万上旅館という、昭和の連れ込み宿がついこの前まで日暮里にあった。

今のPJさんを連れていこうものなら、ドン引きされそうなアパートのような外観とは裏腹に、内装はとても凝っており、どの間も趣向がこらされていた。

淫靡な和室もあれば、支那間もあり、浴槽はタイル張りで、船の形をしていたり、寝そべることができるようになっていたり、とにかく様々な趣向が凝らされていたのだった。

蝙蝠の障子、あれは本当に淫靡だった。

 

万上旅館とは、DD時代から長いつきあいだった。全室制覇したと思うw

もう顔が思い浮かばないお相手もいるけれど、万上旅館の部屋だけは今も鮮やかに思い出すことができる。

 

同じような趣向をこらした部屋のあった、井の頭公園まわりの連れ込み宿もなくなってしまった。

 

まだ残っているとすると、新宿のヤング・インだけだろうか。大ガードを新都心方面にくぐって、都民銀行の裏。(今は違うテナントかな?)

昔は休憩2000円台という圧倒的な安さと、平日は宿泊が17時から朝までという大盤振る舞いで、ここは本当に学生にはありがたかった。オーナーは画家なのか、各部屋にはオーナーの作品と思われる絵画と、部屋ごとにテーマがあって(五線譜とか、山小屋とか)、ここも味わい深い。

 

ああ、我が青春の万上旅館よ、建物はなくなっても、マヨエールの生きている限り、記憶の中から消えることはないだろう。