ライブレポート~八十八ヶ所でウンザウンザを踊る~ | キタガワのブログ

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夜型、アルコール

ライブ前に整理番号を客同士で確認し合うことの敷居の高さは異常。




10月10日、「八十八ヶ所でウンザウンザを踊る」広島公演に行ってきました。

出演は八十八ヶ所巡礼、バックドロップシンデレラ、セックスマシーン、打首獄門同好会の計4バンド。場所は4.14。

出演バンドも全て大好きなバンドなんですが、実はこの4.14というライブハウスは、自分が以前バンドで出演させていただいた場所でして、非常に思い入れがあったんですね。

なので本当に楽しみだったんです。

4.14はちょっとやそっとじゃ見つからないほど分かりづらいところにあり、開場から数分後に到着。

到着すると、ちらほらと観客が見える。

そこで驚いたのは、観客の客層がかなりバラけているということ。

男性、女性、見た目が高校生くらいの人から30代後半の方まで、幅広い層が見に来ている印象でした。

ステージを見るとギター、ドラム、ベース以外に、中央にそびえる大きなモニターと、その左右には2つの小型モニターが設置されていました。

よくよく目を凝らして見ると、モニターには小さく「獄」の文字が。

そう。一番手は打首獄門同好会。

定時になり、ゆっくりと暗転。お寺で流れるような謎のSEと共に、ステージ袖から河本(Vo,Dr)さん、Junko(Vo,Ba)さん、大澤(Vo,Gt)さんが住職の格好でゆっくりと合掌しながら登場。

まるで実際に巡礼をしているかのようでした。

マイクの前に立つなり「初めて来たお客さん、『これが八十八ヶ所巡礼か~。』違いますよ~!違いますよ~!打首獄門同好会です!」と大澤さん。

そして放たれた1曲目は「88」。

あの……このバンド本当に大好きなんですけど、先に言っておくとおかしいんですよ。歌詞が。

前述した88という曲は、ただただ寺の名前を連呼する、それだけの曲。

そしてモニターには歌詞と各地の寺の映像が流れる。

なんだこのライブは。

「88」終了後、一旦MC。大澤さんが「今日は皆さんにプレゼントがあります。うまい棒です!」と、ドン・キホーテの袋に大量に入ったうまい棒を見せる。

「みんな1人1本ずつまわして取ってくださいね。すぐ食べるもよし、粉々にしてご飯にかけてふりかけにするもよし、それにお茶をかけてお茶漬けにするもよし、サイリウムみたいに使うもよし」と、大澤さんが話している間に客同士でうまい棒の譲渡会が行われました(ちなみに自分はチーズ味)。

そして全員に行き渡ったところで、そのまま「デリシャスティック」へ。

この曲はうまい棒の味を連呼するだけの曲なんですが、曲の最中に大澤さんが語ったように「うまい棒をサイリウムがわりに使う」人が続出。

サビの部分で大量のうまい棒が掲げられる様子は、見ていてめちゃくちゃカオスでしたね。

その後はライブ予告、CD宣伝などをモニターを使い説明し、次々と曲を投下。

ラーメン二郎を少女マンガ風に歌った「私を二郎に連れてって」、孫を愛する高齢者の気持ちを歌った「まごパワー」、次々と出費が続く現実を歌った「カモン諭吉」など、抱腹絶倒の曲のオンパレード。

Junkoさん、河本さんの声と大澤さんのデスボイスがうまく調和していて、どれも素晴らしかったです。

最後の曲は「フローネル」。「風呂入って即効寝る計画!」から始まるこの曲、イラストレーター芦沢ムネト氏のネコの絵と歌詞の内容がマッチし、シュールな雰囲気を演出。

中でも曲中の「幸せって……?」から「幸せとは!○○した瞬間でしょ!」までの大澤さんのアドリブトークは秀逸。

「仕事かと思ったら休みだった」。ただこれだけの言葉を、さながら1人コントの如く座りながら「今日もバイトか……店長と同じシフトかよ……あれ!?ちょ……今日休みじゃねえ!?」と面白おかしく語る大澤さん(実際はもっと長かった)、本当に笑わせてくれました。

ちなみに今回、打首獄門同好会が演奏した曲は全てYouTubeでPVが見れます。

ぜひ見て笑ってください。

2番手はセックスマシーン。モニターが撤去され、代わりにキーボード等がセッティングされる様子を、自分はうまい棒をサクサク食べながら見てました。

正直、打首獄門同好会が素晴らしかったのもあって、「セックスマシーンどうなんだろ?」という思いだったんですが、あまりにも衝撃的なライブを見せてくれました。

某洋画の曲にのせてアキラ(Key)さん、日野(Ba)さん、近藤(Gt)さん、オガタ(Dr)さん、そして森田(Vo)さんが登場。

登場するなり「音楽止めろ音楽止めろ!」と絶叫する森田さん。

「君たちを客として見てない。君たちはゲストボーカルだ。だから俺が『ウォー!』って言ったら『ウォー!』って言え!責任持って行動しろよ!」と、1曲目「君を失ってWow」をドロップ。

歌詞の大半がWowのため、必然的に観客も「ウォー!」と叫び、結果これ以上ないほどの盛り上がりを見せました。

3分ほど曲が経過したとき、森田さんがマイクを放り投げ、まさかのステージを降り、観客の元へ!

観客をかき分け、そして「マイク無いから、これで条件は君たちと同じだ。声を聞かせてくれ!シンガロング!」と、さらに盛り上げる。

その後、森田さんがライブハウスから逃亡。ポカーンとする観客をよそに、即座に戻ってくるなり「今外に出たが、外はまだ街やってた。スタジアムになってなかった。広島を、今この場所から変えていこう!」と、さらに「ウォー!」コールを要求。

結果、1曲目がゆうに8分を超えるという展開に。

それから2曲、3曲と続いていくんですが、中学生の頃から使っているというジーンズ(もはや尋常じゃないレベルのダメージジーンズ)をはきながら、汗と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにしながら全力で歌う森田さんは存在感がすごくて、感動してしまいました。

そして「東京でライブやる。君たちなら歩いて来れるはずだ」というツッコミどころ満載のMCから、「生きててよかった」、「君たちはゲストボーカル、つまりバンドメンバーだ。これからもっとすごい経験させてやる。これからも宜しくな!」と満面の笑顔で熱いMCをする、このギャップがもう……すごかったです。

最後は「遊び足りない」。終了後「バックドロップシンデレラに続く!」という森田さんの一言でフィナーレ。

一気にセックスマシーンのファンになりました。

バンド名はアレですが、本当に良いライブでした。

そして、キーボード担当のアキラさんが脱退するということで、キーボードありのセックスマシーンを見るのは自分にとってこれが最初で最後ということになります。

これからもライブを続けていってほしいですね。

さあ、これで折り返し。

あとはバックドロップシンデレラと八十八ヶ所巡礼を残すのみとなりました。

ライブ開始前に自分の周りにバックドロップシンデレラのファンが大勢いるのを見た時点で、漠然とヤバい予感はしてましたよ……はい……

豊島(Gt,Vo)さん、アサヒ(Ba,Cho)さん、鬼ヶ島(Dr,Cho)さんが登場し、まさかの豊島さんボーカルでかの有名な「およげ!たいやきくん」のカバーを披露。

「毎日毎日八十八ヶ所巡礼は早弾いてばっかりで嫌になっちゃうよ」と歌う豊島さん、嫉妬心が滲み出ているような気も……

そして袖からでんでけあゆみ(Vo)さんが登場。そのまま「池袋のマニア化を防がNIGHT」へ。

ギターリフが鳴り響いた瞬間、踊り狂う観客。1曲目にして蒸し風呂状態と化した会場に、あゆみさんがさらに油を注ぐ。

曲が中盤に差し掛かり、なんとあゆみさんが客席へダイブ!

と、ここでハプニングが。

観客が誰も受け止めず、あゆみさんが頭から地面に落下!

ですがすぐさま起き上がったあゆみさんを観客が360度囲み、踊る踊る。

「メラメラ」では某腹ペコの如くヘドバンの嵐となり、「メタル馬鹿にする奴も死ね」、「メタルを聴かなきゃダメ」という歌詞の部分では、XJAPANよろしく手をクロスさせる場面も見られました。

「俺らは踊らないやつより、踊ったやつの方が偉いと思ってるから」というのMCの通り、あゆみさんは踊ることを半ば強要する形で盛り上げる。

曲間では観客を左右に別れさせ、モーセの十戒のような状況を作り出すと、あゆみさんの「3、2、1、ウンザ~!」の絶叫に合わせて客同士がモッシュ!

ここまででもかなり暑かったんですが、まだまだ終わらない。

「広島まで6時間休みなしで来た」というMCの後、今回2曲目のカバー「1週間の歌」へ。

おそらく日本国民の大半が知っているこの曲が、バックドロップシンデレラが演奏すると悪魔の曲に早変わり。

「月曜日は~」から、曜日ごとに演奏スピードが明らかに上がっていく。

最終的にはビデオテープを早送りしているかのような口調で歌詞をまくし立てるまでのスピードへと変化。

観客全員汗だくに。

圧巻だったのは「月明かりウンザウンザを踊る」で命令された、「隣の人と肩組んで踊れ!」というもの。

自分はぼっち参加だったんで孤立してたんですが、心優しい方に助けてもらって事なきを得ました。

ラストは「池袋でウンザウンザを踊る」。最後に全員でしゃがみ、その後ジャンプ!

最高の終わり方だったと思います。

あゆみさんがたびたび言っていた「ウンザウンザ」の意味は未だによくわかりませんが、楽しかったのは確かです。

正直、今回の出演バンドの中で最も衝撃的でしたね。

さあ、ついに八十八ヶ所巡礼の出番。

最初に言っておくと、自分は八十八ヶ所巡礼がトリだってことは予想してたんですが疑問だったんですよ。

だって明らかに頭おかしい曲なんですから。

どんなライブするの?とか、そういうイメージが全くつきませんでしたね。

客電が落ち、賢三(Dr)さん、Kazuya Shimizu(Gt)さん、マーガレット(Vo,Ba)さんが登場。

賢三さんはヤクザの一味かと思うガタイで怖いし、Shimizuさんはサングラスをかけてて不審者っぽい、そしてマーガレットさんは女性のような服に身体中に彫られたお経の刺青が目立つ。

なんだこのバンド……

マーガレットさんがウイスキー(しかもロック)で喉を潤した後、賢三さんの異常に長いドラムソロから「PALAMA・JIPANG」へ。

もうね……みんな演奏技術が高すぎるんですけど、中でもShimizuさんのギターは何なんですか?

変態?馬鹿テク?とにかく、ありえないくらい上手いんです。

体をのけぞらせながら、ギターを背負いながら、時には歯でギターを弾く。

もうバケモンかと思いました。自分ずっとShimizuさんの指見てたんですけど見えないですもん。早すぎて。

通常のバンドって、相手のことを考えながら演奏するじゃないですか。ここでギター弾いたらボーカル聴こえないなあとか。

八十八ヶ所巡礼は、完全にそこんところ無視してますね。みんなやりたいようにやった結果曲になってるような。

いや、本当に馬鹿らしい文章で申し訳ないんですけど、言い表せないんですよ。

「具現化中」前のMCでは「マザーファッカー!とかなんとか言っちゃうなんてとんでもない。皆様のご両親はお元気でしょうか?親孝行バンド、八十八ヶ所巡礼!」とマーガレットが叫ぶ。

「日本」では「愛国心はあるか?貴様等!」から日本国民なら全員知っている君が代から爆音ギターが鳴り響く。

途中からはShimizuさんはサングラスを外し、マーガレットさんは客の上を歩きながら歌うなど、様々なパフォーマンスを見せてくれました。

最後の曲ではマイクを地面に投げ、そのままステージを去るメンバー。

アンコールを求める声が鳴り止まない中、再びメンバーが登場。

「今日はこんなクソうるさい4バンド見に来てくれてありがと。」とマーガレット。

「最後の曲は新しいアルバムからやります。八十八ヶ所巡礼でした」というMCから、新曲を投下。そしてそのまま幕を閉じました。

ステージにはギター、ベース、ドラム、エフェクター、ウイスキーが残されており、写真撮影をする人が大勢いましたね。

余談ですが、自分は終演後に八十八ヶ所巡礼のCDやバッジなどを購入し、セックスマシーンの森田さん、打首獄門同好会のメンバーとお会いしました。

皆さんステージで見せる表情とは違い、非常に気さくな人だと感じました。

いや、本当に今回のライブはすごかったです。

打首獄門同好会、セックスマシーン、バックドロップシンデレラ、八十八ヶ所巡礼、どれも最高で、忘れられないライブになりました。

またライブ行きます!ありがとうございました。


【打首獄門同好会 広島4.14セトリ】
88
デリシャスティック
私を二郎に連れてって
カモン諭吉
まごパワー
フローネル

【セックスマシーン 広島4.14セトリ】
君を失ってWow
(It' Only)ネクラ
文句はないな、野郎ども!
昨日のつづき
頭のよくなるラブソング
遊び足りない

【バックドロップシンデレラ 広島4.14セトリ】
頭のよくなるピロピロたいやき
池袋のマニア化を防がNIGHT
亡霊とウンザウンザを踊る
メラメラ
市長復活~さいたま市ヨリ与野市ヲ解放セヨ~
1週間の歌(カバー)
月明かりウンザウンザを踊る
台湾フォーチュン
池袋でウンザウンザを踊る

【八十八ヶ所巡礼】
PALAMA・JIPANG
霊界ヌ~ボ~
オノボリサン
仏狂
仏滅トリシュナー
攻撃的国民的音楽
具現化中
日本
ano世love
(他数曲)

[アンコール]
タイトル不明