Chet Helms Tribal Stomp | サイケデリック漂流記

Chet Helms Tribal Stomp


昨年の6月25日に亡くなったチェット・ヘルムズ(過去記事はこちら)の追悼フリーコンサート(Chet Helms Tribal Stomp)が、去る10月30日にシスコのゴールデンゲート・パークで開催されましたが、その時の音源(オーディエンス録音。CD5枚組)を入手しました。ひととおり聴くのに三日くらいかかってしまいましたが・・・。

この音源はネットからダウンロードすることが出来ますが、Live Music Archive(archive.org)からのGrateful Deadの音源削除騒動などもあり、これらのネット上でのライブ音源の交換はかなりグレーな雰囲気になってきているので、詳細は控えます。

音楽ビジネスがデジタル・ダウンロードにシフトしつつある現状では仕方がないことかもしれませんが、デッドからジャムバンド系へと受け継がれてきたライブ録音のシェアというのは、60年代的な精神が息づくひとつの文化だっただけに、その本家のデッド側がお金のためにその文化を壊してしまうというのは哀しすぎる話です。ただ、昨年末からずっとダウン状態で、ここも(圧力がかかって)閉鎖されたのか?と思われていたGD Liveは、幸いなことに復活していました。

さて、追悼コンサートですが、午前9時からのオープニングセレモニーに続いて、午前10時から午後6時までの8時間にわたって、約20組のアーティストによる演奏が繰り広げられました。以下、主な出演者と演奏曲です。

Jeff Blackburn
"Stranger in a Strange Land"で有名な60sデュオ、Blackburn & SnowのJeff Blackburn。残念ながら、この音源には未収録。

Charlatans
Dan Hicks, George Hunter, Mike Wilhelm, Richie Olsenらによるリユニオン。"Alabama Bound"などを演奏。年取ってもやっぱりカッコイイ(上の写真)。Dan HicksはCharlatansの前にHot Licksとしても登場。

Country Joe & Friends
Woodstockを思わせる"F-U-C-K Cheer"や"I Feel Like I'm Fixin' to Die Rag"を披露。

Sons of the Highway
Sons of Champlinの変名ユニット。69年の"Sons"収録の"It's Time"等を演奏。

Blue Cheer
Dickie Peterson, Leigh Stephensら。もちろんトリは"Summertime Blues"。

Paul Kantner & Friends
"Friends"はDavid Freiberg, Pete Sears, Vince Welnickなど。女性ボーカル(不明)入。Jefferson Airplaneの役で、Volunteers > Other Side of This Life > White Rabbit > Get Together > Who Do You Love? > Somebody to Love > Volunteers というお馴染みの曲のメドレーで盛り上がる。

Jerry Miller
Moby Grapeの人。Mobyの"Hey Grandma"などを演奏。

David & Linda LaFlamme, etc.
It's a Beautiful Dayです。
必殺の、Hot Summer Day > Don & Dewey > White Bird

Quicksilver Gold
Quicksilver Messenger Serviceの変名。
これも定番の、Fresh Air > Pride of Man > Get Together > Dino's Song

Canned Heat
"On the Road Again", "Goin' Up the Country", "Let's Work Together"など。

Squid B. Viscous
Carlos Santanaの弟のJorge Santana(ex Malo)、Frumious Bandersnatch~Steve Miller BandのDavid Denny(ギター)、Sly & Family StoneのGreg Errico(ドラム)、その他クレジットでは、Canned Heatにも在籍し、"Cristo Redentor"(1968)などのソロ作でも知られたHarvey Mandel(ギター)、Jerry Garciaとのコラボで有名なHoward Wales(オルガン)など、サイケ/シスコサウンドファンには渋すぎるメンバー。"Space Cowboy"などを演奏。

その他、Ramblin' Jack ElliotBarry MeltonNick GravenitesLydia Pense(Cold Blood)、最後に登場してジミヘン・メドレーで締めくくったNarada Michael Waldenなど、錚々たる顔ぶれでした。

でも、なにか足りないな・・・と思ったら、Grateful Dead関係のメンバー/曲がひとつもなかったのでした。このようなシスコのイベントにデッド関係者が参加していないのはやはり寂しい気がします。

なお、このコンサートを収めたDVDが4月にリリースされるとのことです。オフィシャルサイトはこちら

こちらにもフォトギャラリーがあります。