精神科専門医 Dr. ヤンです。

当院では初診の患者さんにはこれまでの身体の病気だけでなく、精神科にかかったことがあるかどうかお伺いしています。(予約の時点でも確認しますが…) 

全く精神科が初めてという方もいれば、他の病院やクリニックに通っていたけれど、いろいろな理由で当院に来られる方も多くいらっしゃいます。



「どうして前の病院をやめたのですか?」



引っ越しや職場がかわり単に距離や時間的に通いにくくなり通院先をかわるのはわかりやすいですが

そうでなさそうな場合は私は率直に「前のところではどうして治療を続けなかったのですか?」とお聞きすることがあります。すると、よく耳にするのはこんなお話です。


  • 初診は割とすぐ診てもらえたのに再診からは予約時間通りに行っても1時間以上待たされることがしばしば
  • 初診では丁寧に診てもらえたけれど、2回目からは流れ作業のようだった
  • 行くたびに先生が違って落ち着かなかった



こうした不満が重なって、「ここでは続けられない」と感じ、転院を決意されるようです。もちろん当院でもすべてを完璧にできるわけではありませんが、「ここなら続けられる」と感じて通っておられるのであれば幸いです。

(じっくり患者さんの話を聞く時間をもうけることとお待たせしない事は限られた診療時間の中では両立しえないことなのでどのクリニックでも悩むところでしょう)



突然来なくなる、でもまた戻ってこられる



一方で、当院に通っていたのに急に来られなくなる方もいます。別の病院に移られる場合も一定数おられるかと思いますが、しばらく時間が経って不思議と「再初診」として戻って来られる方が多いのも特徴です。


例えば、治療が一段落して「また何かあったら来てくださいね」と一度終結された方が、しばらく経って体調を崩して再び来られるケース。これはわかりますが…..

予約に来られずに通院が途絶えた方が、忘れた頃にまるで何事もなかったかのようにしれっと(笑)、再初診として来院されることもあります。


もし自分なら無断キャンセルしたことが「気まずくて行けない」と思い他の新しい所を探すでしょうが…、患者さんには患者さんの事情があるのでしょう。(ここはダメだと見切りをつけて他に行かれてやっぱり戻って来られたのかも?と) そのときは気持ちを切り替えて、いつも通り診察するようにしています。



治療の続け方は自由に選んでいい



大切なのは、治療をどう続けていくかを患者さん自身が納得して決められることだと思っています。当院で治療を続けるのも一つの選択ですし、他の医療機関に移りたいと思われるのも自然なことです。(ただし、他院からの転院に対して全て対応しかねる場合があります。詳しくは当院の診療スタイルを参照して頂ければと思います。)




患者さん側としては言い出しにくい事とは思いますが、嫌な顔をすることはありませんし、むしろ不満を抱えながらなんとなく通い続けることの方が、お互いにとって良くないと感じます。

なるべくは担当医としっかり話し合いながら治療に関して決めていただけるのが一番だと思っています。

(どうしても言い出しにくい場合は次の予約をとる時に「まだスケジュールがわからないので後日わかったら電話で予約をとります」と次回予約をとるのを回避して来なくなるという手段もあります。😝)



通ってくださる方の背景や事情は本当にさまざまです。だからこそ、診察を通して出会う一人ひとりが、私にとっても日々の学びになっています。