時間の管理が苦手な子どもへの具体的なアプローチとは…
時間の管理ができず、
出発の時間に間に合わない、
やるべきことに取り掛かれない
子どもに対するアプローチは、
多岐にわたります。
これらのアプローチは、
子どもの特性やニーズに合わせて
調整する必要があります。
以下に、具体的な考え方とアプローチを説明します。
①理解と共感
アプローチ
まず、子どもが
時間の管理に苦労している原因を
理解することが重要です。
発達障害や
ADHD(注意欠陥・多動性障害)の特性として、
時間感覚の欠如や
注意の持続が
困難であることが多いです。
具体例
「用意が間に合わなくて
焦っているのかな。
何か手伝えることはある?」
と声をかけ、
子どもの気持ちを理解しようと努めます。
「やり始めるのが難しいんだね。
一緒に何から始めるか考えてみよう」
と共感的にアプローチします。
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②視覚的なタイマーとスケジュール
アプローチ
子どもに視覚的なタイマーや
スケジュールを提供することで、
時間の経過を具体的に
理解させることができます。
具体例
視覚的タイマー
子どもが視覚的に
時間の経過を確認できるタイマー
(砂時計や色が変わるタイマーなど)
を使用します。
例えば、「準備に10分かかるから、
このタイマーが赤から青に変わるまでに
終わらせよう」と説明します。
スケジュール表
一日の予定を
視覚的に示した
スケジュール表を作成し、
チェックリスト形式で
タスクを管理します。
例えば、「8:00-8:30:朝食、
8:30-8:45:着替え、
8:45-9:00:出発準備」
といった具体的な時間割を設けます。
③タスクの分割と具体化
アプローチ
大きなタスクを小さなステップに分割し、
それぞれのステップを具体的に示します。
これにより、子どもが何をすべきかを
明確に理解しやすくなります。
具体例
準備のステップ化
「1. 洋服を選ぶ、
2. 洋服を着る、
3. 靴を履く、
4. バッグを持つ」
といった具合に、
具体的なステップに分けて教えます。
やるべきことリスト
一日のタスクをリストにして、
完了したらチェックを入れられるようにします。
例えば、「1. 宿題をする、
2. 部屋を片付ける、
3. 明日の準備をする」
とリスト化し、
1つずつチェックします。
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④ルーチンと一貫性の確立
アプローチ
一貫した日常のルーチンを確立することで、
子どもが時間の管理を習慣として
身につけやすくなります。
毎日同じ時間に
同じことを行うことで、
予測可能な環境を作り出します。
具体例
毎朝のルーチン
「起床→朝食→歯磨き→着替え→出発」
というルーチンを毎日
同じ順序で実行します。
夜の準備
「明日の服を選んでおく→
バッグを準備する→
寝る前のリラックスタイム」
という一連の流れを毎晩行う。
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⑤ポジティブな強化と報酬システム
アプローチ
子どもが時間通りに
タスクを完了できたときに、
ポジティブなフィードバックや
小さな報酬を与えることで、
モチベーションを高めます。
具体例
ポジティブなフィードバック
「今日は時間通りに準備ができたね!
すごいよ!」
報酬システム
例えば、タイムリーに
タスクを終えるごとにスタンプを集め、
一定数集まったら
好きな活動をする時間を設ける
などの報酬システムを導入します。
⑥環境の整備
アプローチ
物理的な環境を整えることで、
子どもが効率的に準備や
タスクを遂行できるようにします。
物が整理整頓されていることで、
必要なものをすぐに見つけやすくなります。
具体例
整理整頓
子どもの部屋や
使用するスペースを整理し、
必要なものがすぐに
取り出せるようにします。
例えば、服をカテゴリーごとに
分けて収納し、
朝の準備をスムーズにします。
定位置の設定
バッグや靴など、
毎日使うものの
定位置を決めておく。
例えば、「バッグは玄関のフックに掛ける」
というルールを作る。
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⑦親の協力とモデルリング
アプローチ
親自身が良いモデルとなり、
子どもに時間管理の重要性と
その実践方法を示します。
親が一貫して時間を守り、
計画的に行動する姿を見せることで、
子どももそれを学びます。
具体例
タイムキーピング
親も時間を守る姿を見せ、
子どもと一緒にスケジュールを確認する。
「今から一緒にタイマーをセットして、
時間通りに行動しようね」
と言って実践します。
共同作業
子どもと一緒に準備を行いながら、
「今から一緒に5分で着替えをしよう」
と時間を共有する。
時間の管理が苦手な子どもへの具体的なアプローチの結論
時間管理が苦手な
子どもに対するアプローチは、
理解と共感、視覚的サポート、
タスクの分割、一貫性のあるルーチン、
ポジティブな強化、環境の整備、
親の協力とモデルリング
を組み合わせることで
効果的に行うことができます。
これらのアプローチを通じて、
子どもが時間管理のスキルを身につけ、
日常生活や学習において
成功体験を積むことが
できるようになります。
親や教師は、
これらの方法を柔軟に取り入れながら、
子どもが自信を持って
時間を管理できるように
支援することが重要です。
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発達障害ラボ
車 重徳