WISC-Ⅴ検査の流動性推理指標(FRI)が低いと学校でどんな問題が起こるのか?

 

 

流動性推理指標(FRI: Fluid Reasoning Index)は、

WISC-V(Wechsler Intelligence Scale for Children - Fifth Edition)

における主要な指標の一つであり、

論理的推論能力や新しい問題解決能力を評価します。

 

 

 

 

具体的には、パターン認識、

規則性の発見、推測、類推、

抽象的な概念の理解

といった能力が含まれます。

 

 

 

 

流動性推理は、

新しい状況に適応するための

柔軟な思考力を表しており、

学習や日常生活のさまざまな場面で

重要な役割を果たします。

 

 

 

 



流動性推理指標(FRI)が低い子どもは、

学校生活において

さまざまな困難に直面する可能性があります。

 

 

 

 

以下に、その具体例と影響について詳しく説明します。

 

 

 

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①数学的推論や問題解決が難しい

 

 

流動性推理が低い子どもは、

数学の授業で問題解決能力に

困難を感じることが多いです。

 

 

 

 

特に、文章題や新しい概念を使った問題に対して、

適切にアプローチすることが

難しくなることがあります。

 

 

 

 

また、公式やルールを適用するだけでなく、

それらをどのように使えばよいかを

理解するのに苦労する場合があります。

 

 

 

 

 



具体例

 

数学の授業で、

「次の数列の規則性を見つけ、

その次の数を予測しなさい」

という問題が出たとき、

流動性推理指標(FRI)が低い子どもは、

数列の規則を発見するのが難しく、

次の数を推測することができないことがあります。

 

 

 

 

 

また、図形の面積を求める問題で、

複数の公式を組み合わせて

解く必要がある場合にも、

問題解決のプロセスが理解できず、

正しい答えを導き出すことが難しくなります。

 

 

 

 

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②抽象的な概念や論理的思考が苦手

 

 

流動性推理能力が低い子どもは、

抽象的な概念を理解するのが

難しいことがあります。

 

 

 

 

これは、理科や社会科の授業で

新しい理論や法則を学ぶ際に

特に顕著になります。

 

 

 

 

具体的な例に

結びつけて考えることが難しく、

概念を適用するのに苦労することが多いです。

 

 

 

 



具体例

 

理科の授業で

「光の屈折」について学ぶ際、

光が異なる媒質を通るときに

どのように屈折するかを

理解するのが難しいことがあります。

 

 

 

 

また、歴史の授業で、

ある出来事が複数の要因に基づいて

起こったという複雑な因果関係を

理解するのが困難になることがあります。

 

 

 

 

これにより、テストや

授業でのパフォーマンスに

影響が出る可能性があります。

 

 

 

 

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③新しい情報の適用や応用が難しい

 

 

流動性推理が低い子どもは、

新しい情報を既存の知識と結びつけ、

それを応用することが

苦手な場合があります。

 

 

 

 

これにより、授業で学んだ知識を

実際の問題解決に

応用することが難しくなることがあります。

 

 

 

 



具体例

 

例えば、科学の実験で学んだ原理を

日常生活の問題に応用する課題が出されたとき、

流動性推理指標(FRI)が低い子どもは、

学んだ内容をどのように適用すればよいのか分からず、

適切な解決策を見つけることが

できないことがあります。

 

 

 

 

例えば、「異なる材料の熱伝導性を比較し、

どの材料が最も効率的に

熱を伝えるかを考えなさい」

という課題で、

 

実験結果をうまく応用できない場合があります。

 

 

 

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④推論力やパターン認識が低い

 

 

流動性推理指標(FRI)が低い子どもは、

推論力やパターン認識が弱いため、

物事の関連性や規則性を見つけるのが

難しいことがあります。

 

 

 

 

これにより、教科書や授業で扱われる内容を理解し、

効率的に学習を進めることが難しくなります。

 

 

 

 



具体例

 

文章題で、複数の情報が与えられ、

それらの情報から結論を導き出す必要がある場合、

情報の関連性を見つけるのが難しく、

答えを出すのに多くの時間がかかることがあります。

 

 

 

 

また、物語を読んで、

その中に隠されたテーマやメッセージを

理解することが難しいこともあります。

 

 

 

 

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⑤複数の要素を統合して考えるのが苦手

 

 

流動性推理が低い子どもは、

複数の要素を一度に考慮して、

それらを統合して結論を導き出すことが

難しい場合があります。

 

 

 

 

これにより、複雑な問題に取り組む際に

全体像を把握するのが難しくなります。

 

 

 

 



具体例

 

プロジェクトベースの学習で、

複数のデータを集め、

それを統合して結論を出すという課題が与えられたとき、

流動性推理指標(FRI)が低い子どもは、

データをまとめる過程で混乱し、

どの情報が重要かを見極めるのが

難しくなることがあります。

 

 

 

 

結果として、全体の結論が不十分であったり、

論理的な一貫性が欠けたものになることがあります。

 

 

 

 

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⑥学習のモチベーションの低下

 

 

流動性推理が低いことが原因で、

複雑な問題や課題に対する

不安感や苦手意識が強くなることがあります。

 

 

 

 

これにより、学習に対するモチベーションが低下し、

授業への参加意欲が減退することが考えられます。

 

 

 

 

 



具体例

 

流動性推理指標(FRI)が低いために

何度も問題解決に失敗した経験を持つ子どもは、

「自分にはできない」という感覚を抱き、

授業や課題に対する意欲を失うことがあります。

 

 

 

 

これが学業全般に悪影響を及ぼし、

成績の低下や学校生活での自己効力感の低下に

つながることがあります。

 

 

 

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WISC-Ⅴ検査の流動性推理指標(FRI)が低いと学校でどんな問題が起こるのかについての結論

 

 

WISC-V(ウィスク5)検査で

流動性推理指標(FRI)が低い子どもは、

学校生活においてさまざまな問題に

直面する可能性があります。

 

 

 

 

これには、数学的推論や問題解決の難しさ、

抽象的な概念や論理的思考の困難、

新しい情報の適用や応用の困難、

推論力やパターン認識の低さ、

複数の要素を統合して考えるのが苦手なこと、

そして学習のモチベーションの低下が含まれます。

 

 

 

 

これらの困難に対しては、

個別の支援や学習方法の工夫が必要です。

 

 

 

 

教師や親は、

子どもの理解や思考のペースに合わせた指導を行い、

成功体験を増やすことで、

学習意欲を高める支援を提供することが重要です。

 

 

 

 

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