アップルがアップルカーの開発を終了 自動車のEVシフト幻想は崩壊に

 
アップルが「タイタン」のプロジェクト名で進めてきたEV開発プロジェクトを中止し、アップルカーの開発を終了するということが報道されている。

アップルカーは2028年ぐらいの販売を予定していたと言われており、レベル2(部分的な運転自動化)の自動運転機能を搭載したEVで、販売価格としては1台10万ドル程度を想定していたようだ。

アップルはここまで多額の資金と人的リソースを投球していたEVプロジェクトをなぜ中止したのか?

◆ EVバブルの崩壊

大きな理由の一つはEVバブルの崩壊である。

象徴的なのは1/24に発表されたテスラの2023年第4四半期の決算だ。
売上高251億7,000万ドルと市場予想の258億7,000万ドルを下回り、一株当たり利益も
0.71ドルと市場予想の0.73ドルを下回った。

EVの雄であるテスラの業績が伸び悩んでいるというのは衝撃的であり、決算発表後のテスラの株価は、S&P500種株価指数が史上最高値を更新する中でさえない動きが続いている。

テスラの業績伸び悩みはBYDなどの中国EVメーカーが廉価なEVの販売数を伸ばしていることの影響が大きいと言われている。

たしかにBYDについては、2023年通期純利益が速報値ベースで290億~310億元(約5,980億-6,400億円)とそこそこは儲かってはいる。