WISC-Ⅴ検査はなぜ、母国語で受けた方が良いのか?

 

 

 

 

 

ウェクスラー式 児童用 知能評価尺度

第5版(WISC-V)を

子どもの母国語で実施することは、

正確で有効かつ

信頼できる評価結果を得るために

極めて重要です。

 

 

 

 

この実践は、心理学的評価、

認知科学、言語研究の原則に基づくものです。

 

 

 

 

母国語以外の言語で

検査を実施することは、

検査結果の解釈可能性と適用性を

損なう様々な問題を引き起こす可能性があります。

 

 

 

 

ここでは、母国語での実施の重要性と、

母国語以外での検査に関連する

潜在的な問題を探ります。

 

 

 

 

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母国語での検査実施の重要性

 

 

 

①言語理解力と表現力

 

WISC-V(ウィスク5)検査は、

言語能力によって

直接影響を受ける言語理解力と

表現力を評価します。

 

 

 

 

子どもの母国語で検査を実施することで、

言語能力による交絡の影響を排除し、

子どもの言語能力を

正確に反映することができます。

 

 

 

 

例えば、定義を理解したり、

口頭での指示に従ったり、

口頭で推論したりするような課題は、

言語能力に大きく依存します。

 

 

 

 

 

母国語でない言語での検査は、

人為的に点数を下げ、

言語理解力の欠損を

不正確に示唆する可能性があるのです。

 

 

 

 

 



②文化的妥当性と公平性

 

言語能力だけでなく、

文化的要因も、

検査の刺激に対する

個人の反応に重要な役割を果たします。

 

 

 

 

WISC-V(ウィスク5)検査には、

文化的な言及があったり、

特定の文化的経験を

想定していたりする項目が含まれています。

 

 

 

 

理想的にはWISC-V(ウィスク5)検査を

文化的に適応させたバージョンの中で、

子どもの母国語で検査を実施することは、

検査項目が文化的に適切かつ

公平であることを保証するのに役立ち、

その結果、特定の文化に精通していることよりも、

子どもの真の認知能力を反映することになるのです。

 

 

 

 

 



③認知的負荷

 

母国語でない言語での検査は、

認知的負荷を増加させます。

 

 

 

 

なぜなら、子どもは検査の言語を

翻訳または理解するために、

さらに認知的リソースを

消費しなければならないからです。

 

 

 

 

このような困難が加わると、

子どものタスクに集中する能力が損なわれ、

結果がゆがむ可能性があります。

 

 

 

 

例えば、認知的負荷が高くなると

処理速度やワーキングメモリを

測定するタスクに

特に影響を及ぼす可能性があり、

その場合、子どものパフォーマンスは、

認知能力によってではなく、

必要とされる余分な

言語処理によって妨げられる可能性があるのです。

 

 

 

 

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非母国語での検査の潜在的問題点

 

 

 

①能力の過小評価

 

母国語以外で

WISC-V(ウィスク5)検査を

実施することの

最も重大なリスクのひとつは、

子どもの真の能力、

特に言語領域における能力が

過小評価される可能性があることです。

 

 

 

 

この過小評価は、

学習障害や知的障害の誤診、

不適切な教育的配置、

または才能の識別の失敗に

つながる可能性があります。

 

 

 

 

 



②長所と短所の不正確な識別

 

子どもの長所と短所を含む

認知プロフィールの微妙な理解は、

的を絞った介入と支援にとって

極めて重要であるといえるでしょう。

 

 

 

 

母国語でない言語での検査は、

このプロフィールを不明瞭にし、

子どもの実際のニーズに合わない介入や、

長所を効果的に活用できない

介入につながる可能性があります。

 

 

 

 

 



③心理的・教育的介入への影響

 

WISC-V(ウィスク5)検査の結果は、

アセスメントにとどまらず、

心理学的介入、教育戦略、

時には臨床診断にも影響を与えます。

 

 

 

 

言葉の不一致による不正確な結果は、

最適でない、あるいは誤った介入をもたらし、

子どもの教育的軌道や自尊心に

影響を与える可能性があるのです。

 

 

 

 

 




緩和策

 

こうした問題に対処するため、

心理学者や教育の専門家は

いくつかの戦略を採用しています。

 

 

 

 

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文化的・言語的に適応したバージョンを使用する

 

利用可能であれば、

特定の言語的・文化的集団に適応し、

規範化されたWISC-V(ウィスク5)検査を使用します。

 

 

 

 

 

 


専門の通訳を雇う

 

適合版が利用できない場合、

専門家は通訳を利用することができます。

 

 

 

 

しかし、この方法にも限界があり、

心理アセスメントの文脈に

精通した通訳が必要です。

 

 

 

 

 


包括的アセスメントアプローチ

 

専門家は、WISC-V(ウィスク5)検査の

結果を補完するために、

追加のアセスメントや定性的な観察を行い、

子どもの認知能力を包括的に理解します。

 

 

 

 

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WISC-Ⅴ検査を母国語で受けた方が良い理由としての結論

 

 

WISC-V(ウィスク5)検査を

子どもの母国語で実施することは、

正確で公正かつ有用な

評価結果を保証するための基本です。

 

 

 

 

言語処理、文化的背景、

認知負荷の複雑さが、

この検査実践の必要性を強調しています。

 

 

 

 

言語的・文化的配慮が適切になされれば、

WISC-V(ウィスク5)検査は

子どもの認知能力に関する

貴重な洞察を提供し、

効果的な介入を導き、

子どもの発達と教育の成功を

支援することができるのです。


 

 

 

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発達障害ラボ

車 重徳

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