HTPテスト(家と樹木と人物描画検査)とは…

 

 

 

 

 


HTPテスト(House-Tree-Person Test)は、

ジョン・バック(John Buck)によって

考案された投影法の心理検査です。

 

 

 

 

被験者に「家」、「樹木」、「人物」を描かせ、

その絵を基に被験者の人格、

感情状態、内面的な特性を

評価することを目的としています。

 

 

 

 

HTP(家と樹木と人物描画検査)テストは、

臨床心理学や教育心理学、

カウンセリングの現場で

広く使用されています。

 

 

 

 

WISC-Ⅴ検査をすぐに受けたい方はコチラをクリック

 

 



HTP(家と樹木と人物描画検査)テストの概要と実施方法

 

 

 

①検査の形式

 

HTP(家と樹木と人物描画検査)テストは、

被験者に3つの絵を描かせることで構成されます。

 

 

 

 



・家(House)


・樹木(Tree)


・人物(Person)

 

 

 

 


被験者には、白紙と鉛筆を渡し、

「家」、「樹木」、「人物」を

それぞれ1枚の紙に描かせます。

 

 

 

 

 

 

指示は非常にシンプルで、

被験者に特定の方法や詳細を求めず、

自由に描かせます。

 

 

 

 

 



②HTPテスト(家と樹木と人物描画検査)実施の流れ

 

 

家の描画

 

被験者に「家を描いてください」と指示します。

 

 

 

 

家の外観だけを描かせることが一般的です。

 

 

 

 

 


樹木の描画

 

次に、「樹木を描いてください」と指示します。

 

 

 

 

具体的な種類や形についての指示はありません。

 

 

 

 

 


人物の描画

 

最後に、「人物を描いてください」と指示します。

 

 

 

 

性別や年齢に関する指示もなく、

被験者の自由に任せます。

 

 

 

 

WISC-Ⅴ検査の低い指標の伸ばし方を知りたい方はコチラをクリック

 

 

 


HTP(家と樹木と人物描画検査)テストの分析ポイント

 

 

HTP(家と樹木と人物描画検査)テストでは、

各絵のさまざまな要素を分析して

被験者の心理状態や

性格特性を評価します。

 

 

 

 

以下に、具体的な分析ポイントを示します。

 

 

 

 

 



①家の描画

 

 

家の大きさと場所

 

家が紙の中央に

大きく描かれている場合、

自信や安定感を示します。

 

 

 

 

一方、紙の端に

小さく描かれている場合、

不安や孤立感を示すことがあります。

 

 

 

 

 


窓と扉

 

窓が大きく開いている場合、

開放性や社交性を示し、

窓が小さく閉じている場合、

閉鎖性や内向性を示すことがあります。

 

 

 

 

 


屋根と煙突

 

屋根が大きく、

煙突から煙が出ている場合、

家庭的な温かさや安全感を示します。

 

 

 

 

一方、屋根が欠けていたり、

煙突が描かれていない場合、

不安定な家庭環境や

感情的な不安を示すことがあります。

 

 

 

 

 


②樹木の描画

 

 

樹木の大きさと位置

 

大きくて紙の中央に描かれている樹木は、

自己主張や安定感を示し、

小さく端に描かれている場合は、

自信の欠如や孤独感を示します。

 

 

 

 

 


幹と枝

 

太くてまっすぐな幹は、

強い自我や安定性を示し、

曲がったり細い幹は、

不安や柔軟性を示すことがあります。

 

 

 

 

枝が多く広がっている場合は、

社交性や活動性を示し、

枝が少ない場合は、

内向性や閉鎖性を示すことがあります。

 

 

 

 

 


葉や果実

 

葉が多く描かれている場合は、

活力や充実感を示し、

果実が描かれている場合は、

達成感や成果を示します。

 

 

 

 

 


③人物の描画

 

 

人物の大きさと位置

 

大きく紙の中央に描かれている人物は、

自己肯定感や自信を示し、

小さく端に描かれている場合は、

自己評価の低さや孤立感を示します。

 

 

 

 

 


体の各部分

 

頭が大きく描かれている場合、

知的な活動や思考への関心が強いことを示し、

手が大きく描かれている場合は、

行動力や影響力を示すことがあります。

 

 

 

 

逆に、手足が小さい場合や欠けている場合は、

無力感や不安を示すことがあります。

 

 

 

 

 


表情と姿勢

 

笑顔で前向きな姿勢の人物は、

前向きな態度や社会的な安定感を示し、

逆にうつむいたり不安そうな表情の人物は、

感情的な不安や社会的な不安を示します。

 

 

 

 

WISC-Ⅴ検査のとり方を学びたい方はコチラをクリック

 

 

 


HTP(家と樹木と人物描画検査)テストの適用例

 

 

 

①臨床心理学

 

 

自己概念の評価

 

被験者がどのように自分自身を

見ているかを評価するために使用されます。

 

 

 

 

例えば、大きく安定した家や樹木を描く場合、

自己評価が高く安定していることを示します。

 

 

 

 

 


感情の評価

 

被験者の感情的な状態や

ストレスレベルを評価するために使用されます。

 

 

 

 

例えば、不安定な家や

曲がった幹を持つ樹木を描く場合、

感情的な不安定さを示します。

 

 

 

 

 


②教育心理学

 

 

学習態度の評価

 

学生の学習に対する態度や

学習環境に対する感情を

評価するために使用されます。

 

 

 

 

例えば、学校や教室を

思わせる家を描く場合、

学習環境が重要であることを示します。

 

 

 

 

 


対人関係の評価

 

学生が友人や教師との関係を

どのように感じているかを

評価するために使用されます。

 

 

 

 

例えば、多くの窓が開いている家や

多くの枝が広がっている樹木を描く場合、

対人関係が豊かであることを示します。

 

 

 

 

 


③カウンセリング

 

 

ストレス要因の特定

 

クライアントのストレス要因を

特定するために使用されます。

 

 

 

 

例えば、倒れそうな樹木や

壊れた家を描く場合、

生活の中での不安定さやストレスを示します。

 

 

 

 

 


自己表現の支援

 

クライアントが自身の感情や思考を

表現するのを助けるために使用されます。

 

 

 

 

例えば、詳細に描かれた家や樹木は、

クライアントが詳細に

物事を考える傾向があることを示します。

 

 

 

 

WISC-Ⅴ検査について、基礎から学びたい方はコチラをクリック

 

 

 


HTPテスト(家と樹木と人物描画検査)についてのまとめ

 

 

HTPテスト(House-Tree-Person Test)は、

家、樹木、人物を描かせることで、

被験者の内面的な特性や

感情状態を評価する

投影法の心理検査です。

 

 

 

 

この検査を通じて、

被験者の自己概念、感情、

対人関係、ストレス要因など、

さまざまな心理的側面を

理解することができます。

 

 

 

 

簡便で自由度が高い一方で、

主観的解釈や文化的バイアスなどの

限界もあります。

 

 

 

 

これらの利点と限界を理解し、

適切に活用することが重要です。

 

 

 

 

HTPテスト(家と樹木と人物描画検査)は、

臨床心理学、教育心理学、

カウンセリングの現場で広く利用され、

被験者の深層心理を理解するための

有力な手段となっています。

 

 

 

 

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

発達障害ラボ

車 重徳

発達障害ラボのHPはコチラをクリック