子どもが可愛いと思えないときに親がとるべき行動とは何か
「自分の子どもなのに、可愛いと思えない」
そんな気持ちが浮かんだ瞬間、「私はひどい親なのではないか」
と自分を責めてしまう方は少なくありません。
しかし、子どもが可愛いと思えないときに最初に考えてほしいのは、
「愛情が足りないのでは?」
ということではありません。
「私は今、どれくらい疲れているのだろう?」
ということです。
特に発達障害や発達特性のある子どもの子育てでは、
一般的な育児とは少し違った負担が積み重なることがあります。
何度言っても同じことを繰り返す。
朝の支度だけで毎日喧嘩になる。
癇癪が激しい。
学校から頻繁に連絡が来る。
宿題を始めるまでに何時間もかかる。
この状態が毎日続けば、
親の心に余裕がなくなるのは不思議なことではありません。
だからこそ、「もっと子どもを可愛がらなければ」
と無理に感情を変えようとするより、
まず親自身の負担を減らすことが重要です。
家族に任せる時間をつくる、
放課後等デイサービスや児童発達支援などを利用する、
相談支援や発達センターに相談するなど、
「親が子どもと離れる時間」
を意識的につくることも一つの方法です。
距離を取ることは、
子育てを放棄することではありません。
親子関係を壊さないために必要な環境調整になることがあります。
そして、もう一つ考えてほしいのが、
「なぜ、この子の行動にこんなにイライラするのだろう」
ということです。
例えば、「何度言っても覚えない」という行動の背景には、
ワーキングメモリの弱さがあるかもしれません。
「早くしなさい」と毎日怒っている子どもには、
処理速度のゆっくりさが関係している場合もあります。
必要に応じてWISC-Ⅴ(ウィスク5)検査や発達検査を活用し、
子どもの認知特性を整理することで、
それまで「わざとやっている」と感じていた行動が、
「本人にも難しかったのかもしれない」
と見え直すことがあります。
もちろん、検査を受ければ
親子関係がすべて解決するわけではありません。
大切なのは、子どもの行動を性格や親のしつけだけで説明せず、
「この子は何に困っているのだろう」という視点を持つことです。
また、「子どもが可愛いと思えない」という気持ちを、
一人で抱え込まないでください。
信頼できる家族や友人、相談支援専門員、心理職、
医療機関などに、「今、子育てが本当につらい」
と伝えることも重要な行動です。
もし、怒りを抑えられず
「叩いてしまいそう」
「傷つけてしまいそう」
と感じるところまで追い詰められているなら、
その場を離れて安全を確保し、
すぐに周囲や専門機関へ助けを求める必要があります。
親だからといって、毎日子どもを
可愛いと思わなければならないわけではありません。
「子どもをもっと愛さなければ」と頑張る前に、
「親子が少し楽に暮らすためには何を変えればいいのか」
を考えてみてください。
親の負担が減り、子どものことを理解できるようになったとき、
失われたように感じていた「可愛い」という気持ちが、
少しずつ戻ってくることもあるのです。
発達障害ラボ
車 重徳
