大きな買い物を決定する責任から回避しようとする動き
朝日新聞オンラインが10月1日に掲出した「やっぱりスタインウェイ買います 高級ピアノ、鎌倉市議会が一転容認」〔村上潤治〕は、鎌倉市議会の総務常任委員会が継続審査とした鎌倉芸術館のグランドピアノの買い替え契約について、市議会が1日午前2時台の本会議で一転して賛成多数で購入を認めたと報じる。一部の議員が9月30日に委員会で同日中に結論を出すことを求める動議を本会議で出し、あらためて委員会での審査を経て、本会議で可決したとの由。同様に継続審査となっていた鎌倉文学館改修の契約も認めたという。このピアノは米・スタインウェイ&サンズ社製のグランドピアノ「D―274」で、芸術館の同じ種類のピアノの修理が難しいことから市が約4423万円で買い替えを議会に提案したもので、芸術館ではス社製のほか、オーストリア・ベーゼンドルファー製、国産のヤマハ、カワイ製の計4台を所有しているが、複数の著名なピアニストが「D―274」を演奏機種に指定し、2025年度の稼働率はヤマハ48%、ス社36%だったという。議案を付託され、審査した総務委では9月15日、「芸術館の経営が厳しいなか、見直すべきだ」など反対意見が多数を占め、採決では、委員長を除く5人のうち3人が結論を出さない継続審査としたとのこと。これまでの市議会では、委員会が継続審査とした場合、本会議で採決せず、審査は委員会で継続されてきたが、総務委で継続審査が相次いだことから、一部議員が9月30日、市の契約に支障が出るなどとして、総務委に同日夜までに審査の結論を出すことを求める動議を本会議で出し、自民、公明、共産など5会派が賛成したという。同日夜の総務委は審査期限の延長を決めたものの、10月1日の本会議で、延期を認めず、購入を決めたと記事は伝える。
多数決の回避は、少数意見の尊重とは次元が異なると思う。