主題(絵画)統覚検査(Thematic Apperception Test, TAT)とは…

 

 

 

 

 


 

主題(絵画)統覚検査(TAT)は、

1935年にハーバード大学の心理学者

ヘンリー・マレーとクリスティーナ・モーガンによって

開発された投影法の心理検査です。

 

 

 

 

被験者に一連の曖昧な絵を見せ、

その絵についての物語を語らせることで、

無意識の欲求、感情、葛藤、

対人関係のパターンなどを

明らかにすることを目的としています。

 

 

 

 

主題(絵画)統覚検査(TAT)は

特に精神分析やカウンセリングの分野で

広く使用されています。

 

 

 

 

 

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主題(絵画)統覚検査(TAT)の実施方法

 

 

主題(絵画)統覚検査(TAT)は

一般に20枚のカードを使用し、

各カードには曖昧な場面が描かれています。

 

 

 

 

被験者は各カードについての

物語を作るよう求められ、

その物語には以下の要素を

含むことが期待されます。

 

 

 

 



・登場人物

 

・起こっている出来事


・登場人物の感情や思考


・物語の結末

 

 

 

 


検査は通常、

被験者がリラックスした状態で行われ、

反応は詳細に記録されます。

 

 

 

 

物語の内容や語り方から、

被験者の内的世界や

心理状態が分析されます。

 

 

 

 

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主題(絵画)統覚検査(TAT)は誰に行われる検査か

 

 

 

臨床心理学の分野

 

主題(絵画)統覚検査(TAT)は、

臨床心理学の分野で

以下のような目的で使用されます。

 

 

 

 

 



精神疾患の診断

 

うつ病、不安障害、

人格障害などの診断に役立ちます。

 

 

 

 

 


治療計画の策定

 

患者の深層心理を理解することで、

より効果的な治療計画を立てることができます。

 

 

 

 

 


主題(絵画)統覚検査(TAT)の具体例

 

ある患者がうつ病の症状を訴えている場合、

主題(絵画)統覚検査(TAT)を通じて

その根底にある自己評価の低さや無力感、

対人関係の困難などを明らかにし、

それに基づいた治療計画を策定することができます。

 

 

 

 

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カウンセリングと心理療法

 

主題(絵画)統覚検査(TAT)は

カウンセリングや心理療法の過程でも使用されます。

 

 

 

 

被験者が自分の感情や葛藤を

言葉にすることで、

自己理解を深めるのに役立ちます。

 

 

 

 

 



具体例

 

カウンセリングを受ける青年が、

自分の将来について

不安を抱えている場合、

主題(絵画)統覚検査(TAT)を通じて

その不安の具体的な内容や原因を明らかにし、

カウンセラーが適切なサポートを

提供するための手がかりを得ることができます。

 

 

 

 

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教育現場での主題(絵画)統覚検査(TAT)

 

教育現場では、

主題(絵画)統覚検査(TAT)が

子どもや青年の心理的問題や

学習障害を理解するために

使用されることがあります。

 

 

 

 

 



具体例

 

学校で問題行動を示す子供に対して

主題(絵画)統覚検査(TAT)を実施し、

その行動の背景にある

家庭環境や対人関係の問題を特定することで、

適切な支援策を講じることができます。

 

 

 

 

 



主題(絵画)統覚検査(TAT)で分かること

 

 

内的な欲求と動機

 

主題(絵画)統覚検査(TAT)は、

被験者の内的な欲求や動機を

明らかにするのに役立ちます。

 

 

 

 

被験者が物語を作成する過程で、

自分の無意識の欲求や希望、

恐れが反映されることがあります。

 

 

 

 

 



具体例

 

ある被験者が、全ての物語において

「成功を収めるヒーロー」を描く場合、

その被験者は強い成功欲求や承認欲求を

持っている可能性があります。

 

 

 

 

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対人関係のパターン

 

主題(絵画)統覚検査(TAT)を通じて、

被験者の対人関係のパターンや対人関係における

問題が明らかになります。

 

 

 

 

物語に登場する人物の関係性や、

描かれる対人関係の問題は、

被験者の現実の対人関係を反映しています。

 

 

 

 

 



具体例

 

ある被験者が頻繁に

「裏切られる」物語を作成する場合、

その被験者は対人関係において

信頼の問題を抱えている可能性があります。

 

 

 

 

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自己概念と自己評価

 

主題(絵画)統覚検査(TAT)は、

被験者の自己概念や自己評価を

明らかにする手段としても有効です。

 

 

 

 

被験者が物語の中で

どのような役割を

自己に投影するかを観察することで、

自己イメージや自己評価が明らかになります。

 

 

 

 

 



具体例

 

被験者が常に「弱く無力なキャラクター」を描く場合、

その被験者は自己評価が低く、

自分を無力と感じている可能性があります。

 

 

 

 

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主題(絵画)統覚検査(TAT)の限界と批判

 

 

 

主観性

 

主題(絵画)統覚検査(TAT)は

被験者の主観的な反応に基づいているため、

解釈の主観性が高くなる可能性があります。

 

 

 

 

異なる心理士が

同じ反応を異なる解釈をすることがあるため、

解釈の一貫性を保つのが難しいです。

 

 

 

 

 



標準化の欠如

 

主題(絵画)統覚検査(TAT)には、

反応の標準化された

スコアリングシステムがないため、

定量的な評価が難しいという問題があります。

 

 

 

 

これにより、結果の再現性や信頼性に

疑問が生じることがあります。

 

 

 

 

 



文化的バイアス

 

主題(絵画)統覚検査(TAT)の絵は

主に西洋文化に基づいているため、

異なる文化背景を持つ被験者に対しては、

その反応が文化的バイアスの

影響を受ける可能性があります。

 

 

 

 

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主題(絵画)統覚検査(TAT)についてのまとめ

 

 

主題(絵画)統覚検査(TAT)は、

被験者が曖昧な絵に対して物語を作成することで、

無意識の欲求、感情、葛藤、

対人関係のパターンを明らかにする

投影法の心理検査です。

 

 

 

 

臨床心理学、カウンセリング、

教育現場などで広く使用され、

内的な欲求や動機、

対人関係のパターン、

自己概念と自己評価などを

明らかにするのに役立ちます。

 

 

 

 

しかし、解釈の主観性や標準化の欠如、

文化的バイアスなどの限界もあります。

 

 

 

 

これらの点を考慮しつつ、

主題(絵画)統覚検査(TAT)を適切に使用することで、

被験者の深層心理を理解し、

適切な支援を提供することが可能です。

 

 

 

 

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