進行性核上性麻痺の患者は必ずといっていいほど、嚥下障害が現れます。
私の夫も、水分を摂るとむせることが増えました。
いずれ、症状が進行し、誤嚥性肺炎を起こすようになると、胃ろうの選択を迫られるでしょう。
今現在、胃ろうにすべきか否か、悩んでる家族の方もたくさんおられます。

 

私は、元々、胃ろうにいいイメージは持ってませんでした。
人間、食べれなくなったらお終いだ。
胃に穴あけて栄養剤を流し込むなんて、そこに人間の尊厳はあるのか、と思ってました。
けれど、色々調べてるうちに、胃ろうのイメージが変わってきたのです。

 

直接の知合いではないんですが、食道がんで食事の出来なくなった方が、胃ろうにして元気になったという話を聞きました。結局、亡くなられたんですが、元気でいられた期間に、終活も出来、思い残すことなく旅立たれたそうです。
栄養状態が悪くなり衰弱された方が、胃ろうにしてから体力が回復し、リハビリを頑張って、また口から食べれるようになったという話も聞きました。

 

胃ろうのイメージが悪くなったのは、NHKの番組で胃ろうを取り上げた際、「仕方なく命を長らえさせられている」「医療費の無駄遣いだ」というような趣旨の報道があってからだそうです。それから、胃ろうバッシングが起きたというのです。
胃ろうのイメージが悪すぎて、胃ろうはイヤだが、経鼻や点滴ならいいという人もいるようですが、これはおかしな話です。胃ろうが延命治療なら、それらも延命治療だろうし、栄養管理と考えたら、胃ろうの方が優れている面もたくさんあるのです。

 

私は延命治療反対派です。
・本人の意識がなく、回復の見込みもない場合
・意識はあるが苦痛がひどく、良くなる見込みがない場合
そういう場合は、延命治療をせずに、自然にまかせたいと思っています。

 

例えば、今、寝たきりになった母の場合ですが、楽しみは食べることだけだと言います。
肺癌の積極的治療はしていませんので、病状が良くなることはありません。
元々、本人が手術や抗がん剤を拒否し、高齢だからそういう判断もありと主治医が認めてくれたので、治療せずに今に至っています。
母が口から食べれなくなったら、私は胃ろうを拒否するでしょう。
本人がそれを望まないと思いますし。

 

夫の場合ですが、「口から食べれなくなって胃ろうにしろと言われたらどうする?」って聞いてみました。
「胃ろうはしたくないけど、しないといけないのなら仕方ないな」って。
この人は、胃ろうになっても生きていこうという意志があるのだと思いました。
だから、私が判断をしないといけなくなったら、夫に関しては胃ろうを受け入れるつもりです。

 

胃ろうを受け入れるか、延命治療を受け入れるか、本人の意思が一番大切だと思います。
いざ、そういう状況になったときには、もう本人に確認出来ないことも多いので、早めに確認しておきたいです。
病気になってからだと、なかなか言い出しにくいので、お互い元気なうちから、何気なく話しをしておくのがいいですね。

 

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