神経発達障害の一種である自閉症スペクトラムとはどういったものなのか?

 

 

 

 

 


自閉症スペクトラム

(Autism Spectrum Disorder, ASD)は、

神経発達障害の一種で、

社会的なコミュニケーションと

行動における広範な障害を特徴とします。

 

 

 

 

ASDは「スペクトラム」として表されるように、

症状の現れ方や重症度には大きな個人差があります。

 

 

 

 

 

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自閉症スペクトラム(ASD)の特徴

 

 

 

①社会的コミュニケーションの障害

 

自閉症スペクトラム(ASD)の人々は、

他者との社会的な相互作用において

困難を抱えることが多いです。

 

 

 

 

具体的には以下のような症状が見られます。

 

 

 

 

 



非言語的コミュニケーションの困難

 

目を合わせる、

表情を読む、

ジェスチャーを理解することが難しい。

 

 

 

 

 


対人関係の構築の困難

 

友人関係を築くのが難しく、

共同で遊ぶことや、

共感を示すことが難しい。

 

 

 

 

 


会話の困難

 

一方的な話し方をしたり、

相手の話を理解するのが難しい。

 

 

 

 

 


具体例

 

例えば、小学校に通うA君は、

授業中に先生の目を見て

話を聞くのが難しく、

友達と一緒に遊ぶ時に

どのように参加すれば良いかわからず、

孤立してしまうことが多いです。

 

 

 

 



②行動の特徴

 

自閉症スペクトラム(ASD)の人々は、

繰り返しの行動や興味の狭さ、

ルーチンへの強いこだわりを示します。

 

 

 

 

 



繰り返しの行動

 

手を振る、身体を揺らす、

物を並べるといった同じ行動を繰り返す。

 

 

 

 

 


興味の狭さ

 

特定の物事に対する強い興味を示し、

その話題に固執する。

 

 

 

 

 


ルーチンへのこだわり

 

毎日のスケジュールや

物の配置に対して

強いこだわりを持ち、

変更に対して強い抵抗感を示す。

 

 

 

 

 


具体例

 

Bさんは、特定の電車の路線や

時刻表に非常に強い興味を持っており、

その話題について話し続けます。

 

 

 

 

また、毎朝のルーチンが

少しでも変わると、

不安やパニック状態に陥ることがあります。

 

 

 

 

 

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自閉症スペクトラム(ASD)の診断基準

 

 

自閉症スペクトラム(ASD)の診断は、

DSM-5(アメリカ精神医学会の診断マニュアル)

に基づいて行われます。

 

 

 

DSM-5では、以下のような基準が設定されています。

 

 

 

 

 



社会的コミュニケーションと相互作用の持続的な障害

 

・社会的・感情的相互性の欠如
 

・非言語的コミュニケーション行動の欠陥
 

・対人関係の発展、維持、理解の困難
 

・限定された、反復する行動、興味、活動

・常同的または反復的な運動、物の使用、または話し方
 

・同一性への固執、ルーチンへの固執、儀式的な行動パターン
 

・高度に限定された、固執的な興味
 

・感覚入力に対する過敏または鈍感
 

 

 

 

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自閉症スペクトラム(ASD)の原因とは…

 

 

自閉症スペクトラム(ASD)の

正確な原因はまだ完全には解明されていませんが、

遺伝的要因と環境的要因が

複雑に絡み合っていると考えられています。

 

 

 

 

 



自閉症スペクトラム(ASD)の遺伝的要因

 

複数の遺伝子が自閉症スペクトラム(ASD)の

リスクに関与しているとされています。

 

 

 

 

家族内での発症率が高いことからも、

遺伝的な影響が大きいと考えられています。

 

 

 

 

 



自閉症スペクトラム(ASD)の環境的要因

 

環境的要因としては、

妊娠中の感染症や薬物の使用、

出産時の合併症などが挙げられます。

 

 

 

 

ただし、これらの要因が

直接的に自閉症スペクトラム(ASD)を

引き起こすわけではなく、

複数の要因が組み合わさることで

リスクが高まるとされています。

 

 

 

 

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自閉症スペクトラム(ASD)への支援と介入

 

 

自閉症スペクトラム(ASD)の

人々に対する支援と介入は、

多くの場合、

早期に始めることが効果的です。

 

 

 

 

 

以下のような方法があります。

 

 

 

 



行動療法

 

ABA(応用行動分析)などの行動療法は、

自閉症スペクトラム(ASD)の

子どもたちに対して有効とされています。

 

 

 

 

これにより、望ましい行動を強化し、

問題行動を減少させることができます。

 

 

 

 

 



言語療法

 

言語療法は、コミュニケーション能力を

向上させるために行われます。

 

 

 

 

言語療法士が、個別のニーズに応じた

プログラムを提供します。

 

 

 

 

 



ソーシャルスキルトレーニング

 

社会的なスキルを向上させるための

トレーニングも有効です。

 

 

 

 

これにより、対人関係の構築や

社会的な相互作用を学ぶことができます。

 

 

 

 

 



具体例

 

例えば、C君は自閉症スペクトラム(ASD)の

診断を受けてから、

応用行動分析(ABA)による行動療法と

言語療法を受けています。

 

 

 

 

これにより、以前はほとんど話さなかったC君が、

少しずつ他人とコミュニケーションを取れるようになり、

学校生活でも友達と一緒に遊ぶことが増えてきました。

 

 

 

 

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神経発達障害の一種である自閉症スペクトラムについてのまとめ

 

 

自閉症スペクトラム(ASD)は、

社会的なコミュニケーションと

行動における広範な障害を

特徴とする神経発達障害です。

 

 

 

 

自閉症スペクトラム(ASD)の症状は

非常に多様であり、

個々のニーズに応じた支援と

介入が重要です。

 

 

 

 

早期の診断と適切な支援を通じて、

自閉症スペクトラム(ASD)の人々が

最大限の潜在能力を発揮し、

社会で活躍するためのサポートが必要です。

 

 

 

 

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