証券会社で手数料無料化の流れが加速している。
① 株式の仲介手数料を無料化する
② 投資信託の買付手数料を無料化する
という流れである。
①については、現物取引の仲介手数料と信用取引の仲介手数料がある。
信用取引については、仲介手数料以外に融資の金利収益、貸株手数料等があるが、現物取引は仲介手数料をなくしたら、現状のままではコストだけかかる状況になってしまう。
なお①については、ネット証券以外はなかなか踏み切れないだろう、
踏み切れないが、ネット証券が手数料をゼロにしてしまうので、対面の株のお客さんの多くはネット証券に流れてしまう。
今でも既にそうなっているが、手数料無料化によって、対面の証券会社で単純に株を発注するというお客さんは限りなくいなくなっていくだろう。
②については申込時の買付手数料を無料化する、所謂ノーロード投信化である。
投資信託については、買付手数料以外に運用期間内に証券会社と運用会社が貰う信託報酬がある。
投資信託については、買付手数は取らず、残高を積み上げて信託報酬を頂くというビジネスモデルになっていく流れだろう。
証券会社の経営の観点から考えていこう。
恐らくこれまでは、対面の証券会社は預かり資産に対してのフィーベースは200ベーシス(ベーシスは%の1/100)ぐらいの水準をフィーとして取っていたのではないか。
営業マン一人が20億円の預かり資産を持っているとして、そこから年間200ベーシスだと4000万円の収益、そこから営業マンは1000~1500万円のの年収を得ていた。(実際は株の預けっぱなしのお客さんとか、債券や投信がしこっているいるお客さんがいてもう少し預かり資産は多いかもしれませんが)
これからは恐らく50ベーシスぐらいの預かり資産からの収益を想定していかなければいけない時代になってくるだろう。
今までのままで20億円の預かり資産だと、1000万円の得られず、当然1000万円や1500万円の賃金を支払うには無理になる。(おそらくこのレベルだと良くて500万円だろう)
今までの年収を得ようと思えば、最低でも預かり資産が80億円、出来れば100億円ぐらい無いと厳しくなってくる。
簡単に言うと、今までの高い年収を得ようと思えば、証券会社では100億円近い預かり資産を持っている人でないと厳しいという訳である。
但し、今までのように売ったり買ったりをするという事ではなくて、預かりフィーから安定的に得るという形になる。
限りなくプライベートバンカー的な形になるだろう。
上記のような形ではなく、もし200ベーシスとかの高いフィーを得ようと思うのであれば、それは本当のアドバイスに対するフィーになるだろう。
今までのようにブローカレッジのフィーに紛れ込ませて高いフィーを取るのではなく、資産運用等に関するアドバイスを行うフィーという事になるが、これはかなりハイレベルなコンサルティング能力がないと成り立たないだろう。
顧客が200ベーシスの手数料を払ってでも相談したいという人でなければ取ることは出来なくなるだろう。
証券業界は、手数料自由化から約20年、今まで改革の時間は十分にあったはずなのに怠ってきたツケを一気に払うときが来たようだ。
10年後、いやもしかしたら5年後は今までの証券会社は殆ど要らない存在になっているのではないか。