昨日のスライド「二極の統合・両立こそCSR」についてのやり取りから、2軸ではなく全体性とか曼荼羅といった視座の話になると、それじゃ~ってことで、どうしてもアップしたくなるのが「環境・社会・経済の関係」図です。

この図で伝えたいことは、サステナブルな在り方として、経済はあくまでも手段であって、人と社会との関係、社会と環境との関係をうまく循環・調整する手段として経済を活用するという転観のイメージです。

概念上は、自分の中ですっきりして、わずらわしくなくなってきちゃったけど、、。

※この図は、サステナブル経営研究会(8年前より休眠してますが)の協議の中から生まれた概念で、CSRの話の前提として使ってきたものです。

 

「二極の統合・両立こそCSR」(図参照)。これはかなり、わずらわしいですね。

 

    CSR(企業の社会的責任)のお話のとき、こんな図を使ってました。

 

    SDG’sは、一見わずらわしく見えないところが広がる理由なんだろうな。

昨日の私のつぶやきを読んだ大林俊之さんから、こんな質問を受けました。大林さんは、名古屋市西区で精神障害者を中心とした就労支援B型事業所「株式会社みんなの福祉村」を経営されています。

 

「 分野は違いますが、資本制のなかで、医療を行う、一見相容れないものを両立させる知恵として医経分離があります。そんな発想で福祉事業に取組んできましたが、ややこしいことは常にあります。ややこしい事を受け入れ、それを彩りと捉えるか、できるだけ排除するのか、目指すところによるのでしょうか? そもそもそのような両立を図ろうとする体制に無理があるのでしょうか? ややこしい事を乗り越える奥義はございますでしょうか?」

 

昨日の専務なら、こう答えると思う。

 

専務:ややこしことは一人で抱え込まんでいい。ややこしことはみんなで分け合う。それが運動(≒福祉事業)の楽しさだろ。

 

さて、どうお答えしたらいいでしょうか? 難しそうなテーマですが、何かヒントはないでしょうか。ご本人の了解を得ましたので一緒に考えられるとうれしいです。

 

わずらわしいことを、わずらわしいままに、わずらわしく考え、あわよくば解を導き出したい。

 

参考までに「株式会社みんなの福祉村」の理念や経営の考え方を以下に掲載しておきます。

 

大林俊之

7月5日 23:55

福祉と事業の両輪を回して理念とビジョンに近づける
-福祉と事業の二元論を超えて-
 
1.はじめに
 みんなの福祉村を創業して5年が経過しました。皆さまの支えがあったからこそ、今があります。ここに深く感謝申し上げます。これからもご指導、ご鞭撻のほど宜しくお願い致します。
 今回は、事業の捉え方について今一度自分自身のためと、組織内での価値浸透を図るために整理しました。以下、福祉と事業の両輪を回すことの必要性について考えてみたいと思います。
 本文は次の5つから構成します。まずは、事業理念とコンセプトを確認します。2つ目に、福祉と事業の両立の必要性をバランススコアカードの4つの視点から検討します。3つ目に、営利法人と非営利活動法人の共通点と相違点を整理します。4つ目は、みんなの福祉村における稼働率の考え方を検討します。5つ目は、本文を通じて伝えたいことを6点に整理します。
 
2.事業理念とコンセプト
 私たちみんなの福祉村は2015年6月に起業しました。「その人なりの成長とハピネスの伴走支援」を理念に活動を展開しています。会社のビジョンは、①働く選択肢を増やす、②親なきあとの補完サービスを開発する(ホームヘルプサービス、ショートステイ、グループホームなどの住まい)の2つを軸に、障害があってもその人なりに彩りのある暮らし送ることができる地域づくりを目指しています。
 そして障害者就労継続支援B型事業所じゃがいもは同年9月に開設し「楽しむ、働く、相談する、潜在能力を発揮する」をコンセプトに活動を展開しています。
 
3.福祉と事業の両立の必要性とバランススコアカードの4つの視点
 ボランティア活動でなく、スタッフを雇用し、事業体として活動を行う上では、福祉と事業の両立は必須であり、福祉と事業の両輪を回していく必要があると考えています。これは、ロバート・S・キャプランが提唱したバランススコアカードの作りを見れば一目瞭然です。
 バランススコアカードの戦略マップは、事業を①人材育成の視点、②業務プロセスの視点、③財務の視点、④顧客の視点の4つの視点から成ります。この4つの視点は相互に関連しており、どの視点も欠かせません。事業を行う上では、それぞれの視点をバランスよく回していく必要があります。④顧客の視点が重要なのは当然であり、その他にも、①人材育成の視点、②業務プロセスの視点、③財務の視点も欠かせません。表現を変えると、福祉が大切なのは当然であり、事業の視点も不可欠なのです。
 
4.営利法人と非営利活動法人の共通点と相違点
 私は医療法人(社会医療法人)、社会福祉法人、株式会社での福祉事業の勤務経験があります。非営利活動法人、営利法人のどちらでも、この4つの視点、構造は全く変わりませんし、例え非営利活動法人であっても福祉と事業の両立は求められます。もちろん、ガバナンスや課税形態は異なるなどの相違点はあります。

 

5.みんなの福祉村における稼働率の考え方
 事業は人、物、金、情報の経営資源を投下して運営を行います。みんなの福祉村では、稼働率を「現行資源を活用して社会貢献をした度合を測るバロメータ」として位置づけ、活動の目安として共有しています。
 稼働率の捉え方は、業種や会社によっては、①ノルマ、②目標、③目安など指標の位置づけや用い方は異なりますし、障害福祉事業のなかでも、①ノルマと位置づけ運営しているところもあります。
 みんなの福祉村では、稼働率をオペレーションスタッフとの間では、③目安として位置づけています。このように位置付けるのは次の2つの理由があります。1つは、福祉事業の場合、多数を占める現場スタッフのモチベーションは、「利用者に良いサービスを提供すること、暮らしを支えること」が中心であり、数値目標を過剰に意識させると、逆にモチベーションは下がるためです。2つ目は、「サービスが先、利益は後から付いてくる」のヤマト福祉財団の故小倉昌夫さんの言葉を体現するかのように、障害福祉事業はきちんとサービス提供をすれば、売上や利益がついてくるように設計された守られた市場(準市場)だからです。
 但し、管理者や経営者ともなれば、目安と捉えて、結果を成り行きに任せるのではなく、指標をもとに、計画、実行、統制し、予算実績も含めてPDCAサイクルを回し行動する管理者活動が求められます。ここで大切なことは、スタッフの役割によって、稼働率の位置づけ、捉え方、求められる行動は変化しますが、みんなの力の結集によって福祉と事業の両輪を回し、理念とビジョンに近づけていくことです。
 
6.おわりに
本文を通して伝えたい内容は次の6点です。
①バランススコアカードの視点から見ると、事業は、①人材育成の視点、②業務プロセスの視点、③顧客の視点、④財務の視点からなり、4つをバランスよく回すことによって成り立っており、福祉と事業の両輪を回していくことが求められている。
②「サービスが先、利益は後から付いてくる」といわれる通り、障害福祉事業はきちんとサービス提供をすれば、売上や利益がついてくるように設計されている。従って、オペレーションスタッフは、稼働率は「現行資源を活用して社会貢献をした度合を測るバロメータ」、稼働率の目標値を目安として捉え、業務にあたって欲しい。
③管理者や経営者ともなれば、目安と捉えて、結果を成り行きに任せるのではなく、指標をもとに、計画、実行、統制のPDCAサイクルを回し、予算実績を含めて行動する管理者活動が求められる。
④ここで大切なことは、スタッフの役割によって、稼働率の位置づけ、捉え方と求められる行動は変化する点です。
⑤いずれにしても、役割分担しつつ、みんなの力の結集によって福祉と事業の両輪を回していくことが大切です。
⑥皆でメンバーのために、情熱をかけてサービスを提供していきます。同時に、理念とビジョンを達成させるために事業がしっかり成り立つようにやっていきます。