ベンダー・ゲシュタルト検査(Bender Visual Motor Gestalt Test)とは…

 

 

 

 

ベンダー・ゲシュタルト検査

(Bender Visual Motor Gestalt Test)は、

 

ローレッタ・ベンダーによって

1938年に開発されました。

 

 

 

 

この検査は、

個人が特定の視覚的パターンを

どのように認識し、

 

それを紙上で

再現するかを評価することで、

 

視覚-運動統合能力、

神経心理学的機能の障害、

知的発達レベル、

 

さらには特定のパーソナリティ特性や

感情障害の診断に役立ちます。





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ベンダー・ゲシュタルト検査の実施

 




検査は9枚のカードから構成され、

各カードには

異なるゲシュタルト形式の

図形が描かれています。

 

 

 

 

被験者はこれらの図形を

一つずつ見て、紙に模写します。

 

 

 

 

検査官は、

被験者が図形を

どのように認識し、

再現するかを観察し、

 

特定の誤りや困難、

使用される戦略を記録します。





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具体例と解釈

 




 

 

①発達遅延の評価

 

 



状況

 


7歳の子どもが

ベンダー・ゲシュタルト検査を受けました。

 

 

図形の模写において、

形が不正確で、

図形間の空間関係が

適切に再現されていない。

 

 

 



解釈

 


このような結果は、

視覚-運動能力の

発達遅延を

示唆している可能性があります。

 

 

 

 

これは学習障害の

一形態である可能性があり、

特に読み書きや

数学学習に影響を及ぼすかもしれません。

 




 

 

②器質的な脳障害のスクリーニング

 

 



状況

 


成人が交通事故後に

ベンダー・ゲシュタルト検査を受け、

図形を模写する際に

顕著な困難を示しました。

 

 

 

 

図形の一部を省略したり、

図形の比率が

極端に歪んでいたりします。

 



 

 

解釈

 


この結果は、

脳の特定の領域に

損傷があることを示唆しています。

 

 

 

 

視覚-運動機能の障害は、

脳の器質的な障害によって

引き起こされることがあります。

 




 

 

③パーソナリティ特性と感情障害の評価

 

 

 



状況

 

 


一人の青年が

ベンダー・ゲシュタルト検査を受け、

図形を極端に小さく模写し、

細部に異常な注意を払いました。

 

 



解釈

 


このような細部への過剰な集中や、

模写された図形の小ささは、

不安や強迫性の傾向を

示している可能性があります。

 

 

 

 

また、自己評価の低さや

自己効力感の不足を

反映していることもあります。

 

 



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ベンダー・ゲシュタルト検査の意義

 

 


ベンダー・ゲシュタルト検査は、

単に視覚-運動スキルを超えて、

個人の心理的および神経心理学的健康の

広範な側面を評価することができる

多用途なツールです。

 

 

 

 

この検査を通じて得られる情報は、

教育的な支援や治療計画の立案、

 

さらには臨床心理評価において

重要な役割を果たします。

 

 

 

 

特に、小児期から成人期にかけての

幅広い年齢層に適用可能であり、

 

個々のニーズに応じた介入や

サポートの提供に役立てることができます。

 

 

 

 

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発達障害ラボ

車 重徳

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