(前回の関連記事は「何でもできる人」です。)
弟子
劇団 「前回の記事は『何でもできる人』ということで、女性霊能者と
クンダリニヒーラーO-さんという全く面識ない2人が共に
気功の元師匠の波動を読んで、
(この人は何でもできる人だ。)
と同じ評価を下したという話でしたね。」
CS 「ハイ、そうです。」
劇団 「その女性霊能者はCSさんのことも(なんでもできる人だ。)と
言っていたそうですが
CSさん自身としてはそれを聞いて(違和感バリバリだった。)
というのが印象的でした。」
CS 「世の中に(あなたは何でもできる人ね。)と言われて
素直に、
(そうです、俺は何でもできます!!)
と思える人がいたら、その人は相当頭がいかれてると思います。」
劇団 「そういうものでしょうか。」
CS 「結局、人間は出来ないことばかりだと思います。」
「米国のプロバスケット史上最高の選手と呼ばれているマイケル・ジョーダンが、
30歳の時に引退して野球に転向したことがありました。」
劇団 「あのエア・ジョーダンの元になった人ですね。」
CS 「彼はマイナーリーグ(2A)のバーミンガムに入団しましたが、成績は127試合の出場で
打率2割0分2厘・11エラーとメジャーリーグに昇格することはできませんでした。」
劇団 「それはずっとバスケットをしていた人が30歳からいきなり野球に転向したって
メジャーリーガーにはなかなかなれないですよ。」
CS 「それはわたしも同感で、人間ひとつの分野でトップになるだけでも
大変だと思います。」
「それを色々な分野でトップになるのはまず無理でしょうね。」
「例えば、気功の元師匠についても個人的な感想で言えば、
とてもですが(何でもできる人だ。)とは思えませんでした。」
劇団 「それは意外ですね。」
CS 「例えば、元師匠が亡くなった2010年はiPadの初代モデルが
発売された年です。」
劇団 「世界初のタッチパネルで、スティーブ・ジョブズのプレゼンが記憶に残っています。」
CS 「でも、そんな時代でも元師匠は携帯電話持っていなかった。」
劇団「ええーっ!」
CS 「おそらくメールを打つ事はおろか、携帯で電話したこともなかったと思います。」
劇団 「どうしてですか?」
CS 「単に、(わたしはアナログ人間で機械を扱うのは苦手です。)という
妙なポリシーがあって携帯電話には触りたがらなかったんです。」
劇団 「てことは、もちろんパソコンも持ってなかったんですね。」
CS 「パソコンはおろかワープロを触ったことがなかったと思います。」
劇団 「でも、確か過去の記事で元師匠が運営していたホームページや掲示板、
ブログのコメントについての話題がありましたよね。」
CS 「掲示板やブログの記事、コメントは全て他人が書いていました。」
劇団 「ゴーストライターってことですか?」
CS 「いえ、元師匠が手書きで掲示板やブログへ乗せる文章を原稿に書いて、
それを弟子たち数人にFAXで送るんです。」
「ちなみにそのFAXを送る弟子たちというのは、元師匠が弟子全員の
波動と普段、善行しているかなどを総合して順位をつけたランキング
上位の数名でした。」
劇団 「波動ランキングですか…。」
CS 「わたしにしたら波動に順位をつけるなんて馬鹿らしいですけどね。」
「そして、選ばれた弟子たちの元に順番で元師匠から掲示板やブログに
載せる文章がFAXで送られて、彼らは元師匠の名前でログインしてPCで
打ち込んで投稿したわけです。」
「これはわたしが元師匠と縁を切った後の話なのですが。」
劇団 「そんな回りくどいことをしていたんですか!」
CS 「元師匠が運営していたホームページに関しては、最初に業者にサイトに
載せる文章を書いて送っただけで、あとは業者任せだったそうです。」
「確か東京BBSとかいうところで、元師匠はわたしに
(あのサイトの運営者は良心的で、何年も更新料を払っていないのに、
サイトをそのままにしてくれているんだよなぁ。)
なんて言っていました。」
劇団 「(ちゃんと更新料払ってあげなよ!)って思いますよね。」
CS 「あの辺りの感覚はついていけなかったです。」
劇団 「じゃあ毎月発行していた会報誌というのも原稿は全て手書きですか?」
CS 「もちろんです。」
「これは過去記事にも載せましたが、元師匠はまず普通の文章を4~5日かけて
書いた後に、さらにその文章にダジャレを加えてブラッシュアップさせていました。」
「そのブラッシュアップの過程に、最初の文章を書く倍近い時間がかかって
いたわけです。」
(元師匠の文章)
↓
◆千歳市のHさん。失言?をお待ちしてました。
千歳市だから出現であって、もし釧路市だったら湿原になるところでした。
危ない、アブナイ。
MDのイヤホンをオホーツク海ならぬ気海に貼り付ける手法は神取忍・・・
もといカントリーティーチャーさんと共通してます。
そうしたさり気ない「練功の一コ○マ」が、
初心者の方には地獄でエンマ・・・おっと、仏的福音なのよね。
劇団 「何度読んでも不思議な味わいのある文章ですね。」
CS 「こうして出来上がった原稿を印刷所に送って会報誌にしてもらい
自宅に送り届けてもらってから、今度は自分で送り先のあて名を
手書きで書いた封筒に入れて切手を貼り、月に何百通と会員たちに
送っていたわけです。」
「ボクだったら、会報誌はやめて全部、ブログやネット掲示板の投稿だけで
済ませちゃいますけどね。」
CS 「紙媒体しかない昭和の時代には手書きで書いた文章を印刷所に送り、
それを印刷業者が活字に直して印刷して製本し、出来上がった書籍や
新聞が書店や販売所に送られて、
さらに出来上がった紙媒体を読みたい人は書店に足を運ぶか、
新聞配達員が各家庭に届けるという手順しか存在しませんでした。」
劇団 「昭和ですよね。」
劇団 「そこまで頑強に拒んだ理由が、
(自分はアナログ人間なのでパソコンはおろか携帯電話も
一切触りたくありません。)
なんですよね。」
CS 「わたしだったら、人にわざわざFAXで送った文章を投稿させるような
手間をかけさせるくらいなら自分でPC操作を憶えますね。」
「昔から人に借りを作るのが嫌いな性格で人に物をもらったり奢られたり、
迷惑をかけることは極力しないようにしていました。」
「最近は年齢的にも食事をしたらこちらがおごるようになりましたが。」
「立場上相手が年長だったり、相手の心情を慮って敢えてご好意を受ける場合も
ありますが、その時は後で倍返したり、心を込めてお礼を伝えるようにしています。」
劇団 「その分、敵には1000倍返しなんですよね。」
CS 「仙道研究家 高藤総一郎氏の元弟子の方から聞いたところでは、
氏は弟子たちとレストランに行くと自分が食べた分のお金は
全て弟子持ちにして、たらふく食べていたというんです。」
「人に借りを作るのが嫌いなわたしとしては違和感を感じます。」
「ただ、高藤氏はよく内弟子に、
俺は100人の弟子に教えて
99人が潰れてもいい。
残った1人にだけ全てを
伝えるつもりだ!
と話していたそうですから、意図的に弟子たちにプレッシャーを与えて
ふるいにかけていたのかもしれません。」
劇団 「何か考えがあったかもしれないんですね。」
CS 「共通しているのは、高藤氏と元師匠は2人とも弟子たちと
心理的距離が近かったのでしょう。」
「高藤氏は親しい弟子には、
俺はお前たちのためなら
人の命を奪う覚悟がある!
と言っていたそうですし、
元師匠も人と会った時は、
オレはお前のためなら死ねる!
と心の底から思えるように訓練していました。」
「2人も相手との関係性に死を持ち出すという事は、相手との深い一体感を
望んでいたのでしょうね。」
「そう考えると、命を懸けて指導しているのだから、食事代くらいは
弟子が負担するのは当たり前なんです。」
「また、2人とも親子関係に近いような疑似家族を望んでいた印象も受けます。」
「高藤氏は著書でも書いていましたが、家庭に問題を抱えていてほとんど1人で
育った境遇でしたし、元師匠も自分の妻子を捨ててしまった。」
「今にして思えば、2人とも神秘行を弟子たちに教えることを通じて
疑似家族を手に入れようとしていたんですね。」
「だから、高藤氏は見込んだ弟子には鉄拳制裁を行ったし、
元師匠も弟子のプライベートタイムに無給で投稿作業をさせた。」
「それは頑固親父が出来の悪い息子に拳骨をくらわしたり、
パソコンが苦手な親が長男に替わりに作業をするように
言いつける感覚だったわけです。」
「神秘行やスピリチュアル、宗教系の組織に入っていた人の話を聞くと、
中心の指導者や教祖は家庭的に恵まれない幼少期を過ごした人間が
多いのも同様な理由があるのでしょう。」
劇団 「CSさんって、そういう雰囲気無いですよね。」
CS 「わたしは、
(お前のためなら人の命を奪う覚悟がある!)
とか
(お前のためなら死ねる!)
という考え方は、こう言っては2人には失礼ですが
気持ち悪く感じます。」
「震災後に流行った(絆)や(1人じゃない!)とか、
スピリチュアル系の(あなたが今憎んでいる相手を愛しなさい。)
とかいうのはもっと不快ですけどね。」
劇団 「それなんとなくわかります。」
CS 「元師匠はよく、会った人全員に(大好きだよぉ~!)とか
(お前のためなら死ねる!)と心の底から思うように
訓練していれば、
その思念が相手に感染して相手も自分を好きになって
人間関係がうまくいくと話していました。」
「確かに波動原理的には感染能力として起きる現象なのですが、
わたしはそういうのはどうしても気持ち悪くてダメです。」
劇団 「えぇーっ、そうなんですか!」
CS 「よく受講者の方に言うのですが、わたしはスカイプで英会話を教えている
講師みたいなもので、時間単位の受講料を設定してその条件下でいろいろ
会話をしながら自然と英会話のスキルを身につけてもらう感覚です。」
「ですから、わたしの場合は弟子ではなくて受講者ですから、
受講料以外は受け取らないしプライベートにも必要以上は
出来るだけ干渉しない。」
劇団 「心理的距離を近づけないんですね。」
CS 「それに対して元師匠は気功グッズ代と年間数千円の会報誌以外は
ほとんどお金を受け取らなかった。」
「だから、かえって自分は弟子たちに奉仕しているという感覚が強くなり、
心理的距離が近くなったんです。」
劇団 「(お前のためなら死ねる!)ってやつですね。」
CS 「そのため、
弟子が自分の記事を投稿するくらいの手間をかけるのは当然だ。
という考えがあったのでしょう。」
「高藤氏にも、周囲がドン引きするくらい苛烈にシゴいた内弟子が一人
いたのですが、あれも愛情表現だったと思います。」
「彼なりの(地獄を見せる愛情)によって、その内弟子をなんとか救おうと
したんですね。」
劇団 「その内弟子はどうなったんですか?」
CS 「命の危険を感じたのか、その後逃げていなくなったらしいです。」
劇団 「人によっていろいろ違っていて面白いですね(苦笑)。」
CS 「ただ、見方を変えれば2人ともそういった他人との心理的距離の取り方から
逃れることは出来なかったんです。」
「結果、失望して他人から離れることはあっても、心の奥底で深い一体感を
求めるという心理的傾向自体は変えられない。」
「そこから生じた渇望感が、2人が神秘行を行う上での原動力となったことは
今なら理解できます。」
劇団 「うーん・・・。」
CS 「元師匠も高藤氏も、女性霊能者やクンダリニーヒーラーから見れば
何でもできる人
なのでしょうが、そんな2人でもどうしても変えられないものがある
という事も事実なんです。」
「でも、死を賭けてまで人と繋がろうとする情熱がある事はうらやましいです。」
「元師匠も高藤氏も情熱的な人間だったんですね。」
劇団 「あれっ?CSさんには情熱が無いんですか?」
CS 「前回の記事の最後の方で書いた、身体に異変が起きたあたりから
あの2人のような情熱が徐々に消えていった気がします。」
劇団 「それはどういった異変だったのでしょうか?」
CS 「それはまた長くなったので次回にします。」
※次回の記事更新日は8月1日になります。
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