レーヴン色彩マトリックス検査(Raven's Coloured Progressive Matrices, CPM)とは…

 

 

 

 

 

 

 


レーヴン色彩マトリックス検査(CPM)は、

視覚的推論能力と抽象的な思考能力を

評価するために設計された

非言語的な知能検査です。

 

 

 

 

1938年にジョン・C・レーヴン

(John C. Raven)によって開発され、

その後も改良が続けられています。

 

 

 

 

特に子どもや言語的な障害を持つ個人、

文化的なバイアスを排除した評価が

必要な場合に広く使用されています。

 

 

 

 

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レーヴン色彩マトリックス検査(CPM)の目的と構成

 

 

 

レーヴン色彩マトリックス検査(CPM)の目的

 

レーヴン色彩マトリックス検査(CPM)の主な目的は、

視覚的なパターン認識と

論理的な推論能力を評価することです。

 

 

 

 

この検査は、知能を

言語に依存せずに評価できるため、

言語的な能力が低い子どもや、

異なる文化背景を持つ子どもたちの

知能を公平に測定することができます。

 

 

 

 

 



レーヴン色彩マトリックス検査(CPM)の構成

 

レーヴン色彩マトリックス検査(CPM)は、

以下のように構成されています。

 

 

 

 

 



セットA

 

簡単な問題から始まり、

次第に難易度が上がる。

 

 

 

 

 


セットAB

 

セットAよりも

少し難しい問題で構成される。

 

 

 

 

 


セットB

 

最も難易度の高い問題で構成され、

抽象的な推論能力を高度に測定する。

 

 

 

 


各セットには、

全体として36枚の

マトリックス問題が含まれています。

 

 

 

 

被験者は、与えられたパターンの中で

欠けている部分を見つけ、

複数の選択肢から

正しい図形を選ぶ形式です。

 

 

 

 

 

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レーヴン色彩マトリックス検査(CPM)で子どもの何が分かるのか

 

 

 

①視覚的パターン認識能力

 

レーヴン色彩マトリックス検査(CPM)は、

視覚的なパターンを認識し、

それに基づいて推論を行う能力を測定します。

 

 

 

 

これにより、子どもが視覚的な情報を

どれだけ効果的に処理できるかが分かります。

 

 

 

 

 



具体例

 

5歳のA君は、

レーヴン色彩マトリックス検査(CPM)の

セットAをスムーズに解くことができました。

 

 

 

 

これは、A君が視覚的なパターンを

迅速に認識し、

適切な選択肢を選ぶ能力が

高いことを示しています。

 

 

 

 

 

 



②抽象的推論能力

 

レーヴン色彩マトリックス検査(CPM)は、

言語的な説明を必要とせずに、

抽象的な概念を理解し、

論理的に推論する能力を評価します。

 

 

 

 

この能力は、数学的な問題解決や

科学的な思考に関連しています。

 

 

 

 

 



具体例

 

8歳のBさんは、

セットBの問題を

正確に解答しました。

 

 

 

 

これは、Bさんが抽象的な概念を理解し、

複雑な問題を論理的に解決する能力が

高いことを示しています。

 

 

 

 

 



③学習障害の評価

 

レーヴン色彩マトリックス検査(CPM)は、

特定の学習障害を持つ子どもの

知能評価にも適しています。

 

 

 

 

例えば、ディスレクシアや

言語障害を持つ子どもでも、

視覚的推論能力を評価することができます。

 

 

 

 

 



具体例

 

ディスレクシアを持つC君は、

言語に基づいた知能検査では

低いスコアを示していましたが、

 

レーヴン色彩マトリックス検査(CPM)では

高いスコアを得ました。

 

 

 

 

これは、C君の視覚的推論能力が高いことを示し、

言語的な障害が

知能全体の評価を妨げていることが分かりました。

 

 

 

 

 



④文化的バイアスの排除

 

レーヴン色彩マトリックス検査(CPM)は、

言語や文化に依存しないため、

異なる文化背景を持つ子どもの知能を

公平に評価できます。

 

 

 

 

 



具体例

 

異なる文化圏から来たD君は、

言語の壁があるため

通常の知能検査では

低いスコアを示しましたが、

 

レーヴン色彩マトリックス検査(CPM)では

平均以上のスコアを得ました。

 

 

 

 

これは、D君が視覚的推論能力に

優れていることを示しています。

 

 

 

 

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レーヴン色彩マトリックス検査(CPM)の利用シーンと実際の活用例

 

 

 

学校教育

 

レーヴン色彩マトリックス検査(CPM)は、

学校教育の現場で、

子どもの視覚的推論能力や

問題解決能力を評価するために使用されます。

 

 

 

 

特に、特別支援教育が必要な子どもや、

異なる文化的背景を持つ

子どもに対する公平な評価が

求められる場面で有効です。

 

 

 

 

 



具体例

 

ある学校では、特別支援が

必要な子どもたちを対象に

レーヴン色彩マトリックス検査(CPM)

を実施しました。

 

 

 

 

これにより、視覚的推論能力に基づいて

個別の教育プランを立てることができ、

子どもたちの学習効果が向上しました。

 

 

 

 

 



クリニックや心理カウンセリング

 

心理カウンセリングやクリニックの現場でも、

レーヴン色彩マトリックス検査(CPM)は

重要な評価ツールとして使用されます。

 

 

 

 

 

特に、学習障害や

発達障害の診断の一環として利用されます。

 

 

 

 



具体例

 

心理カウンセラーは、

ディスレクシアを疑われるE君に

レーヴン色彩マトリックス検査(CPM)

を実施しました。

 

 

 

 

結果、E君の視覚的推論能力が高いことが分かり、

言語に依存しない学習方法を提案しました。

 

 

 

 

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レーヴン色彩マトリックス検査(CPM)のまとめ

 

 

レーヴン色彩マトリックス検査(CPM)は、

視覚的パターン認識能力と

抽象的推論能力を

非言語的に評価するための優れたツールです。

 

 

 

 

この検査は、言語に依存しないため、

文化的なバイアスを排除し、

公平な評価が可能です。

 

 

 

 

特に、学習障害や発達障害を持つ子ども、

異なる文化的背景を持つ子どもの

知能を評価する際に有効です。

 

 

 

 

レーヴン色彩マトリックス検査(CPM)

を通じて得られる情報は、

教育者や保護者が

子どもの強みと弱みを理解し、

適切な支援や教育計画を立てる上で非常に有益です。

 

 

 

 

 

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