「イライラしやすい」で精神科を受診される前に
精神科・心療内科には、「イライラしやすい」という主訴で受診される女性の方が少なくありません。
なかでも、育児中にお子さんへ感情をぶつけてしまいそうで怖い、といったご相談は、お子さんへの実害が出る前にご自身で問題意識を持って来院されているわけですから、本当に立派なことだと思います。
ただ、軽度のイライラであっても、ひとたび精神科や心療内科を受診すれば、基本的には何らかの薬が処方されるもの——そう理解したうえで足を運ばれるのが現実に即した受け止め方です。
身内や友人にも気を遣って打ち明けられずにいたことを診察室で話せて、それだけで少し楽になりました、とおっしゃる方もいます。私はそうしたとき、お話を伺うにとどめて薬は出さない、あるいは比較的依存性が少ないとされる漢方薬から試してみましょうか、とご提案することもあります。
とはいえこれは一般的な姿ではなく、精神科に行けば薬が出るもの、と考えておかれるほうが認識としては正確です。
薬は適正に使えば確かに支えになります。一方で、依存しやすいタイプの方がいらっしゃるのも事実です。
ご自身でブレーキをかけられる方(飲みすぎたりせず医師の指示範囲内でとどめる方)は、お薬を処方されても手放せなくなることはあまりありません。一時的な服用で止められることもあります。これに対し、はじめから薬を目的に来られる方、あるいは薬でメンタルはコントロールできると安易に考えておられ、効果が感じられる薬であれば多く使いたがる方は、依存しやすい傾向があります。
受診をためらう必要はありませんが、薬との距離感だけは、来院前に少しだけ意識していただけるとよいかもしれません。