ・レパード「フォトグラフ」、ボン・ジョヴィ「リヴィン・オン・ア・プレイヤー」とポップな楽曲が来て、ジューダス・プリースト「リヴィン・アフター・ミッドナイト」、アイアン・メイデン「エイシズ・ハイ」と徐々に硬派なバンドへ。

 

音漏れしか聴いていないが、CDとは違うレコード特有の素晴らしい音であるのはよく判った。イヴェントが始まってからも人が表れ、スタッフの方は「すみません、満席で・・・」「プレイリストが書かれた紙がなくなったので追加で印刷してきます」と忙しそうだ。

 

ヘヴィ・メタルの影響がイギリスからアメリカへ移り、モトリー・クルー「シャウト・アット・ザ・デヴィル」、クワイエット・ライオット「カモン・フィール・ザ・ノイズ」。80年代中期には北欧からも新しいバンドが登場し、スコーピオンズ「ハリケーン」、ヨーロッパ「ファイナル・カウントダウン」と続く。

 

最後のブロックは、ゲイリー・ムーア&フィル・ライノット「アウト・イン・ザ・フィールズ」、ホワイトスネイク「スティル・オブ・ザ・ナイト」、締めはAC/DC「ヘルズ・ベルズ」であった。

レコードでありつつ、この日にプレイされた楽曲はすべてノイズや音飛びが無かった点を特筆したい。図書館が所有しているレコードという性質上、多くの人が盤を触っていると思うので、事前に盤の状態や楽曲の再生具合を確認したえうで、この日のプレイリストが組み立てられたと考察する。

 

となれば相当な労力であり、これを入場無料で見聴き出来るのは大変ありがたい事だ。ハードロック、ヘヴィ・メタルと言っても、その音楽性は幅広く、シーンにおける重要なバンドは幾つも存在する。今回は登場しなかったアーティストも含め、定期的にこういったイヴェントを開催して欲しい!