学習障害(LD)の一種である読字障害(ディスレクシア)とは何なのか?

 

 

 

 

 


ディスレクシア(Dyslexia)は、

学習障害(LD)の一種で、

特に読み書きの困難さを

特徴とする神経発達障害です。

 

 

 

 

ディスレクシアは、

知能や教育環境に関わらず現れ、

文字の認識や言葉の処理において

持続的な困難を引き起こします。

 

 

 

 

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読字障害(ディスレクシア)の特徴

 

 

 

①読みの困難

 

ディスレクシアの主な症状は、

文字や単語の読み取りにおける困難さです。

 

 

 

 

これには以下のような具体的な問題が含まれます。

 

 

 

 

 



文字の形の認識の困難

 

文字を識別することが難しく、

特に似た形の文字(例えば「あ」と「お」)を

混同することがあります。

 

 

 

 

 


単語の読みの遅さ

 

音読の速度が遅く、

正確性にも欠けることがあります。

 

 

 

 

 


文章の理解の困難

 

読んだ文章の意味を理解するのが難しく、

文脈から内容を把握することが困難です。

 

 

 

 

 


具体例

 

小学生のA君は、

他のクラスメートが読むスピードで

文章を読むことができず、

文字を見ても

それが何の音を表しているかを

すぐに思い出せません。

 

 

 

 

そのため、読書や宿題の時間が長くかかり、

学習意欲を失うことが多いです。

 

 

 

 

 



②書きの困難

 

ディスレクシアは

書字にも影響を与えます。

 

 

 

 

書くことに関する

具体的な問題は以下の通りです。

 

 

 

 

 



スペルミスが多い

 

単語のスペルを正しく覚えられず、

書く際に頻繁にスペルミスをします。

 

 

 

 

 


文字の順序の混同

 

文字を逆順に書いたり、

順序を入れ替えて書いたりすることがあります。

 

 

 

 

 


文章構成の困難

 

文章を構成するのが難しく、

文法や句読点の使用に

不自然さが見られることがあります。

 

 

 

 

 


具体例

 

中学生のBさんは、

作文を書くときに

単語のスペルを間違えやすく、

文字の順序を逆にして

書いてしまうことがあります。

 

 

 

 

彼女は文章を書くことに対して

強い苦手意識を持ち、

書く作業を避けるようになっています。

 

 

 

 

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読字障害(ディスレクシア)の診断基準

 

 

読字障害(ディスレクシア)の診断は、

DSM-5(アメリカ精神医学会の診断マニュアル)

に基づいて行われます。

 

 

 

 

診断には以下の基準が含まれます。

 

 

 

 

 



読み書きにおける持続的な困難

 

年齢や教育レベルに対して

著しく不適切な読字・書字能力が見られます。

 

 

 

 

 


標準化テストによる評価

 

知能検査や学習能力検査を通じて、

一般的な知能に対して

読み書き能力が著しく劣ることを確認します。
 

 

 

 

 

 

学業や日常生活への影響

 

ディスレクシアが学業成績や日常生活に

重大な影響を及ぼしていることが認められます。

 

 

 

 

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読字障害(ディスレクシア)の原因

 

 

読字障害(ディスレクシア)の原因は

完全には解明されていませんが、

以下のような要因が関与していると考えられています。

 

 

 

 

 



読字障害(ディスレクシア)の遺伝的要因

 

読字障害(ディスレクシア)は遺伝的な要因が強く、

家族内での発症率が

高いことが確認されています。

 

 

 

 

複数の遺伝子が

読字障害(ディスレクシア)のリスクに

関与しているとされています。

 

 

 

 

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読字障害(ディスレクシア)の脳の機能的要因

 

 

脳の特定の領域、

特に言語処理に関与する部分の機能に

違いがあることが示唆されています。

 

 

 

 

脳の画像研究では、

読字障害(ディスレクシア)のある人々の脳活動が

健常者と異なることが明らかになっています。

 

 

 

 

 



読字障害(ディスレクシア)の支援と介入

 

読字障害(ディスレクシア)の支援と介入は、

早期に始めることが効果的です。

 

 

 

 

以下のような方法があります。

 

 

 

 



特別支援教育

 

読字障害(ディスレクシア)の子どもには、

個別の教育計画(IEP)を作成し、

特別な支援を提供することが重要です。

 

 

 

 

 



具体例

 

A君には、音声認識ソフトを使った

リーディング支援や、

視覚的な補助を取り入れた

学習方法が提供されています。

 

 

 

 

これにより、A君は少しずつ

読書のスキルを向上させています。

 

 

 

 

 


補助技術の利用

 

補助技術(アシスティブテクノロジー)は、

読字障害(ディスレクシア)のある人々にとって

非常に有効です。

 

 

 

 

音声認識ソフトや

スクリーンリーダーなどが含まれます。

 

 

 

 

 



具体例

 

Bさんは、音声認識ソフトを使って

作文を行っています。

 

 

 

 

これにより、スペルミスや

文字の順序の混同が減少し、

自信を持って書くことができるようになりました。

 

 

 

 

 


行動療法とカウンセリング

 

ディスレクシアに伴う心理的な問題

(自尊心の低下、不安、抑うつなど)に対して、

行動療法やカウンセリングを行うことも重要です。

 

 

 

 

 



具体例

 

C君は、学校のカウンセラーと

定期的にセッションを行い、

学習に対する不安やストレスを

軽減するためのサポートを受けています。

 

 

 

 

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読字障害(ディスレクシア)についてのまとめ

 

 

読字障害(ディスレクシア)は、

読み書きに関する

持続的な困難を特徴とする

学習障害(LD)の一種です。

 

 

 

 

早期の診断と適切な支援が重要であり、

特別支援教育、補助技術、

行動療法などを組み合わせることで、

読字障害(ディスレクシア)のある人々が

その能力を最大限に発揮できるよう

サポートすることが求められます。

 

 

 

 

これにより、彼らが学業や日常生活において

成功を収める可能性が高まります。

 

 

 

 

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