優しい世界
劇団 「前回の記事は『本当の達人の世界』ということで、
元日ハムの今浪選手は
高校球児の頃から打球が止まって見えるほどの
才能がありながら一軍に定着できず、
実はチームメイトのほとんどは
打球が止まって見えていたという事実。
そこからCSさんは
世の中、達人になったくらいで
成功できるような
甘いものじゃないんです。
と結論づけたんですよね。」
CS 「ハイ、そうです。」
「今浪さんについては他にも
印象的なエピソードがあります。」
劇団 「打球が止まって見えるみたいな
エピソードが他にもあるんですか?」
CS 「今浪さんが外野を守った時のエピソードです。」
劇団 「今回は打撃じゃなくて守備の話ですね。」
CS 「背景から言うと、今浪さんのYouTube動画に
(今浪さんの現役時代は外野を守ることが
多かったそうですが、
守備についている時に打球が飛んで来ないかと
常に緊張していて疲れなかったんですか?)
という質問がありました。」
劇団 「外野って守備範囲が広いから、
打球が飛んだらすぐに動かないと
間に合いませんよね。」
CS 「例えばライトの守備範囲はこんな感じです。」
CS 「打球の急速は平均時速180キロで
外野まで1~2秒で届きますから、
これだけの距離を守備するのは超人技です。」
劇団 「それは確かに質問者が言うように
打席にバッターが構えている時は
常に緊張していないと。」
CS 「いえ、今浪さんの答えは
そんな緊張してばかりじゃないよ。
でした。」
劇団 「えーっ!」
「どうして緊張を解けるんですか?」
CS 「ピッチャーが腕を振った瞬間に、
あ、これは打球は来ないな。
とわかるから緊張を解いて
体力を温存するそうです。」
CS 「プロ野球は4月から10月までの約半年間に
オープンシーズン、交流戦を含めて
最大180試合あります。」
「移動や練習を含めると、かなり疲労が溜まるので
体力温存もプロの世界で生き延びるための
重要なスキルです。」
劇団 「でも、振りかぶった瞬間にわかるものですか?」
CS 「調べてみると、投手の位置から外野手の位置は
70~80m前後。」
CS 「検索したら、ちょうど80m離れた場所からの
画像がありました。」
劇団 「なんですか、これは?」
CS 「スマホに装着すると長距離を撮ることが可能な
APL-50Xという望遠レンズです。」
劇団 「こんなのあるんですね!」
CS 「単眼鏡としても使えるようで
(買おうかなー?)と
迷っているのですが。」
CS 「それはさておき、80m先のものって
こんな感じで見えます。」
CS 「ということは、
この石像が振りかぶった時の
腕の数センチの違いを瞬時に
見分けなくてはならない。」
劇団 「石像から伸びている赤矢印の角度が
数センチ違うのを瞬時に見分けるのって
打球が止まって見えるくらいの
達人能力じゃないですか?」
「それは今浪だから出来たんですか?」
CS 「いえ、一軍で守備についている人は
全員わかっていたそうです。」
「内野手も外野手もみんな
投手が腕を振り上げた瞬間に
あぁ、これはストライクゾーンに
入らないから鋭い打球は来ないな。
とわかるので身体の緊張を緩めます。」
劇団 「すごいなぁ・・。」
CS 「この話を聞いた瞬間に
イメージが湧いたんですよ。」
劇団 「イメージって?」
CS 「野球で有名な強豪校でレギュラーになり
甲子園で活躍した選手がドラフトで指名されて
プロ野球チームに入団するんです。」
劇団 「新人選手ってわけですね。」
CS 「そこでオープン戦で始めて一軍でプレーする。」
「緊張でガチガチ。」
「しかし、他の守備の選手は打球が来ない時は
リラックスしている雰囲気がある。」
「新人が不思議に思って、
先輩選手Aに質問した場面のイメージ。」
↓
先輩A:あぁ、投手が腕を振る瞬間に
打球が来ない時がわかるんだよ。
新人 :そうなんですか?
先輩B:俺もわかるよ!
先輩C:オレも!
新人 :なんでわかるんですか?
先輩A:なんとなくかなー。
打球が止まって見える時の感覚に近いかも。
新人 :打球が止まって見えるんですか?
先輩A:おぉ、調子がいい時は普通に止まって見えるよ。
先輩B:俺も止まって見えるよ!
先輩C:オレも!
劇団 「うわっ、これキツイですねー。」
CS 「例えば、シーズンオフに
引退した有名選手が集まる会合があって
新人選手も参加する。」
「そこでたまたま隣にいた
有名選手におそるおそる質問するんです。」
新人 :谷繁さんって、
1塁ランナーを刺すのが
スゴく早かったですよね。
谷繁 :あれは二塁ベースに投げる時は
はがき1枚分の四角いマスを
イメージしてそこに投げればいいんや。
新人:でも、投げるまで1秒もないですよね。
谷繁:勝手に頭に浮かぶんじゃ。
甲斐拓也:ボクも2塁ベース上の空間に
目に見えない空間の1点をイメージして
そこに投げてるんだよ。
新人:えーっ!!
谷繁:そこにいる古田先輩なんて、
ランナー走った瞬間に
9マスのイメージが浮かんでそこに投げるんやで。
谷繁:まるでビンゴや!
古田:谷繁、オレは試合で(ビンゴー!)ってやってたんか?
古田・谷繁・甲斐: ハッハッハー!(一同笑い)
新人:こんな人達からレギュラーを奪えるわけが無い。
ここは天才の中から選ばれた超天才でないと生き残れない。
もうプロ野球は諦めよう・・・。
CS 「おそらくこんな感じでプロ野球の世界を
諦める新人選手がたくさんいるのでしょうね。」
「世の中には、努力だけではどうしようもない世界が
存在するわけです。」
劇団 「うーん、残酷ですねぇ・・・。」
CS 「いえ、わたしはプロ野球は
優しい世界
だと思いますよ。」
劇団 「どうしてですか!?」
CS 「プロ野球は今浪さんみたいに一軍に定着できるか
境界線上の人でも
球団の方でいいとこ30歳前後で
解雇してくれる。」
「でも、他の世界はなかなか諦めがつかない。」
劇団 「諦めですか?」
CS 「ゴルフのように資格要件としては
40歳を越えても続けられる分野もある。」
劇団 「歳をとってプロゴルフ試験に受かれないのに
夢を諦められない人の漫画ですね。」
CS「長く続けて経験を積めば、
才能はなくても年の功で
歳能
は得られる。」
CS 「しかし、世の中には歳能だけでは
越えられない壁がある。」
「スポーツ以外でも難関資格試験、
ビジネス起業、投資家、
俳優、歌手などあらゆる分野で、
トップ層になる人は
並外れた才能を持った人々が集まる
達人の世界でさらに勝ち抜いた
ほんの一握り。」
CS 「逆に夢を諦めきれないで
一生を棒に振って苦しむ人は多いです。」
CS 「そう考えると、
いいとこ30歳という
人生をやり直せる年齢で
夢を諦めさせてくれる
プロ野球は
優しい世界
ということです。」
つづく
※次回の記事更新日は11月10日になります。























