発達障害の子どもに対応する際の「ジャスパー(JASPER)」とは…

 

 

 

 

 

発達障害の子どもに対応する際の

「ジャスパー(JASPER)」とは、

Joint Attention, Symbolic Play, 

Engagement, and Regulation

の頭文字を取ったもので、

 

特に自閉スペクトラム症(ASD)の

子どもたちのために開発された

介入プログラムです。

 

 

 

 

JASPERは、共同注意、

象徴的な遊び、関与、

自己調整のスキルを

向上させることを目的としています。

 

 

 

 

以下に、JASPERの各要素と

その具体的な実践方法について詳しく説明します。

 

 

 

 

 

WISC-Ⅴ検査をすぐに受けたい方はコチラをクリック


 

 



JASPERの構成要素

 

 

 

①Joint Attention(共同注意)

 

共同注意とは、

二人以上の人が

同じ対象に注意を向け、

その対象について

情報を共有する能力です。

 

 

 

 

ASDの子どもたちは、

このスキルが弱いことが多いです。

 

 

 

 

JASPERでは、共同注意の

スキルを高めるための

活動が組み込まれています。

 

 

 

 

 



具体例

 

大人が興味深いおもちゃを持ち、

子どもがそのおもちゃに

注意を向けるように誘導します。

 

 

 

 

例えば、子どもが

大好きな車のおもちゃを動かして見せ、

子どもがその動きを

目で追うようにします。

 

 

 

 

その際、子どもと目を合わせ、

「見て、車が動いているね!」

と言って注意を引きます。

 

 

 

 

 


②Symbolic Play(象徴的な遊び)

 

象徴的な遊びとは、

物事を別のものとして

使って遊ぶ能力です。

 

 

 

 

例えば、ブロックを使って家を建てる、

ぬいぐるみを本物の

動物のように扱うなどです。

 

 

 

 

JASPERは、子どもたちが

このスキルを発達させるための

方法を提供します。

 

 

 

 

 



具体例

 

子どもが人形やおもちゃの食器を使って

食事のシーンを再現するように促します。

 

 

 

 

大人が「今、人形さんにご飯を作っているんだね。

次は何を作るの?」

と声をかけて遊びを広げます。

 

 

 

 

 


③Engagement(関与)

 

関与とは、子どもが他者と

積極的に関わる能力を指します。

 

 

 

 

ASDの子どもたちは、

他者との関わりを避けがちですが、

JASPERはその関与を促進します。

 

 

 

 

 



具体例

 

大人と子どもが一緒に

パズルを完成させるなどの

共同作業を行います。

 

 

 

 

例えば、「一緒にこのパズルを完成させよう。

次のピースはどこに置こうか?」

と問いかけることで、

子どもが大人と一緒に

活動に参加するよう促します。

 

 

 

 

 


④Regulation(自己調整)

 

自己調整とは、

自分の感情や行動を

コントロールする能力です。

 

 

 

 

JASPERは、子どもたちが

ストレスや不安を感じたときに、

どのようにそれを管理するかを教えます。

 

 

 

 

 



具体例

 

子どもが興奮したり

不安を感じたりしたときに、

深呼吸をする方法を教えます。

 

 

 

 

「落ち着いて、一緒に深呼吸をしよう。

吸って、吐いて」と

具体的な手順を示します。

 

 

 

 

WISC-Ⅴ検査の低い指標の伸ばし方を知りたい方はコチラをクリック

 

 

 


JASPERの実践と効果

 

 

JASPERは、臨床環境だけでなく、

家庭や学校でも実践することができます。

 

 

 

 

以下に、JASPERの実践方法と

その効果についての具体例を示します。

 

 

 

 

 



実践方法

 

 

一貫したルーチン

 

毎日のルーチンの中に

JASPERの活動を組み込みます。

 

 

 

 

例えば、朝の準備の時間に

共同注意の活動を取り入れ、

夕食後のリラックスタイムに

象徴的な遊びを行います。

 

 

 

 

 


個別化された支援

 

子どもの特性やニーズに応じて、

活動を調整します。

 

 

 

 

例えば、共同注意が特に苦手な子どもには、

そのスキルを重点的に強化する

活動を多く取り入れます。

 

 

 

 

 


親と教師の連携

 

親と教師が連携して、

家庭と学校で一貫した

サポートを提供します。

 

 

 

 

定期的に情報を共有し、

子どもの進捗を確認します。

 

 

 

 

 


効果

 

 

社会的スキルの向上

 

JASPERを実践することで、

子どもたちは共同注意や

象徴的な遊びを通じて

社会的スキルを向上させます。

 

 

 

 

これにより、他者との関わりが増え、

友人関係の構築が容易になります。

 

 

 

 

 


感情調整の向上

 

自己調整のスキルを学ぶことで、

子どもたちはストレスや不安に

対処する方法を身につけます。

 

 

 

 

これにより、学校や家庭での

問題行動が減少します。

 

 

 

 

 


学業成績の向上

 

社会的スキルと自己調整の能力が向上することで、

子どもたちは学業においても

良好な成果を上げることができます。

 

 

 

 

教師との関係が改善され、

学習に対する意欲が高まります。

 

 

 

 

WISC-Ⅴ検査のとり方を学びたい方はコチラをクリック

 

 

 


発達障害の子どもに対応する際の「ジャスパー(JASPER)」についてのまとめ

 

 

JASPERは、発達障害を持つ子どもたちが

重要な社会的スキルと

自己調整の能力を

発達させるための

効果的なプログラムです。

 

 

 

 

共同注意、

象徴的な遊び、

関与、自己調整の

スキルを強化することで、

 

子どもたちは他者との関わりや

学業においてより良い成果を

上げることができます。

 

 

 

 

家庭や学校での一貫した実践と

サポートを通じて、

JASPERは子どもたちの

全体的な発達を支援する

重要なツールとなります。
 

 

 

 

 

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

発達障害ラボ

車 重徳

発達障害ラボのHPはコチラをクリック