SBIが新生銀行に敵対的買収を仕掛けた件が話題になっている。

 

 

敵対的買収と言われる場合、株の買付者が対象会社の経営陣と対立している意味で使われる。

 

正確に言うと上場企業の取締役会は公開買付(TOB)が発表された場合、そのTOBに対して

「賛同」なのか「反対」なのか「意見不表明(中立に近い)」の方針を開示しなかればいけない。

 

今回SBIは新生銀行の経営陣に事前に通告することなくTOBを発表している。

 

それに対して新生銀行側はまだ方針を開示していない。

https://www.shinseibank.com/corporate/news/pdf/pdf2021/210909_announcement_j.pdf

 

おそらく一両日中には新生銀行側から方針の開示があると思います。

 

そもそも友好的なのか敵対的なのかという点については、会社側が取締役会で決議して発表するわけです。


取締役は株主の利益の最大化を目指さなければいけないという大原則があるのですが、 「株主の利益の最大化」という部分は解釈の幅があります。


株価が100円なのに1000円でTOBするみたいな極端なケースであれば、買付者の属性にもよるが、おそらく会社として反対という表明はしにくいだろう。


今回の新生銀行のケースでは直近終値が1,440円で、買付価格は2,000円である。


このレベルのプレミアムだと、一般論としてだが、いろいろな理由をつけて会社として反対という表明をする余地もあるように思う。


但し、SBIの公開買付に関する開示を見た限りは、

SBIにとってのメリットは不透明だが、新生銀行側にはメリットが多いように感じた。


あまり将来性があると思われると、そのまま保有されて株も集まらないということもあるわけだが、おそらくSBI側としてはある程度の集まる目処は立っているのではないか。(金融庁も認めている訳ですし。また財務省OBの五味氏の名前も出ているので、ある程度目処が立っていない中でそんな発表はしない気がします)


SBIは経営陣の入れ替えを表明しているようなので、新生銀行の経営陣としては賛成したくないというところでしょうが、この内容に対して反対意見まで出すのかどうかですが。


もしくは意見不表明(中立)でしょうか?


あとホワイトナイトを探してくるという可能性はゼロではありませんが、SBIがやったように銀行の株を大量に買い付けるには金融庁に許可を取る必要があり、実務的に難しいような気がします。


そもそも今の新生銀行を買いたいという先があるかというと疑問ですし。


それにしても日本語では敵対的、友好的という言葉が使われる訳ですが、会社側が絶対反対と言っていても株主のほとんどが賛成だった場合は敵対的買収なんですかね?


今の使われ方だと敵対的ということになるのでしょうが、どうも違和感がありますね。



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