ピグマリオン効果とはどういうことなのか?

 

 

 

 

 

ピグマリオン効果(Pygmalion Effect)は、

教育心理学や社会心理学で使われる概念で、

教師や指導者が抱く期待が、

実際にその期待通りの結果を

引き出す現象を指します。

 

 

 

 

この効果は、

1968年にロバート・ローゼンタールと

レノア・ジャコブソンによって

行われた研究で

初めて明確に示されました。

 

 

 

 

研究の名前は、

ギリシャ神話の彫刻家

ピグマリオンに由来しています。

 

 

 

 

ピグマリオンは

自分の作った女性の像に恋をし、

神々の力で

その像が生き返るという物語です。

 

 

 

 

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ローゼンタールとジャコブソンの研究

 

 

ローゼンタールとジャコブソンは、

サンフランシスコの小学校で行った実験で、

ピグマリオン効果を検証しました。

 

 

 

 

彼らは、教師に対して

ランダムに選ばれた生徒たちが

「将来的に学業成績が急激に伸びる」

と告げました。

 

 

 

 

この情報を基に、

教師たちはその生徒たちに対して

高い期待を抱くようになりました。

 

 

 

 

実験の結果、

その生徒たちの学業成績は

実際に向上しました。

 

 

 

 

これは、教師の期待が

生徒のパフォーマンスに

実質的な影響を与えることを示しています。

 

 

 

 

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ピグマリオン効果のメカニズム

 

 

ピグマリオン効果のメカニズムは、

いくつかの要素によって構成されています。

 

 

 

 

 



期待の伝達

 

教師や指導者は、

無意識のうちに

自分の期待を

生徒や部下に伝えます。

 

 

 

 

この伝達は、言葉だけでなく、

非言語的なコミュニケーション

(表情、ジェスチャー、態度)

を通じて行われます。

 

 

 

 

 


ピグマリオン効果による行動の変化

 

期待を受けた側は、

無意識のうちに

その期待に応えようとする行動を

取るようになります。

 

 

 

 

これには、努力の増加、

自己効力感の向上、

積極的な学習態度などが含まれます。

 

 

 

 

 


ピグマリオン効果による結果の変化

 

最終的に、これらの行動の変化が

実際のパフォーマンスの向上につながります。

 

 

 

 

このようにして、

期待が自己成就的予言となり、

実際の成果に反映されます。

 

 

 

 

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ピグマリオン効果の具体例

 

 

 

教育現場でのピグマリオン効果

 

 

ピグマリオン効果の例1

 

ある教師が、クラス全員に

「みなさんは非常に優秀で、

今年はとても良い成績を取ることができるでしょう」

と言った場合、

生徒たちはその言葉を信じて、

実際に成績が向上することがあります。

 

 

 

 

これは、教師の期待が

生徒たちの自己効力感を高め、

努力を促す結果です。

 

 

 

 

 



ピグマリオン効果の例2

 

逆に、教師が特定の生徒について

「この子はどうせ成績が悪い」

と考えている場合、

その生徒に対して

無意識のうちに

冷淡な態度や低い期待を示すことがあり、

その結果、生徒の成績が

低下する可能性があります。

 

 

 

 

 



職場でのピグマリオン効果

 

 

ピグマリオン効果の例1

 

上司がある部下に対して

「あなたにはリーダーシップの素質があり、

将来的にチームを引っ張っていける存在だ」

と信じている場合、

その部下は自信を持ち、

リーダーシップを発揮する

行動を取るようになります。

 

 

 

 

これが結果的に、

部下の実際のリーダーシップスキルの

向上につながることがあります。

 

 

 

 

 



ピグマリオン効果の例2

 

一方で、上司が特定の部下に対して

「この人はどうせ期待できない」

と考えている場合、

その部下に対して

重要な仕事を任せず、

フィードバックも少ないため、

部下のモチベーションが低下し、

実際に期待通りの

低いパフォーマンスになることがあります。

 

 

 

 

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ピグマリオン効果の応用

 

 

ピグマリオン効果は、

教育現場や職場だけでなく、

さまざまな場面で応用できます。

 

 

 

 

 



ピグマリオン効果によるスポーツ指導

 

コーチが選手に対して

高い期待を示すと、

選手はその期待に応えるために

より努力し、

実際のパフォーマンスが

向上することがあります。

 

 

 

 

 


ピグマリオン効果による家庭教育

 

親が子どもに対して

「あなたは素晴らしい能力を持っている」

と信じて接することで、

子どもは自己肯定感を持ち、

能力を発揮するようになります。

 

 

 

 

 


公認心理師や臨床心理士によるセラピーとカウンセリング

 

公認心理師や臨床心理士が

クライアントに対して

「あなたは変わることができる」

と強く信じることで、

クライアントは自信を持ち、

治療効果が高まることがあります。

 

 

 

 

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ピグマリオン効果の結論

 

 

ピグマリオン効果は、

人の期待が

実際のパフォーマンスに

影響を与える強力な心理現象です。

 

 

 

 

教育現場や職場、

スポーツ指導、

家庭教育など、

さまざまな場面で応用することで、

個人の能力を

最大限に引き出すことができます。

 

 

 

 

期待の伝え方や接し方に注意を払い、

ポジティブな環境を作ることで、

個々の成長と成功を

促進することが可能です。

 

 

 

 

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車 重徳

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