(前回の関連記事は「運命の相手 」 です)
筋がいいタイプ 筋が悪いタイプ
わたしが気功指導を行う上で、受講を始めた人にはまず最初に
「気感とは何か?」を教えなくてはなりません。
そのためには、わたしが遠隔で受講者の体内に何らかのエネルギーの
動きを作り出して感覚の変化を生み出すよう試みます。
次いで、エネルギーの動きを実況中継しながら、受講者自身がどのような
感覚を得ているかチェックしていきます。
この気の感覚が開いていく過程には個人差がありますが、
ある程度一定のパターンがあります。
これは以前の記事でも書きましたが、
精(肉体的パワー)⇒気(思念波・一般の霊的存在)⇒神(高級神霊)
の段階を経るパターンが多いです。
一般的な仙道の行体系では最初に下腹部に「精(肉体的パワー)」を
温感や熱感として感覚化しようとします。
そして、得られた温感・熱感を小周天ルート(体の正中線上の経脈)に
流すことにより体感覚の範囲を広げていきます。
先程説明したように、わたしはこの温感・熱感として感じるエネルギー(気)を
「精レベルのエネルギー」と呼んでいます。
このレベルの気の感覚の種類は温感を基本として、
①熱い
②温かい
③温感を感じない
④スースーする
⑤冷たい
の5種類になります。
更に精レベルのエネルギーで小周天を回し続けていると
気感が変化します。
①~⑤の感覚に加えて
「ビリビリする(帯電感)」
「圧力感」
「流動感」
「重だるさ」
「軽い感じ」
といった感じで徐々に種類が増えてきます。
これを一般の仙道書、気功書では
「気の性質が変化した」
と説明しています。
例えば、仙道研究家 高藤聡一郎氏著「秘法!超能力仙道入門」では、
小周天を長い事やっていると気は全身に広がり、だんだん陽気の性質が
変わってくる。
つまり熱感のようにサラサラした感じから、ねばっこいベトベトした
感じになってくるのだ。
と解説しています。
わたしから見ると確かにこのパターンもありますが、初期の段階では
違う理由も考えられます。
それは本人自身の気の性質自体は変わらないが、
①エネルギー値(量)
②気の感覚の感度
が増大したパターンです。
気功指導を行っていると、①エネルギー値(量) ②気の感覚の感度
について全く正反対の状態の人がいて、同じ行を行っていてもそれぞれ
真逆の反応をしたりします。
今回はこの点について、周天法の初期段階で丹田の強化に取り組んでいる
ケースを例にして説明します。
ここに気功初心者の受講者Aさんがいて、わたしが指導中に丹田の
エネルギーを設定・強化したために熱感を感じるようになりました。
その時Aさんは、
「今、丹田が熱くなっています!!」
と喜んでいます。
しかし、次の指導時にわたしが「丹田の熱感はあれからどうです?」
と聞くと、
「あれから数日は調子が良かったのですが、最近は熱くなりません。」
「気が無くなってしまったんですね。」
と落ち込んでいます。
そこでわたしが
「いや、丹田は以前よりも活性化しているから大丈夫ですよ。」
と言うと、
(えーっ、それ本当ですか?)
と受講者Aさんが疑っている感覚が伝わってきます。
この現象を解説しますと、
指導を受ける前のAさんの丹田のエネルギー度を10として、
わたしの指導中にエネルギー値が50まで上がった。
その結果、本人は丹田に熱感を得た。
しかし、受講から日にちが立つにつれて、わたしが一時的に上げた
エネルギーが徐々に下がって30になってしまった。
そのせいで本人は丹田に熱感を感じなくなって落ち込んでいる。
となります。
要するに、Aさんの丹田のエネルギー値は
10⇒50⇒30
と変化したわけです。
そして、気の感覚については
(1)50の強さのエネルギーは熱感として自覚できる。
(2)しかし、30の強さのエネルギーは感じることが出来ない。
となっています。
この場合、30~50の中間のエネルギーをどれだけ感じられるかは、
実際に経験を積んで確かめていくしかありません。
Aさんに対して、わたし自身は長年の訓練を通じて30のエネルギーを
熱感として感じられる気の感受性がります。
また、10のエネルギーの存在も熱感としてではないですが、温感として
感知できます。
そのためAさんの変化が子細に体感できます。
そのわたしから見ると、
Aさんは、指導時にわたしが一時的に上げた50の状態から30へと
下がってはしまった。
しかし、自分の力で30の状態はキープしています。
要するに、最初の10の状態と比べれば、「10⇒30」へ20ポイントも
アップしました。
ですからわたしは、
「いや、丹田は以前よりも活性化しているから大丈夫ですよ。」
と答えるわけです。
しかし、Aさんは30の丹田エネルギーを自覚できないために
(丹田から気が無くなってしまったんだ。)
(COSMIC SHAMANは気休めで丹田にエネルギーがあると
言っているんだな。)
と、「自分のエネルギーは0だ。」と勝手に解釈して自信を無くします。
わたしから見るとエネルギー値が20ポイントアップしたわけですから、
Aさんは素質があります。
よく、スポーツや仕事を行って順調に伸びていくタイプの人を
「筋(すじ)がいい」と言いますが、まさのこのタイプです。
ですから、このまま地道に行を続けながら、さら30→40とエネルギー値を
上げていき、並行して気の感知能力も徐々にアップしていけば、いずれは
40のエネルギーで丹田をが熱くなるようになります。
つまり、意識をかければいつでも丹田に熱を感じるようになるわけです。
(正確には、その時々の肉体のバイオリズムがありますから、100%常に
熱くなるとは限りませんが。)
Aさんのようなケースでは、わたしは出来るだけ受講者の人が進歩した
部分を具体的に指摘することが必要になります。
いわゆる「ほめて伸ばす指導」です。
ただ、筋がいい人の中にも、どうしても自分に自信がもてないマイナス思考の
タイプがいます。
そういう人は自分のダメな部分にばかり目が行き、自信をなくして気功を
諦めてしまったりします。
このように、わたしが本人のエネルギー値を上げた上で変化した部分や、
良くなった部分を指摘しても続かない人がいるわけです。
そう考えると、
・ずーっと1人で修行している人
・大勢を1ヶ所に集めた気功教室で十把一絡げの指導を受けている人
・マンツーマンで指導を受けているが、指導者に気を読み取る能力が
不足している場合 (武術系に多い)
といったパターンで行を続けている人が気功を続けて結果を出すのは
至難の業だと思います。
実はそれを成し遂げたのが、わたしの気功の元師匠です。
彼は〈ずーっと1人で修行している〉タイプであった上に、気功を始めたのが
50歳という、ものすごいハンディを抱えていたのですが、それにも関わらず
丹道周天まで独力でマスターしました。
今のわたしから見てもこれはすごいことだと思います。
ただ、元師匠は年齢的に丹道周天のマスターまでがやっとだったために、
わたしはさらに上に行く過程で元師匠と離れるしかなかったわけです。
話が少し逸れてしまいましたが、Aさんのようにレベルも上がっているし、
筋もいいのに、本人の感覚が弱いために自信をなくして行が続かない
タイプがいる一方で、まるで反対のタイプもいます。
いわゆる霊感体質の人です。
このタイプの人は気の感覚は優れているのですが、他人の思念波や低級霊と
繋がりやすくエネルギー的にはマイナスのケースが多いです。
ただ、エネルギーがマイナスの状態になっているのですが、本人自身は
気がつきません。
これはわたしが治療家の時に経験したことですが、体全体が硬くなって
ガチガチになっている人ほど、自分の体調の悪さを自覚できません。
これは体の調子がおかしい状態が当たり前になっているために、感覚センサー
がダメになっているせいです。
しかし、本人は自覚症状がないので大して悪いところはないと思っています。
朝から晩まで無理して働いて、いきなり倒れてポックリ逝く人に多いタイプです。
こういう人は体のツボを軽く押しただけで悲鳴を上げたりします。
霊感体質の人もこれに似ていて、自分のエネルギーがマイナスに
なっているのに気づきません。
おまけに感覚はあるために日常変わった体験をするので、自分の行は
進んでいると勘違いしたりします。
これは元師匠の話ですが、気功を初めてそれほど経っていなかった頃に、
字を上手くしようとペン字の本を探したそうです。
その時、ある本を開いたところ額にグーっと圧力を感じました。
「おっ、これはすごい気のパワーが出ている。」
「気の訓練にもなるからこの本を使おう。」
と本を購入してしばらく使っていたそうです。
しかし、数年後、気の感覚がわかるようになった時に、何の気なしにその本を
手に取ってパラパラめくってみたらものすごい邪気が出ていたそうです。
額にグーっと来たのはマイナスのエネルギーだったんですね。
こういう感じで、霊感体質のタイプは気には敏感ですが、マイナスの
エネルギーとの見分けが付かなかったりします。
同時にやたらとマイナスとつながりやすい傾向もあります。
これはわたしから見ると「筋が悪い」タイプです。
こういう筋が悪いタイプの受講者Bさんがいたとします。
彼は低級霊とつながりやすい状態で、わたしから見るとエネルギー的には
マイナス30の状態です。
そこでわたしが丹田のエネルギーを強化しても、元がマイナスなので、
プラス10の状態にしかなりません。
しばらくすると、マイナス10の状態に戻ってしまいます。
-30⇒+10⇒-10
というように、なかなかプラスに落ち着きません。
しかし、本人は気の感覚は敏感ですし、以前よりはエネルギー値が
上がっているために、自分がすごくパワーアップした気がします。
このようにわたしから見るとマイナスの状態でも、周天法を続けていると
それなりに感覚は開いてきます。
しかし、元のエネルギー値があまりよくないので、わたしの基準からすると
マイナスのエネルギー(低級霊)とつながって、声を聴いたり、姿を見たり
します。
すると、Bさん本人は自分にはすごい能力がついたと思い込みます。
確かに霊視・霊聴という観点から見れば能力が開いたと言えます。
しかし、神秘行(特に気功・仙道)は自分のエネルギーレベルを
上げることが重要だというのがわたしの考えです。
ですから、こういう状態はわたしから見るとマイナスで、真の意味で
神秘行の段階をレベルアップさせるには非常に時間がかかります。
こういう「筋が悪いタイプ」のBさんに対して、わたしはAさんの時とは
真逆の対応をする必要があります。
具体的には、
「Bさんはエネルギーがマイナスだから、もっと地道に煉丹に
励んだ方がいいよ。」
「今つながっている存在のメッセージを間に受けていたら、
そのうちエライ目に遭うよ。」
という感じで、本人には耳の痛い話をします。
わたしも人にあれこれ忠告するのは恨まれたりもするし、面倒なので
言いたくないのですが、指導している以上は責任があるので本当の
ことを伝えます。
するとBさんは、
(なんだ、こんなに行が進んでいるのにCOSMIC SHAMANは
オレを否定することしか言わないんだな。)
と不満に思って来なくなります。
このように、
筋がいいのに、感覚が弱くて自信をなくすAさん
と、
筋が悪いのに、なまじ感覚があるために自信過剰になるBさん
という正反対のタイプがいるわけです。
わたしも指導を続けて、こういう両極端なタイプを見ていると、
「世の中、いろんな人がいて面白いもんだな。」
としみじみ思います。
※次回の記事更新日は2月1日になります。
