この記事は「Reme'sイベントに行ってきました!(1)」 の続きです。
神奈川大学の杉山崇先生がRemeイベントでお話しされた内容の覚書&感想です。

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日本人の60%以上は、うつ病になりやすい「不安を感じやすい遺伝子」を持っている・・・。
う~ん、いったいなぜなんでしょう・・・。

その理由として、日本人が農耕民族であることが関連しているそうです。
日本の主食はお米。しかし、米はもともと東南アジアの植物です。日本での栽培に適しているとは言えません。そこで、植物の状態や天候に気を配り、枯れたり、病気になったりしていないか、常に「心配」している必要がありました。

つまり、「心配性」だったり「不安を感じやすい」人のほうが、日本での農業には向いていたと言えます。それが何世代も続いた結果、日本人は「不安を感じやすい遺伝子」を持っている人の割合が高くなったのだとのこと。確かに、超が付くほどの心配性の実家の両親、野菜作りや園芸の名人です(ここでも深く納得)。
「不安を感じやすい遺伝子」も実は役に立っているのです。

そして「不安を感じやすい遺伝子」だけではなく、実はうつ病にも「いいこと」があるそうです。
それは「うつ病のリアリズム」です。うつ病でない人は、基本的に自分のことを実際以上に
価値があると考える「ポジティブ・イリュージョン」をもっています。
しかし、うつ病になるとこの「ポジティブ・イリュージョン」が生じなくなり、自分の能力や状況を客観的に把握できるようになります。これが「うつ病のリアリズム」です。いうまでもなく、この能力はこの先の見通しを立てたり、自分を客観的に評価したりすることに役立ちます。

話の中で、とても納得したのは『もし、うつ病が害しかないなら、進化の過程でうつ病リスクのある人は自然淘汰されたはずです。でも、そうなっていないということは、うつ病リスク、不安を感じやすい遺伝子を持っていることが 「生き延びるため何らかのいいこと」 があったためだと考えられます』という言葉です。

 認知心理学の「視覚」の講義でよく説明するのですが、ヒトは長い歴史の中で「必要のないもの」は切り捨てて進化してきました。例えば、今、ヒトの多くは3色型色覚(赤・緑・青)をもっていますが、ほ乳類の祖先は、4色型色覚(赤 青 緑 のほかに紫外線が見た)そうです。いまでも、鳥類やトカゲは4色型色覚で、真っ黒な九官鳥も見る鳥が見れば(?)、とってもきれいな羽の色らしいです。

それが、初期ほ乳類は夜行性であったため、一度2色になりました(今でも夜行性の哺乳類であるネコやイヌは2色です)。しかし、霊長類であるヒトはその後昼間も活動するようになったため、太陽光の下で果物の色や獲物の色を見分けることのできる3色になったそうです。 

 細胞の種類を変え、色の見え方さえ変化させてしまうのであれば、不安を感じやすいことが害しかないならきっとその性質もどこかで消えてしまったはず!そうならなかったのは、不安を感じやすいことによるメリットがあったから。これは「確かにそうだな~」と感じました。

そして、話はいよいようつ病アプリの正体に・・・。
人間は誰でもうつ病アプリを備えているそうです。
このうつ病アプリは「嫌なことに注意のスポットをあて続ける」という働きをします。

うつ病のリアリズムで語られていたように、不安には様々なことを深く考えたり、状況を正確に判断できたりするという利点はあります。しかし、嫌なことにがっちり注意のスポットが固定されてしまうと、心身のエネルギーを消耗しますし、ほかのことに注意が向かなくなるわけですから、「嫌なこと」の解決策が浮かばなくなったり、浮かんでもそれを実行するエネルギーがなくなったりします。もちろん、「嫌なこと」が常に頭に浮かんでいるので感情的にも苦しいわけです。

そして、問題なのは、うつ病になるとこのスポットライトの操作がうまくできなくなってしまうこと。
通常、注意のスポットライトは意識と感情がその操作を担っており、状況によって何を映すかを決めます。しかし、うつ病になると意識も感情も「嫌なこと」にだけガッツリとスポットライトを当ててしまい、それに関連することしか頭に浮かばなくなってしまいます。こうなってしまうと、その固定化されたスポットライトをもとの状態に戻すのが難しくなってしまいます。

このような状態で、うつ病アプリの特徴を探し、どうやってスポットライトの固定化を変えればいいかを相談者と一緒に考え、その方法を実行できるように伴走するのがカウンセラーの役割だそうです。

ほかにも興味深い話がたくさんあったのですが、残念ながら私の記憶力ではすべて覚えきることができず、ここで、前半60分の講演が終了。
そして話に聞き入ってしまい、メモを取るのを忘れてしまったために、肝心の「うつ病アプリ」以降については正しく覚えているか自信がありません・・・・すみません!「ああ、そういう風に理解した人もいるのね」程度に読んでおいてください・・・(;^_^A

休憩時間を挟んで、リアルQ&Aに続きます。 >> その3へ続く