文章完成法(SCT)とは…

 

 

 

 

 


文章完成法

(Sentence Completion Test, SCT)は、

投影法に基づく

心理検査の一種です。

 

 

 

 

被験者に未完成の文章を提示し、

それを自由に補完させることで、

被験者の内面的な思考、

感情、態度、価値観などを

探ることを目的としています。

 

 

 

 

この検査は、臨床心理学、

教育心理学、カウンセリングなどの分野で

広く利用されています。

 

 

 

 

 

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文章完成法(SCT)の概要

 

 

 

①検査の形式

 

文章完成法(SCT)は通常、

以下のような未完成の文章から構成されます。

 

 

 

 

「私は時々____。」
 

「他の人が私に____と言うと、私は____。」
 

「私の一番の夢は____。」
 

 

 

 

 

被験者は、これらの文章の

空白部分を自由に

埋めることが求められます。

 

 

 

 

文章の内容は、

被験者の内面的な世界を

反映するものとされています。

 

 

 

 

 



②検査の目的

 

文章完成法(SCT)は、

被験者の以下のような

心理的側面を評価するために使用されます。

 

 

 

 

 



自己概念と自己評価

 

被験者が自分自身を

どのように見ているか。

 

 

 

 

 


対人関係

 

他者との関係や対人態度。

 

 

 

 

 


感情と情緒

 

被験者がどのような感情を抱きやすいか。

 

 

 

 

 


価値観と信念

 

被験者の人生観や価値観。

 

 

 

 

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文章完成法(SCT)の具体的な実施方法

 

 

 

①文章完成法(SCT)の準備

 

 

質問項目の準備

 

検査者は、評価したい

特定の心理的側面に応じた

未完成の文章を準備します。

 

 

 

 

通常、20〜40の項目が用意されます。

 

 

 

 

 


文章完成法(SCT)の環境設定

 

静かでリラックスできる環境を整え、

被験者が自由に考えられるようにします。

 

 

 

 

 


②文章完成法(SCT)の実施

 

 

説明

 

検査者は、被験者に

検査の目的と方法を

簡単に説明します。

 

 

 

 

被験者には、できるだけ直感的に

空白を埋めるように促します。

 

 

 

 

 


回答の記録

 

被験者が文章を完成させたら、

その内容を正確に記録します。

 

 

 

 

被験者が自分の言葉で

自由に表現できることが重要です。

 

 

 

 

 


③文章完成法(SCT)の分析

 

 

定性的分析

 

被験者の回答を読み取り、

繰り返し現れるテーマや

パターンを特定します。

 

 

 

 

例えば、「私は時々____」という文章に

「失敗するのが怖い」と答える被験者がいた場合、

失敗への恐れが強いことが示唆されます。

 

 

 

 

 


定量的分析

 

場合によっては、

回答を特定のカテゴリに分類し、

頻度やパターンを

統計的に分析することもあります。

 

 

 

 

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文章完成法(SCT)の適用例

 

 

 

①臨床心理学

 

 

自己概念の評価

 

被験者が自分自身を

どのように見ているかを

評価するために使用されます。

 

 

 

 

例えば、「私は____と感じる」

という項目に対する回答から、

自己評価や自尊感情を推測します。

 

 

 

 

 


対人関係の問題の特定

 

被験者の対人関係における

問題を特定するために、

「他人は私に____と感じさせる」

という項目を使用します。

 

 

 

 

この回答から、被験者が他者に対して

どのような感情を抱いているかを評価します。

 

 

 

 

 


②教育心理学

 

 

学習態度の評価

 

学生が学習に対して

どのような態度を持っているかを

評価するために使用されます。

 

 

 

 

例えば、「学校で最も楽しいのは____」

という項目に対する回答から、

学習動機や学習に対する態度を推測します。

 

 

 

 

 


将来の目標の評価

 

学生の将来の目標や

職業観を評価するために、

「私の将来の夢は____」

という項目を使用します。

 

 

 

 

この回答から、学生のキャリア意識や

自己実現の方向性を理解します。

 

 

 

 

 


③カウンセリング

 

 

ストレス要因の特定

 

クライアントのストレス要因を特定するために、

「私が最もストレスを感じるのは____」

という項目を使用します。

 

 

 

 

この回答から、日常生活や

学校でのストレス源を特定します。

 

 

 

 

 


感情の表現

 

クライアントが自身の感情を

どのように表現しているかを評価するために、

「私は____と感じることが多い」

という項目を使用します。

 

 

 

 

この回答から、感情の抑圧や

表現方法に関する洞察を得ます。

 

 

 

 

 

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文章完成法の利点と限界

 

 

 

文章完成法(SCT)の利点

 

 

自由な表現

 

被験者が自由に

自分の言葉で表現できるため、

内面的な思考や感情を率直に反映します。

 

 

 

 

 


幅広い適用範囲

 

年齢や文化背景に関係なく適用可能であり、

さまざまな心理的側面を評価できます。

 

 

 

 

 


迅速な実施

 

比較的短時間で実施でき、

多くの情報を効率的に収集できます。

 

 

 

 

 


文章完成法(SCT)の限界

 

 

主観的解釈

 

回答の解釈が

検査者の主観に依存するため、

一貫性を保つのが難しいことがあります。

 

 

 

 

 


回答の曖昧さ

 

被験者が曖昧な回答をする場合、

それを正確に評価するのが難しいことがあります。

 

 

 

 

 


文化的バイアス

 

文化的背景や言語の違いが

回答に影響する可能性があるため、

注意が必要です。

 

 

 

 

 

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文章完成法(SCT)についてのまとめ

 

 

文章完成法(SCT)は、

未完成の文章を

被験者に補完させることで、

内面的な思考や感情、

態度を探るための心理検査です。

 

 

 

 

この検査は、臨床心理学、

教育心理学、カウンセリングなどの分野で

広く利用され、自己概念、

対人関係、感情、価値観などを

評価するために使用されます。

 

 

 

 

文章完成法(SCT)の利点には、

自由な表現と幅広い適用範囲、

迅速な実施が含まれますが、

 

主観的解釈や回答の曖昧さ、

文化的バイアスなどの限界もあります。

 

 

 

 

これらの利点と限界を理解した上で、

文章完成法(SCT)を効

果的に活用することが重要です。

 

 

 

 

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