幸福への道シリーズ(カルマ、報恩の心、運命の改善と魂の修行)

当旧HP2000/6/23---2020/8/13ブログへ再編集して再掲

 

開運法とカルマの解脱(会報1989年8月号)

 

人というのは欲張りでしかもできることなら楽をしたいと思っています。

本を読むだけで運命が変えられる。本を読むだけで超能力が得られる。

持つだけで運命が変えられる。持つだけで幸運が訪れる。聴くだけで幸運が訪れる。聴くだけで超能力が得られる。

神社や仏閣に祈願する。霊能者に守護神を出してもらい病気を治療する。超能力者に念力を入れてもらい病気を治療する。

霊能者に祈祷してもらいトラブルを解決する。など、巷には様々な風水法を始め健康法や開運法などがあるものです。

それと云うのも、古来より人間の幸・不幸・富・寿命などは人智を以ってしても、計り知れない何か不思議な存在によって支配されていると考えられ、人には夫々に見えざる運命の糸に操られながら一生を送って行くからでしょう。

 

若い人には幸運を呼ぶと云うペンダントやブレスレットなどに人気がある様です。

本を読むだけとか持つだけで容易に運命を変えられたり、超能力が得られたりしたら楽で愉快なことです。

しかし、現実はそんなに甘くはありません。それならその様な書物はインチキかと云うとそうではありません。

一方では、その様な安易で甘い考え方は、本当を言えば危険な思考なのです。

それは自分の重大な運命をグッズという品物に委ねることになるからで、それを拡大させ発展すると社会の政治や産業や経済や生活すらAIやロボットに委ねて、自らの運命さえも知らない内に支配されるでしょう。

 

運命改善には先ず自らの因縁・境遇を認識する

 

運命を変えようと思い立ったら、先ず自分の過去からの因縁と置かれている立場といいますか、環境・境遇などの状態を瞑想や内観でよく見つめて、認識することから始めなければならないからです。

ですから、運命改善の書物を読んだり指導者のアドバイスを受けて、自分の今いる立場・状態を認識して解れば、既に運命を変える方向へ進んでいることになる訳です。

ところが、この世の中には不幸で苦しんでいる人でも、何故か自分の置かれている状態を知ろうとしない人々も多くあり、ただ闇雲にもがいているのみで少しでも改善する気持ちが無い様に思われることです。

その様な人は誰か他の人がやって来て自分の運命を嘆き、同情して無報酬で良くしてくれるとでも考えているのでしょうか。自分のカルマは自分で犠牲や代償を支払い努力を通してのみ解決(解脱)するより方法はありません。

どの様な事柄であってもそうですが、問題を解こうと思ったらその問題をよく見つめて調べ上げて把握の上で判断し、偏見の無い認識をしなければ正しい解答は出てこないものです。

 

人生上の事物であっても同様なことです。

自分の運命を良くしようと思ったら、自分の今までの心遣いや言動と生き方を振り返り、良心(真理)に基づいて反省することから始めなければならないでしょう。

それが自己反省であり内観である訳です。

自分ではどうしたらよいのか分からないと言う人は、信頼できる指導者に相談されることをお薦めします。

そうすれば自ずと自分の置かれている今の立場・境遇に納得がいき、これからどの方向へ進めればよいかが明らかになる訳です。

その場合に真理を体得した良き指導者などの手助けや、助言が得られれば速やかにさらに良くなります。

さらに良き指導者などに何回も接したり、生活を共にする様なことも感化力や以心伝心の作用で、自分の人生にプラスになることでしょう。

 

開運法と報恩の心(同月号より抜粋)

自分の運命を良くしようとして、風水による開運ペンダントや開運壷、開運絵画、開運印鑑などを買い漁り、開運講習会を受けたり、運命を良くする書物も沢山読んだり、書いてある事柄を実行したが一向に良くならないという人もあります。

そのために、開運と称して高価な絵画・印鑑・宝石・壷・仏像などを買い込んでも、運は一向に良くならず騙されたと言ってトラブルになることもある様です。

世の中の人々はそれぞれに千差万別の運命を持ち、複雑なカルマを背負っていて生活していますから、皆の運命が一様に改善されることは不可能です。

ところが様々な人がいて、開運の掛け軸や開運の置き物などを手に入れただけで、不思議にも長患いの病気が急に治ったり、何を遣っても駄目だった難問のトラブルがスムーズに解決したり、危機一髪で交通事故を未然に防ぐことが出来たり、希望の大学とか会社へ入れたり、理想の恋人が急に現れたりと、人智を超えた何か不思議な出来事が起きたりもする場合があります。

昔から親しまれた開運モノにはお守りとかお札・絵馬・仏像などがあります。しかし、これらは人生上の運命のごく一部の出来事に過ぎないと云うことです。

開運グッズ等は「Oリング」テスト等で、自分との相性を調べて合ったものを選ぶと効果は大きくなります。

 

○カード型人生

 

この様に本人の努力次第との現実的な境遇のギャップとも思われる現象は、丁度、「プリペイドカード」と「クレジットカード」の様な、正反対の性質と作用の関係だと考えれば、良いのではないでしようか。

つまり、世の為に貢献や奉仕をして努力したが何も得られなかった人は、陰徳を積んだ事であり丁度「チャージされたプリペイドカード」を手に入れたのであり、天の蔵に富を蓄えたことで何時かその権利を行使することで収穫の時期が来るでしょう。

或いは忘れてしまった昔の「クレジット・借財」を支払ったのかも知れません。

一方、何も努力しないのに思いがけない何かを得られた人は、忘れた昔に世の為に努力したことが「プリペイドカード」として保持され、今になって報われたとも言えます。

或いは「クレジットカード」を使ったのだと考えれば、将来に何等かの方法で対価を支払う必要が生じるでしょう。

自らの人間性を高めて天の倉に徳を積むと、現世に智恵や富や幸せが訪れることであり、何であれ「天爵を修めて人爵これに従う」という、修養を先行する必要があります。

つまり、人生に於いて無駄とか、損失は一切ないと言えます。

 

○運命的な流れと感謝や報恩する心

 

本当の意味に於いて運命を改善するということは、日々の生活に於ける小さな出来事も大切ではありますが、もっと大きな人生の運命的な流れというか、宿命(カルマ)の根本を良い方向へ変えて行かなければ、真の安心と幸福で豊かな生活は望めないばかりか訪れないものです。

そのためには、目先にある開運グッズなどのみに目を向けてないで、心の作用とか言動などの結果(因果律)を知ることも大切なことです。それが心の法則(真理)を知り従うことなのです。

一方、有名な霊能者・指導者に祈祷してもらって、長らく患っていた病気を治してもらったり、トラブルを解決して頂いたり、赤字続きの事業を好転して頂いたり、という話をよく聞きます。

ところがご本人はその時に霊能者・先生に僅かばかりのお礼をするのみで済ませ、その後、それっきりそのことは忘れて先生への恩を忘れ、さらには会社や取引先、先達や家族などの恩を忘れ、今順調なのは自分の力であり、一人で生きて来たように思っている高ぶった人もおられます。

その様な人は人や物事に対して感謝や報恩する心も乏しいか殆ど無く、世の中へ奉仕をして貢献する気持ちも少ないものです。

ですから、一時的に成功したり幸運を掴むことがあっても、やがて衰退して晩年は不運な人生を過ごすことになるものです。それが大自然の法則なのです。

 

○〈大恩人の系列が在る〉(モラロジーでは「伝統の原理」と云われてます)

 

何故ならば、今日の様に高度な文化を造り社会を発展させ築かれて人類が進化して来たのは、過去に於いて次世代の育成をして子孫の安心・平和・幸福・繁栄を考えて、献身的に努力された多くの先人先輩があったからであります。

この様に世の中に尽くされた人類一般に共通する大恩人として、大別すると国家生活・家庭生活・精神生活・物質生活の系列が在る訳です。

この様に私たちは実に様々な人々の恩恵によって、今日の便利で快適で豊かな生活が営まれているのです。理解できますか。

ですから、これらの恩人に対して私たちは生まれながらにして借財を背負っていますから、それら借財の返済として社会へ奉仕と報恩の良し悪しの心遣いと言動により、年月を重ねる内に借財の分量によりその人の幸不幸が決まり、興亡盛衰の結果として現れる訳です。

一朝一夕のことではありません。真の幸福生活を得ようと思い立ったら、それなりの勉強と努力をして弛まない実践が大切でしょう。

 

運命の改善と魂の修行でカルマを解脱(会報1992年2月号より抜粋)

 

世の中の多くの人々は、自分の不運な境遇とか環境を直ぐにでも変えて、良くなり楽をしたいと考えている様です。

特に当旧相談室へ訪れた方々は「何回来れば良くなりますか」と、異口同音に言われて私は閉口しています。

真理から観れば、急に不運な境遇とか環境が転換して良くなる事をこい願う事などは、利己的な自我欲望の想念であって、例えそれが叶えられたからと云っても魂的に満足できるものではありません。

それは人間を高次元の世界から観れば、私たちの地上に於ける人生は霊的な修行の場であり、各自の病気や事故や災害やトラブルなどの不幸という、身の上に降り掛かった事象がその人の魂の進化の段階(ステップ)として、一歩一歩と昇って行く時に起こる学習項目であり試練であることを知る時、今ある立場・境地から輝く世界を眺めることになるでしょう。

前途に何が立ち阻もうとも光明思想を取り入れて、魂の底から新たな勇気と希望を持って自分の人生を望み進んで行くなら、月日が経つ内に知らぬ間に悪いと思われた境遇とか環境は消えて行くものです。

それは性格の改善とて自ら自覚できる様になるには何ヶ月も要するものです。

例えば、催眠療法で性格の悪癖を改善しようとして催眠教室へ1週間に1~2回くらい通って指導を受けても、性格やその程度にも因りますが少なくても20回くらいは必要でしょう。毎日通っても効果はその割に上がりません。

あなたは、ご自分の性格を、どの様に捉えていますか?。

 

運命成立や品性が形成されるプロセス(左から右へと年月を経て徐々に形成されていく)

 

 

特に人の運命の改善には年月を要しますから、一朝一夕という具合には出来ないでしょう。各自が背負っている運命の改善プロセスには順序があります。

まず大切なことは心遣いであり、心の思考や想念は積み重なると性格となり、その人独特の雰囲気を作り表情となり人格となります。

人格は品性を形成し境遇とか環境の変化として現れ、初めて運命の修正が可能となる訳です。他人任せでは全く話になりません。

世間では何かの技術や技能を取得するための格言に「石の上にも3年」と云われています。どの様な物事でもそうですが、体で覚え自分のモノとするには最低でも3年は必要だということなのです。

ましてや人の運命は開拓するものであり、自らの心をコントロールして性格を改め人格を高めないと、真の安心と豊かさや幸福な生活という効果は現れませんから、僅か3年では「運命を修正できた」と、実感する迄には至らないでしょう。

人の心である、心遣い・思考・想念は習慣性があり、何気ない意識の持ち様では変えられなく、意志を強くして心掛け努力が欠かせません。

だから私は相談室へ訪れる方々に「運命が急に良くなる事は決してありません」と、断言しています。

運命の改善には、一般的に10年単位で成り行きを見つめる必要があります。