難病と診断されたら、病気の進行も、もちろん心配ですが、医療費や介護費などお金の心配も尽きません。
夫の場合は、既に定年まで勤め上げ、年金生活になっていましたが、もっと若く、現在、働いている方が仕事を続けられなくなったら、生活費の不安も押し寄せてきます。

●傷病手当金

会社にお勤めの方、あるいは公務員には、「傷病手当金」という制度があるのは、ご存じでしょうか。

病気やケガで働けず無給になったとき、健康保険から支払われます。
連続4日以上休んだ時、3日間は待機期間として、4日目より支払われます。
金額は、今までの給与の2/3くらいと考えて下さい。
支給期間は、通算で、1年6ケ月です。

このお金は会社から払われるのではなく、健康保険組合から支払われます。
なので、会社に遠慮する必要は全くありません。

また、傷病手当金は非課税なので、確定申告や年末調整の必要はありません。

申請手続きには、医師の意見書なども必要になりますが、先ずはお勤めの会社に相談して下さい。
会社の事務担当の方がよくわかってなかったら(そんなことはないと思いますが)、健康保険組合に直接問い合わせるのも有りかと思います。

自営業などで、国民健康保険に加入の方は、残念ですが、傷病手当金の制度はありません。
(コロナで働けない場合のみ、傷病手当金が出るようです)

●障害年金

障害が一定の状態と認められると、障害年金がもらえます。
障害年金をもらうには、いくつかの要件があり、それをクリアしないといけません。

障害年金は、会社に勤めていない方でも、もらえる可能性があります。
ただし、国民年金をきちんと納めていることが前提です。
未納の期間があると、要件を満たせないこともあります


要件の一つに、障害の原因となる病気やケガの初診日が65歳未満であることが必要です。

夫の場合ですが、何かおかしいなと思って病院を受診したのは会社を退職した後でした。
そのときは、傷病手当金や障害年金に対する知識が全くありませんでした。
とにかく無事に勤め上げることだけを考えていたので、在職中に病気と診断されることを避けていました。

今から思えば、在職中にもおかしな症状が出ていたので、その時に病院に行ってれば良かったかもしれません。
すぐに確定診断されなかったとしても、初診日が65歳未満ということが証明出来れば障害年金の対象でした。

障害年金の申請に大切なのは、初診日と障害認定日です。
たとえば、足の切断などの障害は切断したその日が障害認定日になりますが、
神経難病の場合は、初診日から1年6ケ月を過ぎないと障害認定日になりません。
なので、会社勤めの方なら、傷病手当金を1年6ケ月もらい、
その後、障害年金をもらうという流れになることが多いようです。
両方、同時に受給することは出来ません。

現在、夫は、普通に、厚生年金をもらっています。
だから、障害年金をもらう必要はないと思われるかもしれませんが、障害年金は非課税です。
非課税ということは税金を払わなくていいだけじゃなく、様々な特典があります。
どうして、非課税世帯というだけで、これだけ優遇されるのだろうということが多々あります。(←単純にひがみです)
つい先だってのコロナ給付金も、非課税世帯だけの支給でしたよね。
いちいち挙げるとキリがないですが、非課税世帯になると、色んな恩恵を受けられます。

障害年金の対象になるかどうかは、年金事務所で相談して下さい。
あるいは、NPO法人や社労士事務所の無料相談を利用するのもいいかもしれません。

ブロ友さんの多くは、自分(あるいは家族)で手続きをされています。
自分で手続き出来れば、それに越したことはありませんが、難しい場合はプロに依頼するという方法もあります。
社労士さんに依頼する場合、成功報酬だと年金の2ケ月分くらいと聞いたことがあります。

傷病手当金も障害年金も、私自身は手続きをしたことがないので、具体的な説明が出来ずに、ごめんなさい。

【その他の制度】

国の制度として「特別障害者手当」という制度があります。
支給月額は、27,300円27,980円(R5年4月)です。
制度そのものは国の制度なので、どこの自治体にもありますが、認定の細かい基準が自治体によって違います。
対象としては、在宅介護で、障害者手帳の2級以上、要介護4以上が目安かなと思います。
ただし、障害者手帳の1級をもっていても認定されないこともあります。
この手続きは、母のときにしたことがあるので、質問があればお答え出来るかも。

自治体の制度としては、ホントに様々な制度があります。
指定難病というだけで手当が出たり、交通費の助成が出たり。
要介護4以上だと手当が出たり。(特別障害者手当とは別)
とにかく、自分の自治体のホームページの福祉関係のページを隅から隅まで見て下さい。
役所に行って、直接、相談するのもいいんですが、よくわかってない職員もいるので、
ある程度、自分で勉強してから行った方がいいと思います。

これは余談ですが、役所の職員をされてた方のお話しです。
全く知識のない事務職員が、突然、福祉関係の専門相談担当に配属されることもよくあるそうです。

真面目に仕事に取り組んでも、度重なる制度変更にマニュアル整備も追いつないとか、職員研修の時間も取れないとか、そういう事情もあることを少しでも知っていただけたら、ということでした。

お互いの立場を理解しあい、私たち患者家族も、一緒に勉強していきましょう。

 

 

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