臨床心理士と公認心理師の違いとは…
日本の心理に関わる資格には、
代表的なものとして
「臨床心理士」と「公認心理師」
があります。
これらはどちらも心理学の専門家であり、
心理的な援助や支援を行いますが、
その資格制度や業務内容、
教育課程などに違いがあります。
以下にその詳細を説明します。
臨床心理士
①資格制度
臨床心理士は、
公益財団法人 日本臨床心理士 資格認定協会
によって認定される民間資格です。
この資格は1988年に創設され、
長い歴史と実績があります。
②教育課程
臨床心理士になるためには、
以下のステップを踏む必要があります。
大学卒業
心理学を専攻することが望ましい。
大学院修士課程
臨床心理学を専攻し、
指定のカリキュラムを修了する。
実習とスーパービジョン
大学院在学中に実習を行い、
指導教官からのスーパービジョンを受ける。
資格試験
卒業後、臨床心理士資格試験を受験し、
合格する。
③業務内容
臨床心理士は、心理療法、
心理アセスメント、カウンセリング、
教育・訓練、研究など幅広い業務を行います。
主な勤務先は、医療機関、
学校、企業、福祉施設、研究機関などです。
④更新制度
臨床心理士は、
5年ごとの資格更新が必要で、
そのために一定の実務経験と研修参加が求められます。
《WISC-Ⅴ検査の低い指標の伸ばし方を知りたい方はコチラをクリック》
公認心理師
①資格制度
公認心理師は、
2015年に成立した「公認心理師法」
に基づく国家資格です。
日本における唯一の国家資格として、
心理学の専門家としての
信頼性と公的な認知が高いです。
②教育課程
公認心理師になるためには、
以下のステップを踏む必要があります。
大学卒業
心理学部または心理学関連学科で
指定のカリキュラムを修了する。
大学院修士課程
心理学または関連分野で
指定のカリキュラムを修了するか、
学部卒業後、一定の実務経験を積む。
実習と実務経験
大学院または学部卒業後、
指定の実習を行い、実務経験を積む。
国家試験
公認心理師試験を受験し、合格する。
③業務内容
公認心理師は、
医療、福祉、教育、産業、司法など
幅広い分野で働くことができ、
心理アセスメント、心理相談、
心理教育、地域援助、研究などの業務を行います。
法的な位置づけがあるため、
医療機関や教育機関での
役割が強調される傾向があります。
④更新制度
公認心理師には、資格の更新制度はありませんが、
職務において継続的な学習や研修が推奨されています。
臨床心理士と公認心理師の比較まとめ
①資格の性質
臨床心理士: 民間資格、認定協会が管理、歴史が長い。
公認心理師: 国家資格、法的な位置づけ、公的な信頼性が高い。
②教育課程と試験
臨床心理士: 大学院修士課程(臨床心理学専攻)修了後に資格試験。
公認心理師: 大学院修士課程(心理学関連)修了または一定の実務経験後に国家試験。
③業務範囲
臨床心理士: 医療機関、学校、企業、福祉施設、研究機関などで広範な業務。
公認心理師: 医療、福祉、教育、産業、司法など法的な業務も含む広範な分野。
④更新制度
臨床心理士: 5年ごとの資格更新が必要。
公認心理師: 資格の更新制度はないが、継続的な学習が推奨。
臨床心理士と公認心理師の違いのまとめ
臨床心理士と公認心理師は、
どちらも心理支援の専門家として
重要な役割を果たしますが、
その資格制度や業務内容には
明確な違いがあります。
臨床心理士は長い歴史と
実績を持つ民間資格であり、
特定の教育課程と資格試験を経て取得します。
一方、公認心理師は国家資格であり、
法律に基づく制度として
公的な信頼性が高く、
幅広い分野での活動が期待されます。
両者の違いを理解し、
それぞれの特性に応じた
適切な資格取得とキャリア形成を
目指すことが重要です。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
発達障害ラボ
車 重徳