輪中に生かされて | 植民所在地3丁目

植民所在地3丁目

Alfooでのブログ『誰も知らない植民所在地』の発展系。所在地わかりました。

でも書いてることは変わらない。

後任のために、「寂しくなったらここへ行け!岐阜のカフェマップ」を遺したい。

 

 

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遂に正面を向いてくれるようになったねこたち。岐阜の人たちもそうである。

 

私の夢は、ゆっくりと時間の流れる平和なまちで、ねこたちを引き連れて出勤すること。残念ながら、私自身が闇の世界の住人であるため優雅に出勤できた試しなど一度たりとてないが、それでも朝はねこが通勤路を横切り、時に並走しながら職場へ急ぐ。ある意味夢は叶っている。

 

 
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昼はカフェ。岐阜は個人経営のカフェが多く、ドリンクやスイーツへのこだわりが全体的に深い。チェーン店でない限り注文してから20~30分待つのがざらだが、平日のランチタイムに限っては、こちらも休憩時間が限られているのでさすがにそこまで待てず、わがままを言って急いでランチを出してもらっているのだが、盛況しているタイミングで入店してしまうとそれでも間に合わない時がある。

そんな時・・・

 

 

???「お姉さん!」

私「!?」

私「あ、あなたは・・・!この店の常連さん!?」

常連さん「お勤め、ご苦労さん!○ちゃん(店員さんの名前)、俺の注文したランチを、まずお姉さんにあげとくれ!俺は自営業だから・・・時間に制約なんてないんだ。だから・・・!お姉さんに・・・ランチを・・・・・・!!」

 

私「ズキュゥゥゥン!だ、抱いて!!」(とは言っていない)

 

 

と、そのカフェの常連さんが盾となり、屍となって私をこえさせてくれるのです。それも一人じゃない。そして私にだけではない。私はそこでこえられても、店員さんは相変わらず忙しいままなのだ。何故ならば、私以外にも客はいる。

店員さんのピンチに

 

 

常連さん「○ちゃん、何か手伝おうか」

 

店員さん「まあ、ありがとう」

 

常連さん2「俺今の時間暇なんだ、何か手伝おうか?」

 

常連さん3「よう、何か手伝おうか」

 

 

と、シータとドーラ一家の息子たちのようなやりとりがなされると同時に、この時だけ常連さんが店員になる。お冷とおしぼりの準備をしたり、注文を聞き取ったり、料理を運んだり。お客さんが帰った後の食器を下げたり、更には皿まで洗う。せっかくランチを早く出してもらったのに、私は思わず手が止まって口あんぐりとこの光景を見ているしかありませんでした。・・・わ、輪中ってこのことかーーーーっ!!

輪中(わじゅう)根性・・・岐阜県の県民性を表す言葉。猜疑心が強く排他的だが、仲間(にいる者)に対する思いやりは非常に強く、結束も固い。

 

 

どうやら、私もようやく輪中に入れたようです。

 

 

そこのカフェの店員さんにはいつも急がせて申し訳ないので、休日もたまに行って地元のお土産を渡したりしています。そこでまた話が盛り上がり、更に親睦が深まる。地域のネットワークのすごさを思い出しました。どこらへんに住んでいてどこに勤めているのかもう完全にバレバレです。

私のもだけど、向こうのもね。岐阜人の警戒心も解けてきたし、こちらとしてもなんだか過ごしやすくなりました。

 

 

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夜は酒(毎日ではござらん!←)。

 

神奈川生活で自身の生活能力のなさを思い知ってからは、食うことに関しては金に糸目をつけないと決めている。故に我が家のエンゲル係数は恐ろしいことになっており、私の命は彼らに握られていると言っても過言ではないが、カフェをタクショク感覚で利用するのも私ぐらいだと思うので、私が岐阜に来たのは運命であり適任だと思う。

 

転勤のある仕事に就いたので、岐阜をいずれは離れることになりますが、この温かい輪の中にずっといたいなという気持ち、わかります。岐阜を離れたくなくて、仕事の方を辞めたという人の話も結構聞く。同時に、初めの頃の苦しさや寂しさは涙を呑むものがあったので、後任が孤独で死なないように「寂しくなったらここへ行け!岐阜のカフェマップ」を作成したい。店員さんとは話つけとくから(爆)

 

結局あれです、周囲に誰がいようとも自分で道を切り拓かなくてはならないのですが、そのための材料や土壌が豊富なことは全然悪いことじゃない。私は結構孤軍奮闘してきた方だけれども、当時は名前しか痕跡の見つからなかった前任者が実は遠くから私を心配していたと聞いて、それだけでごはん3杯食べてしっかり眠って自分を奮い立たせることができました。それだけでいい。

 

何かが誰かのどこかに引っかかると思うので、材料はちりばめておきたいと思ったのでした。