(前回の関連記事は「大周天達成者の必要条件 」です。)
一子相伝
前回の記事では、
①何らかの霊的存在が修行者にコンタクトを取る。
↓
②それに伴って行が進歩する。
↓
③修行者の現実生活にも変化が起きる。
↓
再び、①霊的な存在が修行者にコンタクトを取る。
この①~③のフィードバックの流れが循環するようになって
始めて神秘行になったと言えます。
と説明しました。
この点が、
「神秘行としての気功」と
「太極拳や気功教室で行われる一般の気功」
の違いです。
一般の気功は上記のフィードバックについては何も考えていません。
わたしのところにくる気功についての問い合わせでよくあるのが、
「わたしは○○気功教室で、太極拳や立禅、呼吸法を行っています。」
「しかし、気の流れもよくわかりませんし、超感覚が開いたり、
神秘体験も起きません。」
という内容です。
この場合、質問者は「なんで効果がないんだろう?」と悩んでいますが、
わたしから見たら別に不思議でも何でもありません。
「一般の気功」はそういうものです。
大勢が一ヶ所に集まって、一度に同じような動作を1時間かそこらして、
それで本格的に気脈が開いたり、神秘体験が起きるというのはまず
ありえないです。
スポーツを例にとれば、ボクシングで世界チャンピオンになる選手には
必ず専属のトレーナーが付いています。
1980~90年代にヘビー級チャンピオンとして活躍したマイク・タイソンと
いう選手がいます。
タイソンが幼い頃、一家はブルックリン区内に住んでいた。経済的な問題で、
家を転々とした後に、タイソンが7歳の時に当時のアメリカ合衆国の中でも
最悪のゲットーと呼ばれていたブルックリン区ブラウンズヴィルに落ち着き、
タイソンはそこで育つことになる。
内向的な性格や、大きな近眼鏡を着用していたことから、近所の不良少年達に
嘲笑されいじめの対象となる。
だが、大事にしていたペットの鳩を年上の不良グループの少年たちに虐殺され、
我を忘れてその不良達を殴り倒したことから自身の強さに気付き、徐々に
荒んだ生活へ進む。
ボクシングとの出会い~12歳までに51回も逮捕され、ニューヨーク州でも
最悪の少年が収容されるトライオン少年院に収監。
そこで更生プログラムの一環として行われていたボクシングと出会い、少年院の
ボクシング担当教官だったボビー・スチュワートからカス・ダマトに伝わる。
タイソンの才能に驚愕したダマトが身元引受人となったため少年院を出所後、
ダマトの下でボクシングの英才教育を受けることになる。
このようにカスト・ダマトのような経験豊かな名トレーナーがつきっきりで指導して、
初めてタイソンの世界チャンピオンになる素質が開花したわけです。
仮にマイク・タイソンがもっと裕福な家庭に生まれていて、近所のフィットネスジムと
ボクシングジムが一体になったジムに入会して(竹原が経営しているようなジムです)、
そこでみんなと一緒にボクササイズをしたりサンドバッグを叩いたりしていたとします。
おそらくタイソンの健康増進には役立ったでしょうが、彼が世界チャンピオンに
なることはなかったでしょう。
要するにマンツーマンに近い形で教わらないとモノにはならないわけです。
これは神秘行も同様で、本来、神秘行は1人の師匠がこれと見込んだ
1人の弟子をつきっきりで教えるという一子相伝の形で指導して伝える
べきものです。
さすがにそこまでは行きませんが、わたしもマンツーマンの指導スタイルを
とっています。
これを先ほどの質問者の例に当てはめると、
「わたしは近所のフィットネスジムで週1~2回、他のジムの会員たちと一緒に
ボクササイズを2時間ほどして、サンドバッグも叩いているのですが、
強くなった気がしません。」
「このまま通い続けていて世界チャンピオンになれるのでしょうか?」
と質問しているようなものです。
単に健康増進やダイエットのためのボクシングの練習と、
世界チャンピオンを目指すために行うボクシングは全く別物なんです。
一般の気功と、神秘行としての気功も同じくらい違います。
例えるなら、気楽に楽しむ人のためのボクササイズと、プロの
世界チャンピオンを目指す人のボクシングの違いがそこにある
わけです。
ボクシングは違いが分かりやすいですが、気功の場合はこの違いを
理解しないで続けていて、「なぜ効果が出ない?」と悩んでいる人が
結構います。
まぁ、そういう人はそもそも神秘行とは縁が薄いのかもしれません。
それでは(気功におけるアマチュアとプロの違いは何か?)というと、
それはエネルギーです。
わたしが前回の記事で、
このような失敗を防いで、神秘体験と現実がうまく連動するように
するための重要な要因の1つが神霊体なわけです。
ただ、わたしがこう書くと、
「それじゃあ、どこかの有名な霊能者の伝授を受けて
大日如来のような有名な神様とつないでもらえば
いいんだな。」
とか、
「有名な神社・仏閣にたくさんお参りしよう。」
「神秘行の本や宗教書をたくさん読んでみよう。」
などと考える人が必ず出てきます。
今までわたしが見てきたスピリチュアル系の人たちの
ほぼ100%は上記のいずれかのパターンの行動をします。
これについても、スピリチュアルをかじってみたいという
程度の一般人にはいいと思うのですが、
(もちろん、おかしくなる危険性はあります)
神霊体と繋がって、神秘行本来の効果を出したいという
コアな修行者が行うと自滅を招く行動パターンです。
というのは、そこにはある視点が完全に欠落しているからです。
と書きましたが、
ある視点=「エネルギー」
です。
神秘行修行者で自滅する人間には「エネルギー」という視点が
完全に欠落しています。
同じく前回の記事で、
これは、気功関連の書籍やサイトの多くが、
「大周天=百会(頭頂)が開いて天の気とつながること」
という、わたしから見ると問題がある定義をしているために
生じる誤解です。
と書きましたが、
ここでは「天の気とはどういうエネルギーなのか?」という
視点が欠如しています。
わたしはこの「天の気」に対しては、
「神霊体」と「その神霊体が属しているアストラル界の波動」
と定義しています。
(この定義も基本的なもので、わたしの実際の指導体系では
アレンジしているのですが、これについては企業秘密なので
説明は割愛します。)
また、その神霊体についても、
「クンダリニーが活性化する。」
「気脈の気の流れが促進される。」
「体内のマイナスが浄化される。」
「気持ちよくなる。」
「意識がクリアーになる。」
「高揚感が伝わってくる。」
「質の高い波動情報が下りてくる。」
「エネルギー値が上昇する感覚がある。」
などの判定する基準(=視点)を複数持っています。
そして、その視点から見て、
以前、わたしがネットであるヨガの行者の写真を一瞬ちらっと
見た時のことですが、いきなり尾骨がカーっと熱くなって、背骨の
内部を熱いエネルギーが上昇して背中が仰け反りました。
エネルギーは頭頂から突き抜けたのですが、同時に頭上から
白い光のようなエネルギーが降り注いでいる感覚も伝わって
来ました。
「この行者はクンダリニーが覚醒し、神霊体もつながっている。」
「まさに大周天に達しているな。」
と確信したわけです。
それに対して、エネルギーという視点もなければ、高エネルギーと
低いエネルギーの違いを感じ分ける能力がない人間が、
「自分は気功を続けていて、頭頂や手足のチャクラから
気を自由に出し入れ出来るようになり、大周天を
マスターしました。」
と思い込んだとします。
しかし、わたしがその人のエネルギーを感じると、全く一般人とは
変わらない程度のエネルギー値です。
よく「頭頂のチャクラが開いた」と言いますが、これもピンキリです。
わたしの受講者で、
深部任脈を通した段階でクンダリニーが活性化して尾骨を中心に
熱感が発生するようになり、ベッドでウトウトしていたら背中を熱い
エネルギーが突き抜けて「頭頂のチャクラが開いた」。
という人がいます。
こういうケースと、
①頭頂が開くイメージをしていたら何かスースーしたものが頭から
出入りするようになった。
②小周天をしていたら皮膚をもぞもぞしたものが動いて頭のてっぺんから
抜けた気がした。
③どこかの霊能者に頭頂のチャクラを開いて大日如来とつなげてもらった。
というのは全く別物です。
しかし、①~③の人たちは「自分は大周天を達成した。」と思い込みます。
そして、いろいろな神秘行の本を読んで、本来は大周天レベルに達した人で
なければ全く効果が無い行法を死ぬまで続けて人生を棒に振ったり、
逆に非常に危険性が高い行法をせっせっと行い自滅します。
こうして、一子相伝の神秘行をめぐって
悲劇は繰り返される・・・。
(今見ると、デビルリバースって進撃の巨人みたいですね。)
※次回の記事更新日は12月10日になります。

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